平成22年度秋田県農林水産部農業関係補助事業に係る第三者委員会
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秋田県農林水産部農業関係補助事業に係る第三者委員会 議事概要
開催日時
平成23年10月6日(木曜日) 午前10時~午前12時
開催場所
秋田県議会棟2階特別会議室(秋田市山王4丁目1番1号)
出席者
- 委員
- 鵜川洋樹委員
- 佐藤郁子委員
- 髙橋清悦委員
- 吉澤結子委員
- 県
- 農林政策課長
- 農山村振興課長
- 水田総合利用課長
- 園芸振興課参事兼課長
- 畜産振興課長
- 関係各課担当者
秋田県農林水産部農業関係補助事業の実施状況について
強い農業づくり交付金について
- 事業制度の概要について、水田総合利用課から説明。
- 評価年に当たる事業の実績・評価等について、関係各課から説明。
平成23年度事業について
- 平成23年度関係事業の制度概要、予算について関係各課から説明。
質疑
A委員 個々の事業の実施後の項目、成果目標はわかるが、採択する時の採択側の基準はあるか。
事務局 一律の面積などの基準はなく、効率化・低コスト化等の成果目標をどれだけ達成する計画かでポイント化され、事業計画をポイント順に並べて、高い方から採択されることになる。
A委員 県農政全体の方向性として、経営規模の拡大や法人化など目指す施策がある と思うが、そういった方向にインセンティブが働くような配慮はあるか。
事務局 組織化や法人化などに取り組んでいる方々、県の土地利用型の水田農業を引 っ張っていくような方々がステップアップするために補助事業を取り入れている。 組織化や法人化は事業を実施する必要条件となっている。
B委員 天候等の理由で評価が低いものはわかるが、№2、№8の稼働状況等が6割 前後。この理由はなにか。今後改善される見込みは。
事務局 いずれも当初の計画どおりに面積の集積ができなかったために、稼働面積が 少なくなっているものである。今後、地域で集積を進めて計画の達成を目指した い。
C委員 №13、二重被覆カーテン、非常に効率よくエネルギーを使っている、計画的に 進めることが出来たと言うことで、さらなる拡大に期待したい。 №18、大規模畜産農家でも計画を達成、誰かが地域の小規模農家を引っ張っ ていくことで良い結果に結びついていると思う。
一方、天候の影響で評価が低くなっている事業があるが、農業はある意味天 候に左右されるのが当たり前。そうならないための対策、打つ手がないのか。
事務局 刈り取り期間が短いため農家もぎりぎりの選択。なるべく良い条件での作業 になるように努力しているが、残念ながら抜本的な解決方法はない。
B委員 №14、15鶏卵の施設の評価について、理由を聞けば、成果目標の評価は低い が個数や取引は増えているなど、内容は良い。良くなっている部分を指標化で きないか。
事務局 事業を実施したときに評価項目は決まっているため、替えられない。ご指摘 のとおり取引先は2倍になるなど、本来は大喜びなこと。
B委員 評価そのものは動かせないと思うが、本来は良いこと。どこに書くかは別に して、第三者委員会としてもそうした説明はあった方がよいと思うので、工夫 してもらいたい。
A委員 アグリ白藤の事業で利用集積が目標を達成していないが、国の戸別所得補償 制度がスタートした時期。そのため集積を予定していた農家に影響したのか。
事務局 予定していた1農家がもう2~3年自分で営農したいと言うことで、特に戸別所 得補償とは関係ない。
D委員 同じ事業についてだが、事業施設は乾燥調製施設なのに、その導入で農地の 流動化を図るというワンクッションおいた指標になっている。事業導入の効果が 直接的に表れる指標にならないのか。
事務局 同じ強い農業づくりでも、生産性の向上を図る産地競争力の強化と、担い手の 育成や農地の集積を図る経営力の強化で別の事業になり、導入する施設は同じ でも事業の目標が異なるためである。
D委員 №12桃の選果施設は販売額が2倍になる計画。選果機を入れただけではこれ ほど販売額は増えないはずで、面積拡大などの計画もあるのか。
事務局 面積拡大も含めての計画だったが、思ったほどには伸びなかった。ただし、 徐々にではあるが面積、販売額ともに伸びており、平成23年度は1億円を超 えると見込んでいる。
D委員 未達成の理由しか書かれていないので、良い部分、伸びている部分も説明が あって良いのではないか。
意見交換
A委員 個々の事業の評価についてはこれでわかるが、それを積み上げたもの、強い 農業づくり交付金が県全体で果たしている役割など、事業全体としての成果が わかるようなまとめ、かなり難しいかもしれないが一般県民の目から見て定量 化したようなまとめがあると良いのではないか。 第三者委員会も効果が上がるのではないか。
事務局 最近は交付金化されたことで、市町村が国から直接補助を受けて実施してい る事業や、NPOが直接国の事業を実施しているケースもあり、全体をとらえる ことが難しいこともある。 できるだけ地域振興局等を通して全体のニーズ、実施状況を把握して対応し たい。
A委員 制度的な問題もあると思うが、県として、また、地域全体として働きかけること が必要と考える。それによって個々の事業の採択にしても県が考えている。 方向性が反映されるのでは。非常に難しいとは思うが。
D委員 県の施策としては、法人化や規模拡大、集落営農が重要であると思うが一方 で、個人や家族経営で頑張っている農業者もいる。私が現場で聞いた話では、 こうした農家になかなか補助事業が回ってこないといった声を聞くが、そうい った農業者への県としての施策、事業はどうなっているか。
事務局 通称、夢プラン事業が5億円の規模で実施されており、法人や集団だけでな く、認定農業者が条件だが、個人でも園芸部門等への取組に補助している。 ただし、県で稲作機械の更新に助成することについて、県民の理解を得られ るのか、ということで、稲作機械への補助はない。 現在は、米依存からの脱却を図るため、園芸部門等への補助事業としてい る。
事務局 公共のほ場整備事業としても個人を対象とした事業はなく、例えば20ha以上 のほ場整備で3.5ha以上の認定農業者を育成、最終的には法人など効率的な 経営を目指すことになる。 非公共の事業としては、農地・水保全管理事業があり、農家・非農家が協力 して水路など環境を守っていく事業で、集落全体を守って行く仕組みとなって いる。
C委員 一般の家庭では農業のことは全然わからない。北限の桃もスーパーで初めて 知る、サンチュも秋田県で作っているのは知らなかった。こうした、うまくいって いる事例について情報開示して欲しい。 メディアを使って農業についての良い情報、農業の良さを子供に伝えるような ことをしていけば良いのでは。
事務局 平成13年から小学校5年生を対象に、全ての学校に秋田の農業の副読本を 配布している。地産地消の推進や、学校給食に供給していくような取組も行っ ている。 皆様が知らないとすればPRが良くないと言うことなので、お知らせする方法を 検討しながら、さらに取り組んで行く必要があると考える。
B委員 良いものができて、効率が良くなって、県内・県外にモノを売って、ということ がうまく行けば自然と若い人も農業に入ってきて、ということになると思うが、 売る部分と作る部分が、もっと密接に連携するシステムを県等でさらに構築 して行けないか。
事務局 流通販売課というセクションがあり、いろいろと取り組みを始めている。 今までは作ってJAに出荷して終わり、というケースも多かったが、法人や農 業者がいろいろなルート、直売を含めて取り組んでおり、東京事務所には農業 関係の専任の職員1名をおいて、販売につなげていくような取り組みを行って いる。
事務局 潟上市昭和ではほ場整備事業を契機にカゴメトマトジュースと連携して加工 用トマトへの取り組み、大仙市中仙では伊藤忠商事関連企業のトンカツ屋サボ テンとキャベツの契約栽培の取り組み、また、酒造会社と連携して原料米の生 産をほ場整備事業の計画に取り入れるなど、秋田県はやはり米が基盤なので、 これと組み合わせながら複合経営を確立していくということで事業を進めてい る。
D委員 山形県では「つや姫」がデビューし、コシヒカリ並みの評価を得ているようで 秋田県にとっても相当の脅威になると思っている。同じようにやる必要はない にしても、経営単位で考えると、基盤である米がしっかりしないと園芸などの 導入もうまくいかない。そういったことも考えて事業を進めていただければと 考える。