平成20年7月17日、『ハーブと元気を育てる仕事』と題して秋田市川反のアートスペース「ココラボラトリー」を会場に、秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会主催の「訪問者のためのグリーン・ツーリズム理解講座」とココラボラトリーの「百杯会(九杯目)」が手を組んだ企画が開催されました。

訪問者のためのグリーン・ツーリズム理解講座は、グリーン・ツーリズムに出かけてみたい訪問者(旅行者・お客様)を対象とした秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会オリジナルの講座で、グリーン・ツーリズムの楽しみ方を学んだり、グリーン・ツーリズム実践者の思いを聞いたりすることで、理解を深めていただいた上でグリーン・ツーリズムに出かけていただこうという趣旨で開催しているものです。

今回で2回目となるこの企画では、農家民宿・農家レストランを実践する2組のゲストを迎え、美味しいお酒とハーブ料理を楽しみながら、グリーン・ツーリズムのこと、農家レストラン・農家民宿の魅力を語り合いました。

画像:会場となったココラボラトリー1
秋田市の繁華街川反の一画にあるアートスペース「ココラボラトリー」
画像:会場となったココラボラトリー2
百杯会の案内チラシ(ネーミング・とっくりデザインが◎)
画像:会場となったココラボラトリー3
普段はギャラリーですが、今夜はお座敷に変身した「ココラボ」
画像:会場となったココラボラトリー4
スタッフのみなさんは準備で大忙しです

どうですかこの料理?五穀米とハーブのチャーハンに、まるで宝石のようにきらきら輝くハーブゼリーなどなど・・・当日はゲストの農家レストラン「ガーデンカフェTime」佐々木利子さんに作っていただいた色とりどりのハーブ料理がいっぱいでした!!
画像:佐々木さんのハーブ料理1画像:佐々木さんのハーブ料理2
画像:佐々木さんのハーブ料理3画像:佐々木さんのハーブ料理4
画像:佐々木さんのハーブ料理5画像:佐々木さんのハーブ料理6

この百杯会とは「語り伝えること、耳を傾けること、対話すること」をキーワードに、「杯を汲み交わしながら日々の生活の中でふとわき上がる疑問や日ごろ抱いている思いについて世代や立場を超えて語らう場」として、ココラボラトリーで開催してきている会です。

この夜も、いつものように参加者のみなさんには受付後、平たいおちょこ・深めのおちょこ・・・様々な種類のおちょこから1つを選んでもらいました。

また本日のゲスト農家民宿「輝湖」の高橋さんよりラベンダーの香袋のプレゼントがありました。

画像:たくさんのおちょこ
1つ1つ違うおちょこたち 
画像:カゴ入りのラベンダーの香袋
これはラベンダーの香袋。農家民宿「輝湖」さんからのプレゼントです
画像:座敷にやってきた参加者
参加者のみなさんも徐々に増えてきました
画像:ハーブティーを淹れる佐々木さん
お酒が飲めない方のためにハーブティーを煎れてくれる佐々木さん

 

参加者が一通りそろった夜7時にスタートしました。最初にココラボラトリーの笹尾さんとあきた花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会の鎌田さんがあいさつを行い、次に県農山村振興課でグリーン・ツーリズムを担当する泉谷主任より秋田県内のグリーン・ツーリズムの現状や、子育て世代・大学生へ向けてのグリーン・ツーリズムの取り組み事例の紹介がありました。

画像:鎌田さんと笹尾さん
あきた花まるっGT協議会の鎌田さん(左)とココラボラトリーの笹尾さん(右)
画像:泉谷主任
秋田県内のグリーン・ツーリズムについて紹介する県・泉谷主任
画像:佐藤さん
ガーデンカフェtimeの近所で酒屋「勘六商店」を営む佐藤さん
画像:まずは一杯
はじめまして。まずは一杯。どうぞどうぞ
画像:まずは一杯2
こちらでも、どうぞどうぞ
画像:乾杯
では、かんぱ~い!!

 「ガーデンカフェTime」と同じ集落で佐々木利子さんと一緒に地域を盛り上げようとがんばっている酒屋の佐藤さんが厳選したにかほ・由利エリアの地酒を杯につぎ、みなさんで乾杯!をした後、和やかな雰囲気の中、本日のゲストから、農家レストラン・農家民宿を実践する思いを語っていただきました。
 農家レストラン「ガーデンカフェTime」を営む佐々木利子さんからは、亡くなった父や、大草原の小さな家にあこがれて姉妹でガーデンづくりをしようとした矢先に亡くなった妹への思いが今につながっていることや、ガーデンカフェを初めてから少しずつ、でも確実に地元大竹集落の人達が、自分の家まわりに花を植えるようになり、結果的には大竹集落全体の景観がよくなってきていることなどを語ってくれました。
 農家民宿「輝湖」を営む高橋輝子さんからは子どもたちのホームステイ・体験学習受け入れをきっかけとして始めた農家民宿への思いや、交流する子ども達から学ぶことがいかに多いかを語っていただきました。また生産性は悪いから儲からないが美味しくてどうしても作り続けているという極上極大の自家製ニンニクを特別に持ってきていただき、特製おろしニンニク醤油を振る舞って下さいました。

画像:ゲストのお二人と笹尾さんのトークの様子
ゲスト2人と「ココラボ」笹尾さんとのトーク
画像:佐々木 利子さん
農家レストラン「ガーデンカフェTime」を営む佐々木利子さん
画像:高橋 輝子さん
農家民宿「輝湖」を営む高橋輝子さん
画像:高橋さんのご主人
ニンニクと子ども達の魅力を語る高橋さんのご主人
画像:ゲストのお二人
お二人とも熱い思いを語って下さいました

 続いて、2組目のゲストである秋田大学生3名による、農家レストラン体験の発表が行われました。3名は佐々木さんが経営する「ガーデンカフェTime」を訪れ、「秋田のターシャ・テューダ」とお客さんから呼ばれる佐々木さんが開墾し育てたハーブの庭の鑑賞や笹巻き体験をした感想、また「ガーデンカフェTime」があるにかほ市大竹集落を散策した感想をプレゼン用ソフトを使ってわかりやすく発表してくれました。

画像:麻生さん
発表者の一人、麻生さん
画像:岩泉さんと石岡さん
岩泉さんと石岡さん
画像:3人の発表の様子
「ガーデンカフェタイム」での体験や、大竹集落の散策で感じた印象を話してくれた3人。

 その後、本日発表してくれたゲストの皆さんやグリーン・ツーリズムについての意見交換コーナーとなりました。「秋田の農業や農家には興味はすごくあるけれど、体験受け入れや農作業ボランティアなどの情報が無かった。もっと情報発信があればいいと思う」といった大学生の意見や、「石見銀山が世界遺産登録された結果、日常生活で困っていると言う話しを聞いたけれども、大竹集落を始めグリーン・ツーリズムをすすめていくことで、観光スポット化してしまい住民の生活スタイルが変わってしまうようなことはないか?」という主婦からの意見などがありました。
 これらについては、今年度は大学生や子育て世代をターゲットとしたPRに県や協議会が力を入れていることが紹介されたり、「グリーン・ツーリズムの持つ魅力を最大限に生かすには、大人数の観光客をターゲットとするのではなく、一人ひとりの心のふれあいが可能な規模で展開していくことが大切だと思う。」とか、「受入の規模に見合ったPRを続け、それがきちんと訪問者に理解されれば観光スポット化されるようなことはないだろうと思う。農家民宿やレストラン、それがある農山村が望んでいるのは、グリーン・ツーリズム大ブームとか抱えきれないほどのお客さんとかではなく、もうあとちょっとの賑わいだ」というゲストや担当者の考えが述べられたり、それにまた他の方が意見を述べるなど、グリーン・ツーリズムをテーマとしていろいろな方向からの意見交換ができました。

 最後は、笹尾さんから「グリーン・ツーリズムが普通の観光と違って、人と人との心の交流、対話を第一にすすめているということ、これはこの百杯会が目指している『語り伝えること、耳を傾けること、対話すること』ということと同じ事。このような会をきっかけとしてじわじわと波紋のように広げていくというのが、グリーン・ツーリズムの良さなのかもしれませんね」という言葉で締めくくられました。

画像:笹尾さんとゲストとのトークの様子
笹尾さんと2人のゲストのトーク
画像:質問に丁寧に答えるゲストの皆様
参加者の質問に丁寧に答える3名のゲストのみなさん
画像:質問をする参加者の方
参加者からゲストへの質問
画像:お見送りの様子
終了後、ゲスト・スタッフみんなで見送り。
画像:スタッフ・ゲスト集合写真
ゲストのみなさん、企画運営と行ったココラボラトリー・S Allow AKITA・花まるっ協議会・県のスタッフとお手伝いをしてくれた農家民宿星雪館や大学生たち。

 今後も、協議会ではこのような訪問者向けの理解講座により、グリーン・ツーリズムの魅力を訪問者(旅行者)に伝えていくこととしています。