ゲストハウス麓〼-Rokumasuへの道
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秋田県にかほ市横岡地区で県外出身者の二人の若者が、地域活性化の拠点となるゲストハウス実現までの道のりを紹介します。
1 秋田県にかほ市横岡とは
(1)霊峰「鳥海山」の麓、伝統文化の伝承の地
にかほ市の南東部、鳥海山の麓に位置し、人口 311人、世帯数 97世帯(R4年.4.1現在)の集落。
棚田が広がる田園風景のなか、鳥海山麓からの融雪水による豊富な農業用水を活用して営農を続けている中山間地であり、古くから伝わる「上郷の小正月行事」や「鳥海山日立舞」等、長い歴史の中で育まれた伝統芸能や文化が伝承されています。
- 鳥海山の麓に位置します。
- 横岡地区の棚田風景
- 鳥海山日立舞
- (2)米とソバの二刀流の地
そば栽培には不適といわれる水はけの悪い農地の中でも、好条件の土地に劣らない収量を確保するなど、優れた生産技術が評価されています。
毎年12月に開催される年越しそば打ち体験や、市内各種イベントでのそば打ち教室など、そば文化の振興・認知度向上に積極的に取り組んでいます。
- そば畑が広がっています。
- そば打ち体験の様子
- 横岡稲倉そば
(3)地域住民自らが考え行動する地
横岡自治会便りは、平成22年から毎月発行され会員相互の情報共有ツールとなり、地域総出の運動会や夏休みの自然体験教室などで世代間交流も盛んです。
首都圏の地域出身者による「横岡ふるさと会」とのつながりも強く、コロナ禍にあってもSNSを利用したデジタル里帰りを実施しています。
- 令和元年 横岡運動会の様子
- 自治会便りの発行
- 横岡ふるさと会のチラシ
2 横岡地区に魅了された二人の若者
令和3年度、にかほ市の地域おこし協力隊員に就任した二人の若者は、横岡地区を訪れて横岡産ソバを使った十割ソバに感動、地域住民との交流を通じてその人柄に惹かれ、横岡集落を拠点とした活動を決心しました。
都会出身者に対して「”田舎での生活の豊かさを体感し、自分の田舎を作る”価値を提供する」をコンセプトに、活動母体となる「Ventos」を立ち上げて、活動拠点としてのゲストハウス構想を打ち出し、さらには集落で収穫した農産物の商品開発を目指します。
3 さらなる地域活性化のための組織づくり
令和4年度、地域全体で地域活性化を考え進めるため、Ventosが中心となり、横岡自治会、横岡稲倉そば生産組合、農家、近隣漁業者等を構成員とした「麓のカラコ協議会」を立ち上げます。
4 地域活性化拠点「ゲストハウス麓〼-Rokumasu」の誕生
麓のカラコ協議会の活動拠点兼事務所として、「ゲストハウス麓〼-Rokumasu」を計画します。これは、「観光客等の宿泊場所」、「地域交流スペース」、「一次産業の体験」、「横岡稲倉そばブランド商品創出のための加工場」、「リモートワーク、リモート授業のための第二の居住拠点」など、多様な機能を併せ持つことを目指します。
令和4年度に地域の理解の元、県・市の支援を受けて、地区内の空き古民家をゲストハウスにリフォームすることになります。
リフォームは、協議会構成員が自ら作業するほか、SNSにより活動の周知を行った結果、地域内外の幅広い層が作業に参加し、新たな地域のコミュニケーションが生まれ、子ども達も手伝いに参加するほど輪が広がりました。
- 改修する古民家
- 漆喰塗りの様子
- 子ども達もお手伝い!
完成したゲストハウス麓〼-Rokumasuがこちら↓
- ドミトリータイプの寝床
- 人々が集うコミュニティスペース
- タンスを活用した洗面台
国は、複数の集落による集落協定や農業法人など農業者を母体とした組織と、自治会、社会福祉協議会など多様な地域の関係者が連携して協議会を設立し、農用地等の保全、地域資源の活用、農山漁村の生活支援に係る将来ビジョンを策定し、これに基づき各事業を実施する「農村型地域運営組織(農村RMO)」の形成を進めています。
令和5年度、麓のカラコ協議会は秋田県のトップランナーとして、この「農村RMO」に名乗りを上げ、次なるステージに向かいます。
麓のカラコ協議会が農村RMOの母体となり、ゲストハウス麓〼-Rokumasuを活動・交流拠点として、農用地の保全、地域資源の活用、生活支援に係る将来ビジョンを策定し、このビジョン達成のために各事業を展開し、根付かせていきます。
これにより、住民自らが田舎暮らしの豊かさを体感できる魅力ある田舎を作り出していこうとしています。