令和元年11月29日(金)、鹿角市文化の杜交流館コモッセにて「2019語り部交流会inかづの」が開催されました。

 この「語り部交流会」は、農業・農村に関わる歴史や文化などを様々な視点からとらえ、語り伝えることで、先人の思いや昔から受け継がれてきた農村に宿る精神(こころ)を再確認し、これを地域活力の向上や地域振興につなげようとするもので、平成23年度の美郷町を皮切りに全県各地で開催され、9回目となる今年度は、初の鹿角地域での開催となりました。

 基調講演では、あきた森づくり活動サポートセンター総括所長で、ふるさと水と土指導員の菅原徳蔵氏から「縄文のふるさとinかづの」をテーマに、「錦木塚伝説」、「左多六と忠犬シロ」、「八郎太郎」等の鹿角にまつわる伝説の紹介から、大湯ストーンサークルと黒又山(クロマンタ)がある鹿角は縄文の遺伝子が残っているといった鹿角のルーツを知る貴重なお話がありました。

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次に、活動報告として鹿角市立花輪小学校の元校長で、現在は鹿角市立花輪第一中学校初任者研修統括指導教員の阿部義弘氏より「郷土愛を育み、ふるさとの未来を拓く学校教育」と題して、鹿角市・小坂町の小・中学校における様々な教育活動が紹介され、花輪ばやしへの参加や茜染・紫根染体験などから郷土の歴史や文化を学ぶ「ふるさと教育」の取り組みなどが報告されました。

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2つめの活動報告では、かづの土地改良区の根本由紀子氏より「水土里の大切さを次代へ伝え続ける土地改良区~小学校での出前授業から~」と題し、これまで市内の小学校で取り組んできた土地改良施設見学、出前授業、田植え体験や田んぼアートを通じて、農業・農村、農業用施設の重要性を伝えてきた活動の報告がありました。

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3つ目の活動報告では、NPO法人 かづのclassy  代表理事 木村 芳兼氏より「田舎暮らしの魅力発信~地域資源の創造から地域内外のつながり構築へ~」と題し、神奈川県から鹿角市へ移住した経緯から、NPO法人を立ち上げ、鹿角がもつ地域資源を地域内外へ伝える取り組みについて紹介がありました。

木村さんは、出会いや様々な地域資源を地域に還元することが重要で、そのための取り組みとして「鹿角家」というマッチングコーディネートを行っているといったことを報告されました。

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 最後の活動報告では、鹿角民話の会どっとはらぇ  語り部 佐藤 友信氏より「伝説の里「かづの」の民話を語り継ぐ~皮投岳物語(かわなげだけものがたり)~」と題し、「鹿角の里のはじまりの話」を披露。出席者全員が民話の世界に引き込まれていきました。

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最後に、「水土里豊かな「ふるさと」を次代へつなぐ」をテーマとして語りフォーラムを行いました。

 コーディネーターは、一般社団法人 あきた地球環境会議 理事・事務局長の福岡 真理子氏、パネラーは活動報告を行った根本氏、木村氏、佐藤氏。また、活動報告を行った阿部氏をオブザーバーとしてパネルディスカッションが行われ、ふるさとへの思い、次代へつなぐ役割を今後も担っていくことなどを力強く語っていただきました。

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会場内には、秋田の里地里山の紹介や各活動団体のPR資料等が掲示され、ふるさと、地域の未来を考える場として一体的な雰囲気に包まれました。

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県内外から200名近くのご参加をいただき、熱気あふれる語り部交流会となりました。

本交流会がご参加の皆様の地域活動、ふるさとづくりの一助になれば幸いです。

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