《特集》GXリーグ参加企業が秋田のポテンシャルを体感!GX研修ツアー in 能代山本
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※このタイトルイメージは、生成AI(Gemini)で作成しました。
《特集》GXリーグ参加企業によるGX研修ツアーin能代山本
今回実施された研修ツアーは、能代山本地域の市・町及び山本地域振興局が連携して企画し、GXリーグ(我が国のGXに向けて意欲的に取り組む企業群が参画する枠組み)の参加企業に呼びかけ、応募があった豊田通商株式会社(公式サイト(https://www.toyota-tsusho.com/ )を別ウインドウで開きます)の社員34名が参加したものです。
今回は、同社カーボンニュートラル推進部の部長である平田雅史さんに、研修地の選定の決め手の一つとなった秋田の強みをはじめ、経営戦略におけるGXの位置づけや取り組む意義などについてお話を伺いました。
<以下、各質問をクリックすると該当する記事にスクロール移動します>
- 秋田(能代・山本地域)を今回の研修先に選んだ理由についてお教えください。
- 豊田通商の取り組み、経営戦略の中でのGXの位置づけについて教えてください。
- 今回の研修への期待や気づき、今後の活用についてどのように考えられているか教えてください。
- 若い世代はサステナビリティに取り組む企業に好感を持つ傾向があるとの意見がありますが、この点について実感などありましたらお教えください。
- 取引における相手先のサステナビリティ対応(特に脱炭素)は重要度について教えてください。
- 秋田の自然資本や脱炭素領域での強みを生かした研修ツアーの発展性についてご意見があればお願いします。
- 最後に、秋田の中小企業に向けてカーボンニュートラルや脱炭素をテーマとしたメッセージをお願いします。
Q.秋田(能代・山本地域)を今回の研修先に選んだ理由について教えてください

秋田に来たのは初めてだったのですが、実際に訪れてみると白神山地をはじめとする豊かな自然が本当にすぐ間近に感じられ、その素晴らしさに感動しています。
(写真:能代市のはまなす展望台から洋上風力発電所を望む参加者)

私たち豊田通商は「未来の子どもたちに、よりよい地球を届ける」というミッションを掲げていますが、普段、東京や名古屋のオフィスで仕事をしていると、「未来の子どもたちに残したい自然や地球環境とは果たしてどんなものなのだろう?」「実はミッションの先にある姿をよく捉え切れていないのでは?」と時折思うことがあります。
そこで、美しく豊かな自然がそのまま残っている場所で「残したい自然」を目の当たりにしたいとの想いから、秋田を研修先に選びました。
また、先ほど見学した能代火力発電所でもお聞きしましたが、秋田では自然エネルギーを上手に使っているなと感じています。
風に恵まれた場所だということは知っていましたが、単にそれだけではなく、自然を活用するために工夫しようとする方と自然を守りたい方がいて、エネルギーが必要なものだと理解した上で、どういう工夫をすると自然とエネルギーを両立させていけるかを地域として皆さんで考えていらっしゃるんだなと。
カーボンニュートラルとネイチャーポジティブが、地域の皆さんの理解と協力の上で絶妙な形で共存していることも今回の研修で秋田県を選んだポイントであり、日常業務でカーボンニュートラルやネイチャーポジティブに携わる身として、今回の訪問を本当に楽しみにしていました。
(写真:能代火力発電所内を視察する参加者)
Q.豊田通商の取り組み、経営戦略の中でのGXの位置づけについて教えてください。
先ほども触れましたが、豊田通商は「未来の子どもたちに、よりよい地球を届ける」をミッションに掲げています。
ただ、今はカーボンニュートラルという言葉がすっかりメージャーとなったため、私たちもその分野での取り組みとして紹介させていただくようになりましたが、実は風力発電には45年前から取り組んでおり、その他にも例えば車のリサイクルでは最終的な廃棄物を限りなくゼロにすることに1970年代から取り組むなど、カーボンニュートラルという言葉や概念を誰も知らないような時代から、私たちはそれを事業として長年携わってきました。
そのため、改めてカーボンニュートラルやグリーン・トランスフォーメーションに取り組むといったような感覚は一切なく、元からビジネスとしてしっかりと私たちの成長戦略の中心にあったもの、と言ったほうが正しい気がします。
もちろんビジネスである以上、子どもたちに自然豊かな地球環境を残しつつ、しっかりと利益も追及する。儲けられなければ持続的な取組にはなり得ませんので。
(写真:風の松原自然エネルギー株式会社の取組等について大森建設株式会社の石井部長から説明を受ける参加者)
Q.今回の研修への期待や気づき、今後の活用についてどのように考えられているか教えてください。
今回参加したメンバーのほとんどはコーポレート部門や各営業本部の企画部門におり、そのためこういった場所に来る機会も少なくてあまり現場を知らないんです。
すると、いざ自分たちでカーボンニュートラルやネイチャーポジティブを進めるとなった時、実際には何を目指しているのか、何を目指せばいいのかが分からないままでやっていくことになり、結果として机上の空論のような数字だけの話に落ち着いてしまいます。
ですので、実際に現地で現物を見て「そうか、これを残していくためなのか」「これをより大きな取組にしていくことなのか」といったことを肌身で感じてもらうことで、仕事はもちろんのことプライベートにおいても行動のモチベーションにつながることに期待しています。
(写真:あきた白神体験センターで説明を受ける参加者)
Q.若い世代はサステナビリティに取り組む企業に好感を持つ傾向があるとの意見がありますが、この点について実感などありましたらお教えください。

近年、大学生の環境に対する関心は高いです。
学生さん達との交流イベントで定期的にカーボンニュートラルに関するグループワークや講演を行う機会が増えており、そのような場に審査員や講演者として登壇する際には決まって「カーボンニュートラルとは何かを簡単に自分の言葉で説明できる人?」という質問を投げかけますが、ほぼ全員が手を挙げているような状況です。
就活生向けのイベントの例を挙げますと、イベント案内では一切カーボンニュートラルを謳っていないにも関わらず、質疑の場面ではそれに触れる学生さんも多く、学生さんがカーボンニュートラルについてよく調べられていると感じることが増えてきています。
これまでは商社という当社の業態上、やはり「海外出張の頻度」「海外駐在にはいつ行けるか」などの質問が多かったのですが、最近は「カーボンニュートラルやネイチャーポジティブに対して企業としてどう向き合っているか」といった「環境に対する企業姿勢」についての質問が非常に多いと感じています。
加えて、質問内容もどんどん高度になっており、例えば日本のエネルギー安全保障と脱炭素政策のバランスといったものや、資源循環事業の技術的内容など、質問を受けたこちらが驚いてしまうレベルのものが見られるようになってきました。

そして、こちらも以前ではなかなか考えられない話ですが、最近では「環境系NPOか総合商社で迷っているが、総合商社の方がより大きく世の中に貢献できるから商社を選びたい」といった話もよく聞こえてくるようになりました。
また、環境省の「脱炭素アドバイザー資格の認定制度」の認定資格である「炭素会計アドバイザー(平田氏が理事として参画している一般社団法人炭素会計アドバイザー協会が運営)」についても、最近は学生さんの受講、受験が非常に増えています。
学生さんの関心が高まっていることもあり、昨年あたりから幾つかの大学には同協会のアカデミー会員として協会活動に参画をいただくこととなりました。
このような状況を踏まえると、「若い世代は脱炭素などサステナビリティに取り組む企業に好感を持つ傾向にある」というよりは、「そもそも環境への関心が高いため、そこに熱心でない企業には興味を抱きづらい」と捉えたほうがしっくりくるかもしれません。
Q.取引における相手先のサステナビリティ対応(特に脱炭素)の重要度について教えてください。

私たちはトヨタグループの総合商社ですが、自動車業界は環境配慮に関して先進的な取組を進めています。例えば部品や材料の見積もりをする際、値段だけではなく部材1個当たりどれくらいのCO2を出しているのかを書かないといけない、といったことが普通になってきています。
少し前までは価格重視の見積もり評価だったものが、最近では日本やヨーロッパを中心にCO2を削減できる商品の提案であれば、もちろん費用対効果次第ではあるものの、多少高価であっても十分評価対象になり得る、そんな潮流になってきています。
これまでカーボンニュートラルに取り組んでいて一番難しかったのは、例えばエシカル商品などと持て囃されはするものの、いざ商売となると最終消費者の皆様は「環境に良いもの」に対してそこまで高いお金は払わず、最終的に「言っていることは分かるが…」というところに落ち着いてしまうことでした。それがようやく自動車業界では「環境に良いという価値」が認められるという流れになってきています。もちろん最終的には車の価格に多少なりとも反映されると思いますが、何より「環境に対する価値」がビジネスの世界で受け入れられるようになってきたことに時代の大きな変化を感じています。
と言いつつ、自動車に限らない世界中の様々な産業、業界がカーボンニュートラルに取り組んでいく中、私たちは単なる商社ですから、実は一社だけで出来るようなことはほとんど何もありません。ですので、最近は今回のGXツアーのような活動のみならず、様々な場面において「ぜひ私たちと一緒にやっていきましょう」といった「仲間づくり」を意識したメッセージを発信しています。
例えば、豊田通商として「今後10年間でカーボンニュートラルに関する取組に2兆円投資する」と敢えて公表したのも、それを聞いた皆さんに「豊通は本気だ」「それくらい本気なら一緒にやろう」と感じてもらいたいという思いからであり、これからも私たちの思いを明確に発信していきたいと考えています。
Q.秋田の自然資本や脱炭素領域での強みを生かした研修ツアーの発展性についてご意見があればお願いします。

何か目的があるツアーはやはり面白く充実度が高いと思います。それもガチガチの学習ツアーというより、自然そのものや自然エネルギーを体験しようといったような柔らかい感じで。特に最近はエシカルな行動に興味がある若い人たちが増え、買い物よりも特別な体験を重視する「コト消費」に消費行動がシフトしているので結構チャンスがありそうな気がします。
あと、今回のツアーで大変ありがたかったのが、行先や行動時間などが最初からパッケージ化されたプランということでは全くなく、私たちの研修目的と要望を基にご提案をいただき、さらに複数回にわたる打合せを重ね、かなりカスタマイズをしていただけたことでした。
したがって、ちょっと自由度が高いセミオーダーのような感じで、大枠のパターンは決めつつも、いくつかのメニューを自由に組み合わせることができるような形であれば、私たちと同じように研修ツアーを希望する企業、業界、あるいは研修の目的や心持ちなどに合致した満足度の高いプランの提供につながるかもしれません。
Q.最後に、秋田の中小企業に向けてカーボンニュートラルや脱炭素をテーマとしたメッセージをお願いします。

白神山地をはじめ、これだけ素晴らしい自然をお持ちなので、これを残しながら、活かしながら、産業に変えていくといったことを考え、それに向けた取り組みもすでに始められていることと思います。
ぜひ、これからも「秋田県では素晴らしいことをやっているんだ」ということを他の都道府県の皆さんにもどんどん発信し、自然のポテンシャルを活かした先行モデル・先駆者として、今後もカーボンニュートラルやネイチャーポジティブにより一層取り組んでいただきたいです。
(写真:参加者が交流した秋田犬 ちゃたろう君 八峰町やっほ~factory)
