令和6年5月10日(金)に、由利本荘市西目で四角井戸ため池の落水式及び、山の神祭が開催されました。由利本荘市土地改良区が主催したもので、当該土地改良区、関係者が参加しました。

 はじめに、四角井戸ため池で落水式が行われました。落水式は、“水の潤沢と豊作”を祈願し落水したのが始まりで、大正13年から100年続く伝統行事です。西目用水紀功之碑の前に参列し、参加者全員で“水の潤沢と豊作”を祈願しました。
 落水式後、大山祇神社で山の神祭が行われました。大山祇神社の山の神祭は、明治時代から始まったとされる歴史のある祭事です。御神体が祭られている祠へ向かって祝詞をあげ、各団体の代表が玉串を捧げました。
 農業の営みには、豊かな水が欠かせません。古くから水利の便に恵まれなかった本地域で、四角井戸ため池が大切な水資源であることを実感し、先人が築いた農業施設や水の大切さを再認識する機会となりました。
 
 
~四角井戸ため池~
 四角井戸ため池は、農業用水の供給に苦慮していた西目地域で昭和12~16年に造成されました。貯水量約40万tの農業用ため池で、子吉川水系の冷渡川上流の水源より水を貯留しており、上巾水路(L=8.5km)を通り西目地区内の水田(約450ha)へ用水を供給しています。
 四角井戸ため池造成以来、用水不足解消や上水道の水源の役割を果たす、地域にとって重要なため池となっていましたが、昭和56~平成2年には県営かんがい排水事業 西目地区により西目発電所が建設され、上巾水路の落差を利用した小水力発電を行っています。さらに現在は小水力発電による売電収入を土地改良施設の維持管理費に充当することにより、農家の負担軽減や農産物の生産コスト引き下げによる農業経営の安定化にも寄与しています。