平成30年度より県営農業水利施設活用小水力発電施設整備事業 上巾地区(所在地:由利本荘市西目)で建設を進めてきた上巾小水力発電所が令和7年6月に完成し、これを記念して令和7年11月25日(火)に竣工式が開催されました。
 竣工式は、施設管理者である由利本荘市土地改良区が主催し、県、由利本荘市、にかほ市、土地改良区、建設業者等の関係者が参加しました。
 
 はじめに、式典会場で神事が行われました。発電所の完成とこれからの安全運転を願う祝詞が響き、参加者は静かに頭を下げ、本発電所の取り組みが末永く守られるよう祈りを込めました。
 続いて、発電所へ移動し、設備の前でお祓いが行われました。清らかな水の流れの中、施工に携わった皆様の努力を思い出しながら、関係者は無事に稼働している様子をみて安堵している様子でした。
 その後の竣工式典では、計画段階から今日までの歩みが振り返られ、発電された電力の売電収入による農業用施設の維持管理費の負担軽減をはじめ、災害時の電力供給源としての役割や環境負担軽減に大きく寄与する取り組みであることが説明されました。
 ひとつひとつの積み重ねが完成につながったことを実感させる内容で、参加者からは大きな拍手が送られました。
 
 発電所が完成したことで、本事業は無事完了を迎えました。今後、由利本荘市土地改良区による適切な管理のもと、上巾小水力発電所がこれからも長く地域に寄り添い、安心で持続可能なエネルギーを生み出し続ける存在となることを心より願っております。
 
 ~事業概要~
本事業は、土地改良区の維持管理費軽減と二酸化炭素排出削減を図ることを目的として既存の幹線用水路を活用し、水路落差を利用した小水力発電施設を整備するものです。
 
【事業名】農業水利施設活用小水力発電施設整備事業
【地区名】上巾地区
【事業主体・申請主体】秋田県・由利本荘市土地改良区
【事業期間】平成30年度~令和7年度
【工事内容】管水路(FRPM管 L=784m)
      発電施設(横軸インラインプロペラ水車)
                   除塵機
【事業費】287,292千円
 
発電出力は48.5kwで、年間発電電力量は28.2万kwh(一般家庭約70軒分相当)を見込んでいます。
生み出された電力は電力会社へ売電され、由利本荘市土地改良区が管理する農業用施設の維持管理費に充てられるほか、災害時に避難所等で利用することができる非常用ポータブル蓄電池も設置されています。