農家民宿モニターツアー体験レポート(星雪館)

2009年02月18日 | コンテンツ番号 3554

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秋田県内外からモニターを募集し、抽選で3組の方が選ばれました。農家民宿に宿泊体験したレポートです。第三回「星雪館」編、藤崎俊治さんからのレポートです。

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藤崎さんご夫妻の2日間

1日目

午前中 秋田空港到着
角館、抱き返り、田沢湖を散策
18時頃 星雪館到着
夕食のメニューは・・・「ハタハタ醤油漬け、手作り豆腐の湯豆腐、五色なます、山の芋鍋、干しわらび煮物」など母さんと娘さんのおまかせ料理
薪ストーブを囲んで、美味しい手料理と楽しいおしゃべりで夜が更けていきました。

2日目

朝方から一日降り続く大雪でした。
雪降る中、かんじきを履いて歩きました。ハウスの中も見学。
母さんに教わって、干し餅編み体験。
12時頃 星雪館の皆さんに見送られて出発。

今回の体験での感想、印象に残ったエピソード

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抱き返り渓谷、雪の吊り橋

我々は勤め人ですから、時間にある程度追われて生活しているのではないかと思います。星雪館にはテレビもラジオも電話ももちろんパソコンも置いてありません。周囲の農家とも、ある程度離れていて音が聞こえない、これは冬だからなのでしょうか。でも、私はその状態が好きになりそうです。 電子機器は現代のスピードを追求する人間の生活にとって不可欠となりつつあります。でも、無くても生活は出来ると思います。電子機器に振り回され、無駄に時間を浪費しているのが、現代人なのかも。そういう気持ちを思い起こさせてくれたのが第1の感想です。還暦を過ぎ、時間を大切に使いたいと今、本当に思います。確かに、電子機器は便利ですが、人間性がそれによって損なわれているのではないでしょうか。今一度、自然の中に身をさらし、不便さの良さを見直し、人間の優しさを取り戻して行きたいものです。

秋田県は温泉が豊富で、楽しみの一つは雪見をしながら温泉に入ることでした。1月24日、角館で武家屋敷を見学し、駅前で昼食の後、田沢湖のアルパこまくさで念願のお湯の中へ冷たくなった身体を温めました。露天風呂で地元の方と少し、話をしましたが、晴れていると鳥海山を望むことが出来るとか、生憎曇っていたので、それは叶いませんでしたが、素晴らしい白濁したお湯でした。その方は大曲から1時間かけ、来ているとのこと。たくさん温泉があり、うらやましく感じました。

(農家民宿は)初めてなので、民宿に着いて、どのように入っていけば良いのか、少し構えてしまいましたが、門脇昭子さんに笑顔で自然体で迎えていただいたせいか、直ぐリラックスできました。星雪館は天井が高く、スペースが十分でゆったりと過ごすことが出来ました。特に、薪ストーブがあって煙突が部屋の中に伸びていて、気持ちが和むとともに身体も心も温かくなりました。二人とも子供時代を北海道で過ごしたので、大変懐かしく感動しました。それを囲んで素朴だけれど新鮮な素材を使ったご馳走を食べながら、おいしい地酒が飲めて(途中の酒屋で調達)、門脇さん親子との楽しい会話で旅の疲れが癒された気がしました。食事も我々のお腹のタイミングと丁度合っていて、二人の大好物のお腹にたくさん卵を抱えたハタハタが出てきたので非常にうれしくなりました。自家製の食材を利用した献立で、工夫が効いていて味わいながらいただきました。いつもなら、どんどん食べるのに、時間をかけて存分に楽しむことができました。昨年10月に10周年を迎えたと言うことで、門脇さんご家族は我々との距離の置き方が非常に上手で私もとても勉強になりました。

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星雪館での夕食、お母さんとおしゃべりしながら、ゆっくりと

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ストーブに薪を足すのが楽しくて

立派な書が部屋のあちらこちらに掛けられていて、気持ちが鎮まりました。我が家には油絵、ポスターは数点、飾られてはいますが、書は一つもありません。日本古来のというより中国から延々と続いている伝統的な書の魅力に触れた思いがしました。鑑賞するだけではもったいないので、今後は時間に余裕が出来るので60歳からの手習いにでもしようかなとも思います。

俊治さんのコメント

コーヒーが好きでよく飲みますが、出されたコーヒーが非常においしく感じました。市販の缶に入って挽かれた豆、コーヒーメーカーで煎れて特別なことをしていないと思いますが、きっと、水がそして空気がそのように感じさせるかと思われます。煎れた方に聞いたわけでないので、本当のところは不明ですが、そう思いました。

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ハウスの中では、昨日の夕食に頂いたなめこや大根が育っています

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かんじきを履いて、雪野原へ

1月25日午前3時頃から降り続いた雪は、からからに乾燥した千葉の冷たい空気に肌をさらしてきた我々に心地よい湿気を与えて、ゆったりとした眠りを与えてくれました。野菜も然りで、かんじきで雪の中をこいで、ハウスの中で見せていただいた、大根の葉のしなやかなこと、ゆがくだけで食べられるのではないかと思われました。(星雪館で飼われている)比内地鶏も(夕べの)鍋の中で良いだしを出していて、鍋の材料にエッセンスを移し替え、お腹がいっぱいで食べられませんでしたが、残すのがもったいないくらいでした。雪は人間の生活には邪魔になるものですが、活用のしだいで雪ならではの恵を与えてくれるものだと思いました。体験のお餅をつるす準備作業も、「さあやるぞ。」みたいなところがなく、何となく引きずり込まれたようで、あっという間に時間を忘れて結構集中してやっていたのではなかったのかと思います。寒い地方の保存食ということで、先人の智恵に感心しました。

農家民宿に期待することや提案

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 干し餅の編み方を教わりました。
 だんだん夢中になってきました。

今回、農家民宿の体験ということで、宿泊しましたが、普通予約をして農家民宿に宿泊する場合、ホテルとか、旅館とは違い気軽に入っていけないような気がしました。農家についての知識が不足しているのではないかと思うのです。親切なガイドあるいはFAQ(よくある質問)などが用意されていれば、もっと盛んになるのかも知れません。 食の安全、安心が今、声高に叫ばれていますが、農家民宿では添加物など一切使用しない自然のままのものを提供していただきたいと思います(その点でも、星雪館の食事は大変満足しました。)。それが、日本農業への信頼へとつながると思います。農業の持つ魅力を十分伝えること、それが、グリーンツーリズムに課せられた使命だと考えます。

1月25日未明、就寝中に、雪が屋根から落ちる音に夢の続きを見ているようで、一瞬はっとしましたが、雪が落ちた音だと納得してまた、目を閉じました。朝起床すると、かなりの積雪で最寄り駅の羽後長土呂駅も線路もすっかり埋まっていました。もちろん秋田内陸線は不通で、新幹線も奥羽本線も運休だらけ、帰りの足が心配でしたが、秋田県のモニターツアーご担当者に秋田駅まで送っていただいたお陰で何とか飛行機も遅延していたものの帰ることが出来ました。冬期の農家民宿は余裕をもって旅行の計画を立てなければと反省しました。

食事に出た、大根の煮付け、いとこ煮の南瓜はもちろんですが、添えられていた小豆のアンコをおいくいただきました。いただいたお焼きにしても、冷めてもアンコの味はそのままです。素材の新鮮さ、秋田の汚れていない空気と水、土壌、調理する人の温もりみたいなものが凝縮されたそんな味でした。 千葉でもそうですが、農林漁業に携わる女性は元気です。女性だけの農家のネットワークからさまざまな新しい取組が生まれ、農林漁業の発展を支えています。男性はどうしても、自我自尊に陥りやすく、お互いの主張を相容れようとはしません。その点、女性は柔軟性に富み、年齢を重ねる毎に新しいことに挑戦し、吸収し消化できる気持ちを持ち続けています。門脇母娘さんもそのような一人ではないかと思います。女性を中心とした農家民宿だけの集まりではなく、地域の農家の女性が参加できるネットワークを大切にしていただきたいと思います。

幸子さんのコメント

玄関の正面の階段を上がると“おかえりなさい”の大きな文字を見つけ、ホッとしました。部屋に入ると、広い座敷と懐かしいあったかい薪ストーブを囲みながら、秋田の地産地消の食事。ハタハタ、地鶏鍋、雪中野菜たちのおいしかったこと、最高のご馳走でした。一晩中、降り続いた雪は忘れていた除雪の苦労を思い出させてくれましたが、私たちにとっては最高の歓迎でした。除雪をしていただいたお父さん、お孫さんありがとうございました。門脇さん宅での「かんじき体験」、「干しもち体験」も初めてで楽しかったです。リタイヤしたら、田舎暮らしも良いなあ。“そんなに甘くないぞ”との声が聞こえそうですが・・・と思いました。お世話になりました。また、秋田に帰りたいと思います。ありがとうございました。

グリーン・ツーリズム全般に対する意見など

人は食べなければ生きられないことは自明のことですが、普段そのことを意識する人間は少ないのではないかと思います。その食を支えているのが、農水産業でこれからも命を繋ぐ産業として、ずっと何かをして、関わりを持ち続けたいと思います。 農家民宿体験は、私が秋田県のメルマガを購読していて、たまたま見つけたからでした。妻は私の気まぐれにつきあっただけと、帰ってきてから言っていましたが、それなりに楽しんだのではないかと思います。大雪がもたらす秋田の冬の景色の変貌に、一年中緑が身近にある平凡さ、退屈さ、単調さを久しぶりに打ち破ってくれた、そのような充実した2日間でした。

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大雪の中での写真撮影
写真は左から、藤崎幸子さん、星雪館の門脇征志さん、昭子さん、藤崎俊治さん、門脇富士美さん

星雪館 門脇昭子さんのコメント

大雪で大変だったなァ、遠くから、おつかれさまでした。夜はわたしも一緒におしゃべりして、楽しいひと時を過ごさせていただきました。今は雪だらけだけど、周りの山の春紅葉も本当にきれいだよ。是非また遊びに来てください。