令和6年7月4日 (木) に、にかほ市の大潟ため池で「大潟龍神奥の院参詣」が行われました。由利本荘市土地改良区が主催したもので、当該土地改良区、関係者が参加しました。
 「大潟龍神奥の院参詣」は約100年の歴史がある伝統的な祭事です。祭事では、龍神様が祀られている石碑の前に参列し、潤沢な水回りによる豊作を祈願して、卵(※注)・御神酒を奉納しました。参加者は、一つ一つの卵に願いを込めて、投げ入れていました。
 今年も地域の方々の願いが龍神様に届き、豊作をもたらしてくれることを願います。
 
~大潟ため池と龍神様~
 大潟ため池は、西目地域内の水田(700ha)へ用水を供給しています。西目地域では、文政11年(1828年)に西目潟の干拓を行いましたが、農業用水の確保に苦慮していていました。そんな中、にかほ市に適地を見つけ、造成されたのが大潟ため池です。龍神様は、当初、近くの龍馬山(龍ヶ池)に住んでいたとされますが、西目潟干拓によりすみかを失い、この大潟溜池に移り住んだそうです。以来、当地域では、龍神様が祀られ、豊作祈願を込めて祭事が行われるようになりました。
 
※注
 龍神様は、御神餅(うるち米を炊いて丸く団子にしたもの)を笹舟で流すと喜んで食べたとされ、祭事では御神餅が奉納されていましたが、時代の変化とともに、御神餅から卵へと変化し、現在では、卵が道中で割れる危険性から、ゆで卵をお供えしています。