図:Akitaふるさと活力人ロゴ

Akitaふるさと活力人養成セミナー
第5期 H25-H26

 秋田県では中山間地域土地改良施設等保全対策事業により、国際教養大学地域環境研究センター(センター長 熊谷嘉隆 教授)と、県農山村振興課が連携し、農山村地域が有する、自然・伝統・文化・人的資源を活かした地域ぐるみの活性化を担う人材の育成を目指して、「Akitaふるさと活力人(かつりょくびと)養成セミナー」を開催しています。
 第1期(H17-18)、第2期(H19-20)、第3期(H21-22)、第4期(H23-24)に引き続き、第5期(H25-26)セミナーを開講中です。

第13回セミナー「現地企画」

 平成26年10月26日(日)、湯沢市松岡地区において「松岡収穫祭with松岡パラダイスプロジェクト」を開催しました。
 このイベントは「Akitaふるさと活力人養成セミナー」の一環として、現地において地域住民と一緒に、地域づくり、地域活性化などについて何ができるかを考え、企画から実施までの実践経験を習得するものです。
 昨年12月にこの湯沢市松岡地区で現地調査と、住民との意見交換を行い、受講生が4グループ分かれて企画した内容について4月に選考会を実施。採用された企画について、受講生全員が一つのプロジェクトチームとして準備を行ってきました。
 イベントの内容は、既存の収穫祭を拡大し「トレッキング」「なべっこ」「ひまわり写真展」「花炭」の4つの企画を実施。より多くの住民に参加してもらうきっかけを作り、7つに分かれる集落の連携強化と世代間交流、地域と子ども達が一緒に取り組むことで地域から学習することを目的に行いました。

図:収穫祭パンフレット

Akitaふるさと活力人養成セミナー(第5期)現地企画

松岡収穫祭 with 松岡パラダイスプロジェクト

  • 日時 10月26日(日) 
  • 場所 湯沢市外堀会館
  • 時間 9:00~15:00

内容

準備作業

写真:準備作業1
前日の会場準備。地域の方々と一緒に会場の飾り付けや、なべっこの買い出し、当日の役割分担など、入念な準備をしました。
写真:準備作業2
近隣の方々に参加の呼びかけ。
「行くよ!楽しみにしてるよー。」との返事。
嬉しい!(^_^)
写真:準備作業3
当日のスタッフミーティング。
写真:準備作業4
円陣を組んで気合いを入れます。
写真:準備作業5
天気が崩れても大丈夫なように、各集落のテントも借りて設置。まったく心配ないほどの晴天でしたが。
写真:準備作業6
花炭会場の窯場を準備。
写真:準備作業7
地元の新米で、お母さん達がおにぎりを作ってくれました。
美味しそう~!6人がかりでも大忙し。
写真:準備作業8
地元で取れた野菜も使って、なべっこ準備。150人分!
カメラ目線の余裕もありません。
写真:準備作業9
受付には次々とトレッキング参加者が集まってきました。
写真:準備作業10
一番乗りは、70代の仲良しおばあちゃん2人!
「自信があるから大丈夫!」と、やる気満々(*^_^*)

開会式

写真:開会式1
いよいよ、開幕。代表より、あいさつ。
写真:開会式2
雲ひとつ無い晴天!
写真:開会式3
ん?会場横の神社の後から覗く黄色い影は・・・?
写真:開会式4
スペシャルゲストの「神代カレンジャー」が登場。トレッキング参加者の安全のため、ご当地版ラジオ体操をしてくれました。
写真:開会式5
子ども達に大人気!
写真:開会式6
スタッフにも大人気!
でも、今日は美味しいなべっこがあるから、カレーの持ち込みは遠慮していただきましたm(_ _)m

トレッキング

 地元湯沢市松岡地区にある「白山(はくさん)」のトレッキング。
 「白山」の頂上には平安初期に坂上田村麻呂が建立したと言われる「白山神社」があり、ケヤキの木彫りの女神像が奉られている。女神像は秋田県の有形文化財に登録されており、参道沿いには神仏混合の石仏や小社が点在し、歴史ある信仰の山。
 地元ガイドから歴史を聞きながら、秋の紅葉した景色を楽みました。また、登山中には「花炭」にするための植物などを採取も行いました。

図:トレッキングマップ
5期生が作成したトレッキングマップ。
「白山」の見所や、歴史を紹介。トレッキングをしながら、歴史を学びます。
写真:トレッキング1
トレッキングには、30名の参加者が集ってくれました。
5歳から73歳の老若男女が、地元の歴史がつまった「白山」に一緒に登ります。
写真:トレッキング2
いよいよ、トレッキング開始!
写真:トレッキング3
あれ?カレンジャーも登るの?
写真:トレッキング4
紅葉した景色を楽しみながらのトレッキング。
事前に登山道を地元の方々が草刈りをしてくれたので、安全に登ることができました。
写真:トレッキング5
上半身だけが出た、大日如来像。
写真:トレッキング6
サンショウウオが生息するほどキレイな水場もありました。
写真:トレッキング7
頂上の白山神社に到着。
全員無事に登れたことにお礼。
写真:トレッキング8
下からも、頂上の参加者が見えました。
「お~い!」と手を振ります。
写真:トレッキング9
頂上からの景色。
真ん中に、会場の外堀会館や、愛宕神社が見えます。
写真:トレッキング10
ご神体の女神像は年に一回の御開帳。この日は、女神像に会うことはできませんでしたが、歴史の詰まった白山のトレッキングを楽しみました。
写真:トレッキング11
切畑地区の「切畑阿黒王名水」。
トレッキングで乾いた喉を潤します。
写真:トレッキング12
トレッキングで集めた植物。
このあと、花炭にしました。

ヒマワリ写真展・なべっこ

 地域住民が植えたヒマワリと住民との写真の展示と、地元の食材を使ったなべっこ。
 ヒマワリは、春に地区全戸を対象に種を配り各戸で育てたもので、夏には地区中にヒマワリが咲き乱れました。その思い出を、地域のスタッフや、受講生らが地域をまわり写真に収め、地域の半数以上となる約200戸分の写真を集めて展示。会場がヒマワリ畑にようになりました。
 また、地元のお母さん達が手作りの漬け物や、新米のおにぎり、地域で採れた野菜などを使ったなべっこなどを調理し、訪れた人に地元の秋の味覚を振る舞いました。

ヒマワリ写真展・なべっこ1
各戸に植えたヒマワリと住民との写真を集めて、会場をヒマワリ畑にしました。
ヒマワリ写真展・なべっこ2
写真を見るため、たくさんの方が訪れました。
写真の写真を撮影する人も。急遽プリントサービスを行ったところ、大変喜んでくれました。
ヒマワリ写真展・なべっこ3
折り紙で作ったヒマワリを手に記念撮影。
ヒマワリ写真展・なべっこ4
なべっこ会場は、一時は座る場所が無いほどの大盛況となりました。
ヒマワリ写真展・なべっこ5
地元のお母さん達手作りのなべっこ料理。
本当に美味しかったです。
ヒマワリ写真展・なべっこ6
地元ローカルラジオで電話中継をしていただきました。
「ラジオを聞いてきましたー!」という方もいらっしゃいました。

花炭

 花や野菜などを、そのままの形で炭にする「花炭」づくり体験。
 「花炭」とは「飾り炭」とも呼ばれ、木の実、葉、花、果物などの素材をそのままの形で炭化させて作る炭の一種で、茶の湯の世界では500年もの歴史を持つ、脱臭・調湿効果のあるインテリア。この「花炭」をトレッキングで採取した植物や、持ち寄った色々な材料で制作してもらう体験を行いました。 

写真:花炭1
花炭会場では、炭焼きの準備。たくさん作れるように長い窯場を作りました。
写真:花炭2
美味しそうな栗も、花炭にします。
写真:花炭3
こちらは円形の窯場。事前に何度も試作を重ねて、すでに職人の風格。
写真:花炭4
家で育てた花や、ホオズキ、野菜、セミの抜け殻など、いろいろなものを持ち寄ってくれました。
写真:花炭5
「花炭」づくり体験の開始。
写真:花炭6
子ども達がいろいろな素材を缶に詰めていきます。
興味津々で、大人達ものぞき込みます。
写真:花炭7
たくさん出来上がりました。一部炭にならなかった部分もあったりしましたが、それもまた趣きがあります。
写真:花炭8
出来上がった「花炭」の飾り付けレクチャー。
炭にしていない植物なども一緒に飾り付け、彩りを加えました。
写真:花炭9
各自、思い思いに飾り付けを行いました。
出来上がった「花炭」は、並べるそばからどんどん無くなってしまい、花炭係は大忙し。
写真:花炭10
出来映えにピースサイン(^_^)v
写真:花炭11
こんなに大きな松ぼっくりも、そのままの形で炭になりました。
写真:花炭12
炭だけではもったいないと、お芋も焼いて美味しく頂きました。その後、地元の椎茸などでバーベキューも始まったり・・・
写真:収穫祭終了1
やりきったスタッフ達の背中。
写真:収穫祭終了2

 今回の企画は「Akitaふるさと活力人養成セミナー」の一環で行ったものですが、受講生が各自の仕事の合間に何度も地域へ足を運び準備を進めてきました。企画の調整や、話合いなど、様々な苦労があったと思いますが、実践でなければ学べなかったことが、たくさんあったと思います。根気よくお付き合いいただいた松岡地区の方々には本当に感謝いたします。

 終了後の意見交換では、「スタッフ自らが楽しめた」「予想していたより多くの人に参加してもらい、嬉しかった」「新しいことにチャレンジする若い人のパワーを感じた」など満足した意見が多く聞かれた反面、「来年度も自分たちで継続できるのか不安」などの意見もありました。
 次回のセミナーでは今回の現地企画を振り返り、反省点などを話合い、今後の地域での継続などについて話合います。

松岡地区の皆さん、受講生のみなさん、お疲れ様でした

写真:
【現地企画スタッフの松岡地区のみなさん、セミナー講師の熊谷教授、前中教授、受講生のみなさん】

次回セミナーは12月12日 湯沢市外堀会館において「現地企画の振り返りと意見交換」
12月13日 湯沢市内において「セルフプレゼンテーションに向けての説明」を行う予定です。