平成29年3月10日(金)、秋田県庁第二庁舎8階大会議室において、「平成28年度ほ場整備未来フォーラム」を開催しました。本フォーラムは、県営ほ場整備事業の開始から半世紀が経過し、これまで本県水田面積の約3分の2に相当する87,000haの農地において基盤整備が進められている中、ほ場整備の歴史や事業効果を様々な視点から振り返り、今後のほ場整備事業の一層の推進につなげていけないかを考えるため開催したものです。当日は県内各地から約200名の方が来場されました。
 初めに、佐藤博農林水産部長による開会の挨拶のあと、佐藤暢芳農地整備課長が、本県の水田整備状況や県営ほ場整備事業の変遷、現在の「あきた型ほ場整備」の取組状況等について経過報告を行いました。

画像:会場風景
会場風景
画像:経過報告をする佐藤農地整備課長
佐藤農地整備課長による経過報告

 次に、財団法人斎藤宇一郎記念会会長の佐藤範義氏より、乾田馬耕の普及、耕地整理の推進に尽力し、農業振興と地方発展のため多方面で活躍した本県農業の偉人「斎藤宇一郎」の足跡について講演をしていただきました。佐藤会長は、斎藤宇一郎記念会の10代目会長であり、斎藤宇一郎の功績を後世に伝えるため様々な活動をしています。また、地域でも斎藤宇一郎の偉業を子どもたちへ伝えるため、小学校の教科書の副読本や斎藤宇一郎先生を讃える歌等を継承しています。その中には、仁賀保高校情報メディア科の生徒が作成した音声付きの紙芝居のDVDがあり、今回、佐藤会長の講演に続き上映しました。「斎藤宇一郎ものがたり」と題した紙芝居は、斎藤宇一郎の生涯をわかりやすく知ることができ、参加者から大変好評でした。

画像:特別講演をする佐藤会長
佐藤会長による特別講演
画像:仁賀保高校生が作成した紙芝居
仁賀保高校情報メディア科の生徒が作成した紙芝居の上映

 続いて、農事組合法人能代グリーンファーム常盤代表理事で、二ツ井白神土地改良区理事長の幸坂登氏より、法人の活動について事例報告をしていただきました。当法人は、県営ほ場整備事業を契機に平成20年に設立し、徹底した営農コストの縮減、園芸メガ団地での高収益作物(ネギ)の新規導入・生産の拡大が評価され、平成28年度に東北管内で2法人のみ該当となった東北農政局土地改良事業地区営農推進功労者表彰を受賞しています。営農コストの縮減を図るため、直播栽培の実施や試験ほ場を農業試験場に提供し新技術を率先して取り入れていること、ネギの作付けによる複合経営に取組み、出荷調整作業などで地域の雇用を創出していることなどを紹介していただきました。

画像:事例報告をする幸坂理事長
幸坂代表理事による事例報告
画像:ほ場整備地区内での営農方針
能代グリーンファーム常盤の営農方針

 フォーラム後半では、秋田魁新報社論説委員の阿部弘道氏をコーディネーターに、事例報告をしていただいた幸坂氏、鹿角市の農事組合法人鏡田ファーミング女性部の木村真幸氏、横手市の大森町グリーン・ツーリズム推進協議会会長の平元由美子氏、美郷町長の松田知己氏の4名をパネリストに、県農林水産部の瀧川拓哉次長をオブザーバーとして「未来に向けた秋田型ほ場整備の推進」をテーマに意見交換を行いました。
 各パネリストにより、ほ場整備事業が女性や高齢者にもたらした効果、今後のほ場整備事業への要望、期待することなどについて活発な意見が交わされました。終わりにコーディネーターの阿部氏が、ほ場整備は地域の雇用の創出や地域コミュニティーの活性化など「地域づくり」に果たす役割も期待できるのではないかと締めくくり、盛会のうちにフォーラムは終了しました。
 なお、会場入口のロビーでは、県内のほ場整備事業実施地区の営農構想や、国営かんがい排水事業、地下かんがいシステムなどのパネル展示が行われ、参加者の興味を引いていました。

画像:意見交換会の様子
意見交換会
画像:意見交換会
パネリスト
画像:意見交換会
コーディネーター・オブザーバー
画像:パネル展示
パネル展示

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