地域外から人材を呼び込み地域活性化を目指す「半農半X」に関するセミナーを開催【2024年11月】

 秋田県では、農山漁村に滞在し自分の仕事を継続しながら農林漁業を組み合わせる「半農半X」による地域活性化の可能性について調査を実施しています。

 これまでの調査から得られた「半農半X」の成果・課題等を共有し、県内市町村、地域における取組の継続や拡大につなげていくことを目的に、2024年11月、秋田版「半農半X」推進セミナーを開催しました。

 セミナーには、県内の自治体や企業の関係者ら約50人が出席し、「半農半X」の価値や地域メリットに関する講演や、八峰町、鹿角市における事例紹介、体験参加者を交えたトークセッションなどを通じて、取組に対する理解を深めました。

 

セミナー全体

 

 【プログラム】

  (1)事業紹介  秋田版「半農半X」のこれまでの取組について (秋田県農山村振興課) 

  (2)講  演  「半農半X」の地域メリットと持続的発展に必要なコト

                 (CCCMKホールディングス株式会社 田野倉 正規 氏)

  (3)事例発表  ①八峰町 (NPO法人八峰町観光協会 元事務局長 板谷 大樹 氏)

             ②鹿角市 (NPO法人かづのclassy 勝又 奈緒子 氏)

  (4)トークセッション  モデレーター:田野倉 正規 氏

               パネリスト:板谷 大樹 氏、勝又 奈緒子 氏、

                     長野 庄貴 氏(八峰町「半農半X」参加者)、

                     糸原 絵里香 氏(鹿角市「半農半X」参加者)

講演(田野倉氏)

【講演】 

 企業や自治体向けマーケティング支援等を行う都内企業に勤め、にかほ市における「半農半X」の参加者でもある田野倉氏が講演し、地域メリットや取組の持続に必要なこと等についてアドバイス。

 〇 半農半Xのニーズやメリットを可視化して企画することが重要
 〇 参加者は報酬や観光よりも「交流」に魅力を感じる傾向
 〇 関係人口の先には就農、移住、二拠点居住といった可能性も広がるので、地域ごとに何をゴールにしたいか考えて取り組むことが秋田の未来につながる

 

【事例発表】

①八峰町

 令和3年度に県内初の半農半X事業実施地域となり、令和5年度は町単独事業として継続した取組について紹介。

 〇 デザイナー、ライター、動画製作、会社員など、様々な職業の方が参加し、人が人を呼ぶという結果も生まれた
 〇 参加者同士も家族のようにつながりを強め、普通の旅行ではない独自の価値がこの取組の魅力

②鹿角市 

 令和5~6年度に事業を実施し、半農半X実施後に移住につながった事例も含めて紹介。

 〇 移住を促進する中で農業に関心を持っている人が多く、半農半Xで農業労働力を補いつつ鹿角に人が来てほしいという思いで実施
 〇 「おてつたび」を活用し参加者を募集するなど、参加者と受入農家の双方の満足度を高めることができた
 〇 1名が体験後に地域おこし協力隊として移住したほか、体験参加者が鹿角市に再訪する関係人口につながっている

 

トークセッション

【トークセッション】

 

 パネリストへのアンケートを基にそれぞれの半農半Xへの意見交換を実施。

 〇 半農半Xを通じて多くの人が農業に携わり地域と関わることで、秋田(その地域)が第2のふるさととなり、農山村地域の活性化につながることを期待
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