画像:八鎌まるごとお宝展

画像:かたくり館昼 画像:かたくり館夜1 画像:かたくり館夜2

2008年10月12日(日)、「八鎌まるごとお宝展」と題して仙北市西木八津・鎌足集落及び「かたくり館」を舞台にしたイベントを開催しました。

このイベントは、国際教養大学地域環境研究センター(CRECI)と秋田県農山村振興課が連携し、農山村地域の持つ自然・伝統・文化・人的資源を活かした地域ぐるみの活性化を担う人材の育成を目的として開催している「Akitaふるさと活力人(かつりょくびと)養成セミナー」の一環として、セミナーで学んだスキルを実践し、地域住民と一緒に地域おこし・活性化につながる取組を経験する、地域住民参加型の現地イベントです。

画像:仙北市西木八津・鎌足集落の風景1 画像:仙北市西木八津・鎌足集落の風景2 画像:仙北市西木八津・鎌足集落の風景3

昨年の第4回セミナーでここ西木を舞台としたフィールドワークを実施して以来、この日のためにグループに分かれて企画書作りやプレゼンテーション、コンペを実施し選ばれた案を土台としてセミナー受講生が練り上げてきた企画です。今回のイベントは以下のマップにも掲載されていますが、大きく分けて4つの構成で開催しました。

  1. 私たちのお宝展
  2. タイムトリップ写真館
  3. カレーなる晩餐会
  4. 和紙&ペットボトル灯ろうでのストリートキャンドル
画像:八鎌お宝マップ
受講生が描いたイベント用マップ『八鎌お宝マップ』

私たちのお宝展・タイムトリップ写真館

『私たちのお宝展』は受講生や地元八津・鎌足集落の皆さんの大切な宝物、思い出の品や昔使っていた農作業用具などを一同に集めて集落のお宝美術館にしようという企画で、受講生の娘さんの絵画・高校時代のユニフォームから苗を手植えしていた頃のころがし(回転枠)など、様々なお宝が集まりました。

展示に際しては、ただ単純に並べるだけではそのお宝の価値が分からないので、お宝にストーリー性を持たせるためにキャプション(説明用の見出し)を作成し、そのお宝がどのように使われたか・どれだけ大事なものかが分かるようにすることとしました。このキャプションは前回ここかたくり館で行われたセミナーで、受講生が体験した紙漉きで作成した和紙を用いています。

画像:紙漉き体験の様子1 画像:紙漉き体験の様子2 画像:紙漉き体験の様子3
前回セミナー(第9回)で体験した紙漉きの様子
画像:「ころがし」の清掃
集落の方が出品してくれた「ころがし」を掃除
画像:お宝の説明書きを作成
お宝の説明書きを書いています。前回セミナーで漉いた和紙をキャプション(展示品の説明文章)として使用します。
画像:野外のお宝展
野外のお宝展
画像:受講生や集落の方々のお宝が並ぶ様子
受講生のお宝や集落の方々のお宝が並びます。

画像:スポーツ選手の像 画像:軽トラックから何かを持ち上げる人々

画像:辰子像
こちらは受講生の門脇さんのご主人の作品。本物の辰子像のようです。
画像:館内のお宝展
こちらはかたくり館内のお宝展

画像:館内のお宝展2

画像:館内のお宝展3
懐かしい写真が並びました

行楽シーズンで、かつ仙北市内で他のイベントもあり、開始後しばらくは人出もまばらでしたが、昼に近づくにつれ集落内・観光客の皆さんが徐々に立ち寄ってくれました。イベント自体を知らなかった人も多かったのですが、受講生の呼びかけでかたくり館内のお宝展を見てくれる人も増えました。

当初は野外のお宝展は集落内の神社・個人宅の駐車場を会場にしていましたが、場所がかたくり館から離れた場所だったこともあり集客が芳しくありませんでした。そのため午後からかたくり館前に場所を移し、展示したところ観光客の皆さんが興味を示してくれ、特に年配の方々は昔使っていた農作業用具を懐かしんで見入っていました。

画像:駐車場での来客の様子
紅葉・観光シーズンもあってか、途切れなく来客がありました。
画像:西明寺栗の販売
かたくり館前では西明寺栗の販売も行われ、受講生も販売を手伝いつつお宝展の見学を勧めました。
画像:お宝を眺める来客者
かたくり館前に会場を移したお宝展。みなさん興味深そうにながめていました。
画像:タイムトリップ写真館で使った衣装
タイムトリップ写真館で使った衣装。写真中央右よりの衣装は西馬音内盆踊り用の浴衣です。
画像:受講生に衣装を着せてもらう子ども
受講生に衣装を着せてもらう子ども
画像:懐かしそうに昔の写真を眺める方
集落の方も懐かしそうに昔の写真などをご覧になっていました

カレーなる晩餐会(びっ栗カレー)

もう一つの企画であるカレーなる晩餐会では、西木の特産品である西明寺栗を使ったカレー(愛称:びっ栗カレー)を作り、それを集落の皆さんや来場者に振る舞いました。西明寺栗の特色を生かすために、あえてカレールーには入れずに栗ご飯にして栗の大きさと風味をそのまま味わってもらうことにしました。

また、地元八津・鎌足集落の皆さんが準備してくれた漬け物やカボチャ、山菜をトッピングにしました。

画像:カレー作りの様子1
地元のお母さんたちに手伝ってもらいながらカレーの準備を進めます
画像:カレー作りの様子2
子供たちにも食べてもらうため甘めの味付け

画像:カレー作りの様子3

画像:西明寺栗
大きな西明寺栗
画像:栗ご飯
おいしそうな栗ご飯が炊きあがりました
画像:かぼちゃの煮物
こちらはカボチャの煮物。地元のお母さんたちが作ってくれました
画像:あんかけ
餡かけのかぼちゃの煮物。このツヤが食欲をそそります。
画像:大根の漬物
こちらは大根の漬け物
画像:ミョウガの漬物
これはミョウガの漬け物
画像:西明寺栗の渋皮煮
西明寺栗の渋皮煮

夕刻、カレーの準備が整い集落の皆さん・来場の皆さんに振る舞いました。集落の皆さんには事前にマイ皿・マイスプーンを準備してもらうようにお願いし、出来るだけ使い捨て容器を使用しないことを実践しました。集落の皆さんはこの取り組みに協力くださり、皿とスプーンを手に集まってくれました。

カレーは甘めの味付けにしたのが良かったのか、子供たちも喜んで食べてくれました。中にはお代わりをする子もいました。

画像:カレー係
カレー担当の受講生

画像:カレー配膳

画像:トッピングをカレーにのせる
集落の皆さんが準備してくれたミズの実・漬け物・カボチャなど。カレーのトッピングとなりました。

画像:トッピングの乗ったカレーライス

画像:集落の皆さん
集落の皆さんが集まってくれました。
画像:カレーを食べる子供達
喜んで食べてくれた子供たち。みんなお代わりをして大満足のようでした。

和紙&ペットボトル灯ろう(ペッ灯ろう)を使って集落を彩る

この企画は、国道から集落の玄関口であるかたくり館までの道路に灯ろうで明かりを灯そうというものでした。 灯ろうの制作は八津・鎌足集落の皆さんにも協力してもらいました。和紙に一人一人それぞれデザインを施したため全てが違う模様となっています。

画像:和紙の模様を描く様子
和紙の模様を描く様子。受講生、先生、事務局皆で作業です。
画像:ろうそくを差し込む様子
こちらは、ペッ灯ろうにロウソクを差し込む作業です。個数が多いので大変です。
画像:真剣に何かを描いている子供達
地元の子どもたちも灯ろう作成をお手伝い
画像:道路脇に灯篭を設置する様子
イベント当日、灯ろうを道路脇に設置します。灯ろうは軽いので底張りに重石を置いて安定させます。
画像:某キャラクターの描かれた灯篭
こちらはピカ○ュウ?全ての灯ろうが手書きの作品
画像:軽トラックの荷台に乗った灯篭
受講生が準備した軽トラで灯ろうの運搬
画像:栃木橋(とちのきばし)にも灯ろうを設置
国道から集落とかたくり館への入り口となる栃木橋(とちのきばし)にも灯ろうを設置して夕暮れ後の点火の雰囲気作りの演出に凝りました
画像:端の地覆に並んだ灯篭
整然と並べられた灯ろう。日が落ちるのを待ちます

 日が落ち、辺りが暗くなり始めた頃灯ろうに明かりを灯しました。つけ始めはまた薄暗い空に、灯ろうの明かりは目立ちませんでしたが、徐々に暗さを増す空と反比例して輝きを増すかたくり館周辺は幻想的な景色に包まれました。

画像:並べた灯篭に明かりが灯る1

画像:並べた灯篭に明かりが灯る2 画像:並べた灯篭に明かりが灯る3 画像:並べた灯篭に明かりが灯る4 画像:並べた灯篭に明かりが灯る5 画像:並べた灯篭に明かりが灯る6 画像:並べた灯篭に明かりが灯る7 画像:並べた灯篭に明かりが灯る8 画像:並べた灯篭に明かりが灯る9 

今回の現地企画は「Akitaふるさと活力人(かつりょくびと)養成セミナー」の一環として、地域住民と一緒に地域おこし・活性化につながる取組を、セミナー受講生が企画から実施まで体験することを目的に行われました。地元西木八津・鎌足集落の皆さんからのご協力のもと、無事に終了しました。

昨年6月から始まったこのセミナーでは、「講義で学んだ知識」、「フィールドワークから企画書コンペ、そしてイベントを通しての実践力」を培ってきました。今回のイベント実施に際しては、受講生各々が仕事を持ちながら合間を見つけての企画調整、地元八津・鎌足集落の皆さんに協力して頂くための話し合い等、様々な発見や苦労があったと思います。実際に体験した結果の反省点も様々見えてきたはずです。

次回のセミナーでは今回経験した現地企画の振り返りにより反省点等を出し合い、現地企画開催のプロセスを踏まえて、地域活性の再考を行う予定です。

今後セミナーを修了する受講生が、自身が住む地域もしくは関わる地域の活性化や地域おこしのコーディネーターとして活動する際に、セミナーで得たスキルを自分自身のものとして活かしていってほしいと考えています。
八津・鎌足集落の皆さん、ご協力どうもありがとうございました

画像:企画に参加いただいた皆さんとスタッフ一同の集合写真
現地企画にご協力頂いた八津・鎌足集落のみなさん、セミナー講師の熊谷教授、前中准教授、セミナー受講生、活力人1期生、県事務局