写真:菜の花畑

 秋田県大仙市協和小種地区。かつて葉たばこや牧草などの栽培地であった畑が、農家の高齢化や販売不振などから耕作放棄地となり、見るに見かねた有志によって菜の花栽培が始まった。
 はじめは、「小種を花いっぱいにして花見をしよう」が目的であったが、やがて鑑賞だけで終わらせず、菜種の収穫から搾油、販売まで一貫した活動へと発展させるため、平成21年7月に「農事組合法人エコ・ファーム」を設立し、菜種油は「まほろば菜油(さいゆ)」と命名した。
 法人の事務所(兼)工場は、大仙市の協力により廃校となった旧小種小学校を借り受け、かつての給食室が菜種油製造工場に、保健室が事務室に生まれ変わった。

写真:給食室
給食室が製造工場に
写真:保健室
保健室が事務室に

耕作放棄地再生利用

 平成21年までは、エコ・ファーム独自に約9ヘクタールの再生利用を図ってきたが、平成22年には国の耕作放棄地再生利用緊急対策と県の農地有効活用促進支援事業を利用して、新たに約1ヘクタールの再生に取り組んでおり、エコ・ファームの経営面積は約10ヘクタールとなった。
 平成23年は、更に十数ヘクタールの拡大を予定している。

写真:草刈り後の表土の反転作業
草刈り後の表土の反転作業
写真:再生前の耕作放棄地
再生前の耕作放棄地
写真:収穫作業
収穫作業
写真:なたね
なたね

循環型地域社会への取組

 菜種油の製造販売に止まらず、使用済みの廃食用油を回収してBDFを製造し、農耕用トラクター等に使用、あるいは菜種油の絞りかすを肥料として農地に還元する地域資源循環型農業にも取組。
図:菜の花循環システムのイメージ

地産地消への取組

 菜種油は、道の駅やネット販売のほか、地域の一般家庭、秋田県立大学の食堂や大仙市の学校給食等にも使用。また菜種油の需要拡大をねらって料理講習会を開催、オリジナルレシピを作成。
 料理講習会の様子は、大仙市のホームページでご覧下さい。大仙市

写真:販売の様子
道の駅 協和での販売
写真:講習会の様子
(株)ワイズキッチンの協力による講習会

平成21年度元気なムラづくり”チャレンジ”支援事業

 エコ・ファームは、平成21年度に秋田県が公募した元気なムラづくり”チャレンジ”支援事業に応募し、「元気なムラづくり」にも取り組みました。
 この事業は、高齢化等集落の自立と活性化に向けて、「元気なムラづくり」にチャレンジする地域協働組織等の実践活動を支援し、新たな集落コミュニティーを担う組織の育成を図ることを目的としています。
 詳細は、元気なムラづくり“チャレンジ”情報 in AKITA