時代の大変革期、秋田の可能性を信じて

執務中の知事

 世界を震撼させた新型コロナウイルスから解放され、日常を取り戻し始めたと思った矢先、地球規模の異常気象に襲われ、世界各地で大水害や熱波による大規模な森林火災、さらには今冬は国により記録的な暖冬と正反対の寒波、加えて我が国の2024年の幕開けは能登半島における大地震で始まりました。
 また、昨年末からはウクライナに加え、パレスチナでの歴史的背景による紛争が激化しています。
 一方で、日本の経済活力の低下により、世界3位の日本のGDPが人口が日本の66%のドイツに超されました。
 さらに、ITを中心とした情報技術は、AIやインターネットの第3世代とも言われるWEB3という新たなシステムの出現など急激な進展を続けています。
 加えて、中国の覇権的行動や北朝鮮の動向による我が国周辺の安全保障環境も深刻になっています。
 このような中で、我が国では少子高齢化という流れは止まらず、今後の急激な人口減少は避けられません。
 地球温暖化、それに伴う食料生産能力の低下、大地震も含めた大災害、急激な技術革新下における産業社会、安全保障体制等々、多くの分野において旧来の発想や経験則にとらわれない新しい対応力の強化が、国や地方自治体、そして企業・団体、さらには個々人にも求められる時代になっています。
 これらの時代背景を踏まえれば私たちの「ふるさと秋田」には、これらの重大な課題に対する対応力、いわばいつの時代でも人間の生存に不可欠な、食料資源、時代が求めるグリーンエネルギー資源、そして命の源の水資源を生み出し貴重な国内資源でもある森林資源が豊富に存在します。
 多くの課題はあるものの、私はこれらの秋田の強みが発揮される時代は、すぐそこまで来ていると信じます。
 どんな時代でも、我が国にとって必要な「ふるさと秋田」を皆で前に進めて行こうではありませんか。


  2024年3月12日
秋田県知事 佐竹敬久