大水揚場 現地調査
上郷地区 温水路群

画像:大水揚場現地調査トップ写真

象潟町上郷の温水路に流れてくる水は、鳥海山の雪どけ水。

その源は鳥海山頂上がすぐ見える所にあります。

年に一度、温水路の源流に行って水の神様をお参りする、源流遡行調査を行います。象潟に水がいっぱい流れてくるように、川にたまった石や木の枝を取り除く作業を行いつつ、水源の状況を確認します。併せて、参加者の水源及び水路保全意識の高揚を図ることも目的としています。

平成17年7月26日、水土里ネット象潟(象潟町土地改良区)、象潟町及び金浦町関係者等31名が参加して「鳥越川水系大水揚場現地調査」が実施されました。遡行距離約10km、片道2時間の現地調査に同行取材したようすを紹介します。

図:調査位置図

1)往路、遡行

画像:現地集合あいさつ
集合のあと山田理事長があいさつ
画像:施設管理委員の説明
長岡地区施設管理委員の斎藤さんが説明
画像:出発
早速、現地調査遡行開始
画像:ブナ林の中を進む調査隊
うっそうとしたブナ林を進む
画像:河原で休憩する
出発から約1時間後、河原で休憩
画像:吊り橋を進む
吊り橋を渡っての行軍
画像:倒木を迂回する
コースをふさぐ巨大な倒木
画像:倒木帯を進む
突然、視界が開けたら、一面の倒木帯
画像:竜巻で倒れたブナ林
平成14年夏の竜巻で貴重なブナ林が・・・
画像:渓流沿いに進む
渓流沿いに遡行を進める
画像:ブナ
途中には見事なブナの巨木が続く
画像:石に根を張る木
大きな石の上に根を張る木々も

2)参拝、普請作業(大水揚場)

画像:大水揚場に到着
標高約1,000m地点、源流頭首工に到着
画像:刈払いする
早速、付近を刈はらい、お参りの準備
画像:水の神様に拝礼する
全員で「水の神様」に感謝の拝礼
画像:水神様
頭首工の渕に建つ「水の神様」
画像:川の石を寄せる1
続いて川の石をよせて水の流れを整える
画像:川の石を寄せる2
一人では動かない大きな石
画像:川の石を寄せる3
3人がバールでようやく石を動かす
画像:川の石を寄せる4
黙々と作業、思いはみんな同じ・・・・

3)復路

画像:帰路を急ぐ調査隊
降り始めた雨に帰路を急ぐ、台風が近い
画像:倒木をくぐる調査隊
コースの倒木をくぐりながら進む・・・・
画像:倒木帯を下山する
倒れたブナに自然災害の恐ろしさを痛感
画像:休憩
途中、中島台下山ルート分岐点で、休憩
画像:水飲み場で給水する参加者
鳥海山の伏流水(湧き水)でのどを潤す

水の湧き出る所には、山を登る人のために備え置きのコップがあります。下山途中の乾いた喉には、これほどうまい水はありません。こうして、みんなが鳥海山の恩恵を受けることができます。次の人のために準備をするのも、この調査参加者の仕事です。

作業用ナタ、ノコギリ、ロープ、バール等を各自持ち寄り、往復途中、大水揚場にて各自必要な作業をします。ベテランは手慣れた作業をし、初心者はその作業を手伝いながら経験を得ていきます。毎年の作業を通じて、次の世代に伝統として受け継がれていくのでしょう。

「今年で何回目の調査ですか?」と参加者に尋ねると、「昔から行っていたもので、いつからの作業か判らない」との返答。この水源・水路を守る地域の人々の積み重ねを感じました。

平成17年度鳥越川水系大水揚場現地調査について

調査概要

  • 調査名
    鳥越川水系大水揚場現地調査
  • 期日
    平成17年7月26日(火)
  • 調査場所
    象潟町中島台上流(鳥越川上流部)
  • 出席者
    上郷地区温水路群関係集落役員ほか(下記のとおり)
参加団体 参加数
所属 団体名
 参加団体一覧
管理団体 象潟町小滝集落
〃石名坂集落
〃長岡集落
〃水岡自治会
〃大森集落
〃象潟地区
象潟町
金浦町
その他関係者 水土里ネット金浦ほか
水管理人  
事務局 水土里ネット象潟

長岡施設管理委員の斎藤さんの話

なぜ、この山に登り、水源の手入れ(普請)をするのか、水を管理する必要性をみんなに考えてもらいたい。
山を守り水を守ることは、水田も海の幸も守ることになる。次の世代に引き継ぐ自然環境を守るこの作業(現地調査)を、今後も堅く続けて行きたい。

出発地点のすぐ上流に発電所へ導水する取水施設があります。

画像:岩股川と鳥越川の合流点
岩股川合流地点
画像:水利使用標識
水利使用標識
画像:発電所への導水路1 画像:発電所への導水路2
発電用導水路

取材協力・資料提供:水土里ネット象潟(象潟町土地改良区)、象潟町

※記事作成年月:平成17年9月

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