令和3年6月25日(金)、ほ場整備初年度の「野村地区」で安全祈願祭が執り行われました。

本地区は秋田県沿岸部に突き出た男鹿半島に位置し、準用河川野村川の左岸に展開する地区面積62.9haの水田地帯です。現在のほ場は、区画が狭小で農道は狭く、営農に多大な労力を費やしています。また、 近年の米価低迷、米の需要減少、農業者の高齢化など水田農業の新たな展開を切り開くためには、消費者ニーズに即した売れる米づくりの推進、他産地に打ち勝つことができる高収益作物等産地づくりの加速化、法人設立や担い手の育成・確保が課題となっています。

このため、地区の100%を農地所有適格法人に利用権設定し、農地の集団化を実現させ効率化を図るとともに、6次産業化への取り組みを地域一丸となって推進させ、周年稼働農業体制を確立し、収入の安定化を図ることとしております。また、周辺地域で作付けしている担い手から指導を受け、えだまめ・かぼちゃ・ねぎ等の高収益作物の導入を検討しているほか、近隣の観光施設と連携し直接販売を行うなど、地域の販売額増加を図ることとしております。


 【計画概要】

・地区名:野村地区

・事業名:農業競争力強化基盤整備事業(経営体育成型)

・農用地面積:45.4ha

・事業量:区画整理工(45.4ha)

     用水路工(12.5km)

     排水路工(10.3km)

     道路工(12.8km)

     暗渠排水工(45.4ha)

・総事業費:12億4千万円(事業採択時) 


安全祈願祭について

安全祈願祭は、工事中に事故や災害が起きないように、工事に携わる人の厄を払うために行われるものです。工事着手前の現場に紅白の幕とテントを張って行うのが通常なのですが、野村地区では既に工事が始まっていたため、一ノ目潟の畔にある一ノ目潟龍神社にて行いました。一ノ目潟は国の天然記念物に指定されており、生活排水が混入することなく清水のまま当地区で農業用水として利用されます。神社では「一ノ目潟龍神様」と呼ばれる水の神様を祀っており、今回は工事を安全に終えられるように、水に困らず豊作になるように、という二つの願いが込められた祈願祭となりました。 

 

神社周辺の様子
熊が出てきそうな険しい山奥でした
厄払いの様子
こちらの動作で厄が払われます
太鼓と舞
太鼓の音に合わせて舞が披露されました

 

神棚の様子
神妙な空気でした。
お供え物
蛇の抜け殻、生魚(鯛)、お酒、生卵等
一ノ目潟
八望台から見た一ノ目潟

 

 

 

※お供え物の生卵は水に困らないように、という願いを込めて祭後に一ノ目潟に投げられるそうです。蛇の抜け殻は神社にあったもので、縁起物として祀られています。

 

工事現場には様々な危険が潜んでいます。今回の安全祈願祭で厄を落としたからと言って油断はできません。事故を未然に防ぐためにも、常日頃から安全に対する意識を強くもって行こうと思った一日でした。