平成28年11月13日(日)に、雄勝郡羽後町上到米地域の「赤竹ため池」で、ため池ハザードマップを活用した防災訓練を、県内で初めて実施しました。

大雨によりため池が決壊する恐れがあるとの想定で、町の防災無線によりため池下流の鴻屋集落の住民に避難勧告が伝えられ、警察署や消防署・消防団が集落を巡回して避難を呼び掛けると、住民は坂の下児童館まで避難しました。

その後、田代福祉センターにおいて、当課の農村整備課長による「ため池に関するアンケート」結果の報告や、秋田県立大学の学生や永吉准教授を講師に迎え、「ため池の役割」について学習する出前授業を行いました。

秋田県内には約2,500箇所の農業用ため池がありますが、重要な用水源であるとともに生物の生育環境や住民の憩いの場など、様々な役割を果たしています。

アンケート結果では、地域の住民はため池の存在は知っており、維持管理などに参加したい人が多い結果の一方で、県立大学の生徒が現地調査した6つのため池は維持管理が十分に行き届いていないなど、近年の局地的な豪雨や大規模地震の発生により、ため池が溢れて堤体が決壊し人命や農地などに多大な被害をおよぼすことが想定されると発表がありました。

そのようななか、県立大学の永吉准教授より、ドローンを活用してため池を含めた農業水利施設を保全・管理していく手法の講義があり、今後の展開が期待されます。

県ではため池の補修・補強等のハード対策はもとより、ハザードマップによる住民への情報提供や監視体制の強化、及び地域住民を含めた保全管理体制整備などのソフト対策を実施することが重要としております。

今回の防災訓練は、ソフト対策の一環として実施したもので、雄勝管内においても、今後ハード対策と併せ、地元住民を含めた関係機関と協議しながら、計画的に推進していくこととしております。

写真:坂の下児童館
写真1:避難所(坂の下児童館)
写真:警察と消防による巡回
写真2:警察と消防による巡回
写真:住民の避難
写真3:住民の避難
写真:訓練後の講評
写真4:訓練後の講評
写真:出前授業
写真5:出前授業