• 開催日時
    平成29年9月6日(水曜日) 午後1時30分~午後3時30分
  • 開催場所
    ルポールみずほ ゆりの間(秋田市山王4丁目2-12)
  • 出席者
    • 委員
      伊藤邦夫委員、鵜川洋樹委員、齋藤登則委員、佐々木隆委員、藤原絹子委員

    • 農山村振興課長、畜産振興課長、水田総合利用課政策監
      関係各課担当職員

1 秋田県農林水産部農業関係補助事業の実施状況等について

(1)強い農業づくり交付金について

  • 事業制度の概要について、及び評価年度における事業の実績・評価等について、関係各課から説明。

(2)意見交換

 

2 質疑

鵜川委員長
 本日の審議対象は6件であるが、家畜市場と園芸作物の施設と米の施設に分けられるので、施設の種類毎に審議願いたい。

総合家畜市場について

 A委員
 成果目標に対する評価が低いのは、取引頭数が目標に達していないことが最大の要因だと思う。3つの市場を統合した後の目標が1回当たりの平均取引頭数580頭となっているが、この目標が大きすぎたのではないか。

事務局
 平成21年度の3つの市場の取引頭数が6,189頭であり、これを12回で割ると約515頭になる。現状維持であればそれくらいであるが、当時の県の総合発展計画に努力目標として掲げた、肉用牛の飼養頭数から導いた目標であったので、非常に大きな目標になった。

A委員
 肉用牛の頭数は、約8年周期で増減を繰り返すと言われており、この間はずっと減少している局面であった。その影響が大きかったのではないか。

事務局
 一番上位にある計画を無視して、家畜市場の計画を作成する訳にはいかなかった。

B委員
 総合発展計画の牛に関する目標値を作ったのは県であり、その際にはきちんとしたデータなり根拠を踏まえ、この数字は達成可能であると説明したはず。このような条件を設定して計画を立てていたが、このような変化や影響があり、残念ながら達成できなかったという説明の仕方が必要である。
 この期間は、主要産地で口蹄疫の発生があったり、前回の共進会での義平福の評判があったり、県内には好影響があったはずであるが、年々落ちている。何か大きい問題があるのか、その辺をどのように分析しているか。

事務局
 義平福が全国第2位を獲得したことによって、農家のモチベーションは上がった。確かに、義平福の効果によって、子牛価格は全国の上昇率を上回る率で上がったが、自分たちが繁殖素牛を導入する時は高価格が足かせとなって、規模拡大にはマイナス要因となった。
ただ、長い間、子牛価格が堅調に推移していることで、繁殖経営が見直され、ここ数年でようやく繁殖雌牛も増えているという結果になっている。

C委員
 少子高齢化で畜産農家も減少していく中で、事業目標達成の可能性としては苦しいところでないか。

事務局
 平均年齢が65歳を上回り、ますます年齢層が高くなってきている実情があるが、その中にあっても若い後継者が着実に育っている。県のフロンティア育成研修において毎年2~4人の新たな研修生を実行部隊として輩出している。こういう方々は、フロンティア育成研修を終了すると直ちに自分で繁殖牛舎を建てて規模拡大に貢献している。最近は、そういう若い方々が100~200頭の今までにない規模の経営に取り組もうとしており、明るい兆しが見えている。

鵜川委員長
 この事業については、計画が過大というより、それを達成するような繁殖雌牛の増頭対策が不十分であったということが、一番大きな原因と総括したい。

植物工場について


D委員
 稼働率がどうして低いのか。

事務局
 事業計画では、ベビーリーフを生産し、契約業者を通じた販売を考えていたが、計画していたより製造原価がかかったため、予定通りに納品できなかった。そのため、業務用に多く使われており、ベビーリーフの半分以下の大きさで、より販売単価の高いマイクロリーフの生産にシフトしている現状にある。このため、当初計画したより少ない生産量となったため目標値に対する稼働率が低くなった。

C委員
 ローソンファーム秋田ということであるが、地元の労働者数はどれくらいか。

事務局
 計画では6名となっている。各地にローソンファームがあるが、その中でローソンファーム秋田は、あえて雪国の中で挑戦している。
 今は、地元で小玉スイカや枝豆の取引も行い、経営の安定化に取り組んでいる。

E委員
 せっかく秋田にありながら、ベビーリーフの生産以外は考えていないかと思っていたが、安心した。

事務局
 回転が速いかというと、ベビーリーフでもマイクロリーフでも、製品ができるまでの日数はそんなに変わらない。効率が良いわけではないが、需要があるものを生産している。

A委員
 マイクロリーフに転換してから、経営状況は改善している。経営がうまくいかないと、せっかく作った施設も台無しになる。経営に対する県の支援は何かあったのか。

事務局
 栽培ノウハウはプラントメーカーが主体であるが、照明や液体肥料がどうかなど農業試験場で測定したり、経営など全体のことに関しても、羽後町が入った協議会の中で検討を行った。

A委員
 県としての支援を行っているのであれば、コメント欄に書いた方が良いと思う。

米の施設(3施設)について

鵜川委員長
 成果目標の評価は全体的に高めだと思うが、いかがか。ご意見を出して頂きたい。

B委員
 うご農協の成果目標は、どういう理由で既に100%を達成しているものを採用して、それがどういう判断で採択になったのか。

事務局
 うご農協の種子に関わる目標であるが、取組内容に対して設定できる目標が事業要領で定められており、それに基づいて、何項目かある中で2つの成果目標を設定し、国との協議で認められた。

B委員
 いくつか目標にすべき項目があったとすれば、なぜ100%に達成したもの選んだのか。

事務局
 取組内容に対して設定されているメニューの中で、それを維持する目標設定であったと理解している。

B委員
 この2つ以外の目標にはどんなものがあり、そちらも100%だったのか。現状が100%で、目標年度も100%で維持しかない。それが更なる評価にあたるのか疑問である。現状維持も採択の判断基準になったということか。

事務局
 種子の乾燥施設について、成果目標に水稲種子の農産物検査における合格率100%があるが、発芽率が90%以上ないと合格にならない。発芽率は乾燥調製のやり方によって変動する。乾燥施設導入前は個人で乾燥調製しており、その不備で発芽率が低下し不合格となるケースも過去にあった。不合格になると種子の不足分が生じるので、あたり前のことかもしれないが、100%の合格率を確保することが重要である。種子の更新率についても、全県で100%更新をお願いしており、維持していくことが重要なことから、この2つを成果目標としている。

D委員
 そもそも論であるが、強い農業づくり交付金の実施状況ということなので、この交付金をうまく交付して、うまく事業をやって欲しいということだと思うが、国の交付金というのは、事業主体がこれくらい欲しいというのか、県がこれくらい交付するというのか、金額はどのように決めるのか。

事務局
 各事業主体が、これくらいかかると事業計画を作成し、県は国に提出する。国は計画を精査し、ポイント付けをして、上位から選んで県に配当をする。県からの配分は、県の裁量に任されているが、県では申請に基づいてそのままの率で配当している。

D委員
 我々の税金から交付されていることなので、効果が現れるように交付をしてもらいたい。

事務局
 費用と効果の側面では、費用対効果の計算シートを計画に添付し、事業を導入することによって費用を賄える効果が現れているか、審査を受けて事業に着手している。

D委員
 これからも強い農業づくり、産地の競争力を高めるような取組に交付してほしい。

トマト集出荷貯蔵施設について


C委員
 来年度に向け、力を入れなければいけないことがたくさんあると感じている。秋田おばこ農協の集出荷貯蔵施設の目標値が達成されていない状況にある。
 私個人としては、強いリーダーシップを持った人間を育てるのが大事ではないかと思う。県でも人材育成に力を入れ、自立できるような支援策をお願いしたい。

A委員
 コメントには、今後フォローアップチームを立ち上げ、人手確保に対する支援を強化すると書いているが、具体的な人手確保対策があれば教えていただきたい。

事務局
 他地域では、JA組合員に対して、メガ団地等への就労の意思を確認したりすることで、雇用のマッチングを進めている事例があり、今後、これら優良事例も紹介しながら人手確保の支援を強化して行きたい。

 トマトについては、新たな栽培システムを使用しており、中仙メガ団地に適した管理方法を検討し、改良を加えながら進めている。また、これほど大規模な栽培がこれまでなかったことから、効率的な労務管理のため、県立大学の先生にも入ってもらいながら、改善を進めている。これらの経営改善の過程の中に若い後継者も関わり、人材育成も並行して行われているため、まだ成果は出ていないものの、人材育成も含め、日々改善していると認識している。

A委員
 改善されれば効率的になり、絶対的な人員不足は心配しなくても良いか。

事務局
 労働の効率化と合わせて、労働環境なども含めて、働く場として選択されるような環境を整備すべきであるが、販売額の増加に伴って、雇用者の関心も高くなると考えるので、この点も含め、総合的に考えていきたい。
 今後、職業紹介所的な機能が必要と考える農協も多いので、中仙メガ団地に限らず、優良事例の普及に努めたい。

A委員
 トマト集出荷貯蔵施設の利用率が100%以上となっているが、利用率という言葉からすると100%以上というのはおかしいと思う。農林水産省の一連の事業の中で、利用率の計算方法が決められているなら、しょうがないと思うが、その辺はどうなのか。

事務局
 計算の方法は国で決めており、こちらでは変えられない。

A委員
 利用率という言葉からすると、間違っている気がする。国で定められた計算方法なのかどうかを確認し、定められた計算方法でない場合は、適切な表記に修正した方が良いと思う。

 

意見交換


E委員
 豪雨災害の報告を受け、メガ団地のトマトは大丈夫かと思った。各種支援について、農家へ情報が行き渡るように、きめ細かい周知をお願いしたい。農家の声を聞くと、生育が1週間遅れているそうであり、その中で、被害を受けても頑張っているので、県としても、販路拡大等により一層力を貸して頂けるようお願いする。

事務局
 災害復旧事業の情報については、市町村、土地改良区、振興局などを通じて、農家に行き渡るようにしている。他に、復旧作業に対する日本型直接支払制度の活用の呼びかけや、作物被害については、普及指導員が巡回し指導を行っている。

 水稲の生育の遅れについては、出穂期が4~5日遅れているが、7~8月に比較的日照があった。あまり温度が高すぎない、こうした天気が続くことで、ゆっくり登熟が進み、おいしい米ができる。

 野菜は8月末の出荷額が野菜全体で去年より約15%程少ない状況。枝豆はかなり出荷量が少ない状況が続いていたが、前年比10%減まで改善している。7,8月の日照は東北の中では恵まれているので、今後は潤沢に出荷される見込み。

D委員
 今年は熊の出没が多いが、畜産として産業利用できないか。熊の肉を秋田のマタギ料理などに活用できれば、駆除にも役立つのではないか。

事務局
 畜産は家畜を対象としている。熊は被害を与える害獣として見ている。

鵜川委員長
 これで意見交換を終了します。

事務局
 委員の皆様お疲れ様でした。本日頂戴したご意見等については、今後の事業運営の参考とさせていただきたいと存じます。これで委員会を終了します。

 

 

 

 

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