HIV・エイズに関する検査及び相談について
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HIV・エイズとは
エイズ(AIDS)※1とは、「HIV」※2というウイルスに感染して免疫力が低下し、決められた様々な疾患を発症した状態を言います。
エイズは、HIVに感染することによっておこる病気ですが、HIV感染=エイズということではありません。HIVは免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染します。そして、からだを病気から守っている免疫力を低下させていきます。
HIVに感染すると、数週間後にインフルエンザに似た症状が現れる場合があります。その後、自覚症状のない時期が通常は数年から十数年続きますが、その間にも病気と闘う免疫力の低下が進行します。免疫力の低下が進み、免疫が正常に働かなくなると日和見感染症※3などを発症するようになります。このようにして、免疫力が落ちることで発症する疾患のうち、「指標疾患」※4を発症した場合、エイズと診断されます。
※1 AIDS(Acquired Immunodeficiency Syndrome):後天性免疫不全症候群 ※2 HIV(Human Immunodeficiency Virus):ヒト免疫不全ウイルス ※3 日和見(ひよりみ)感染症:本来なら自分の免疫力で抑えられるような肺炎などの病気 ※4 指標疾患:ニューモシスティス肺炎、カポジ肉腫など
HIV感染を早期に発見し、治療を受けることが大切です
令和6(2024)年に日本国内で報告された新規HIV感染者数は662件、エイズ患者数は332件であり、両者合わせた報告件数は994件でした。(出典:厚生労働省エイズ動向委員会)

HIV感染の有無はHIVの検査を受けることでしかわかりません。
今のところ、体の中にあるHIVを完全に取り除くことはできませんが、早期に感染を知り、早期に治療を始めることにより、HIVに感染していない人と同じように長く、健康的な社会生活を送ることができるようになりました。
県内の各保健所(秋田市保健所を含む)では、HIV・エイズに関する検査、および電話や面接による相談を(無料・匿名)で行っています。
秋田県では、県内各保健所にてHIV検査や健康相談などを行っています。ご自身やパートナーのためにも一度は検査を受けてみませんか?
※検査の予約については、各保健所へお問い合わせください。
エイズ検査と相談について
- 保健所でのエイズ検査・相談は匿名で受けられ、検査結果等のプライバシーは守られます。
- エイズ検査のほか、梅毒や性器クラミジア感染症、B型肝炎、C型肝炎の検査も受けることができます。
- 検査は事前に予約が必要です。検査日程については、変更となっている場合がありますのであらかじめ検査を希望する保健所へお問い合わせください。
- 保健所での相談以外に秋田県では専門家による無料のカウンセリング制度があります。【参考】「秋田県にはエイズカウセリング制度があります! | 美の国あきたネット」
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保健所検査の日程
【ダウンロード】保健所エイズ等相談・検査カレンダー(令和7年4月1日~令和8年3月31日)[87KB] [87KB]
病院での検査(検査料として1,500円程度かかります)
| 病院名 | 電話番号 | 備考 |
|---|---|---|
| 秋田大学医学部附属病院 | 018-884-6229 | エイズ治療中核拠点病院 |
| 秋田赤十字病院 | 018-829-5000 | エイズ治療拠点病院 |
| 平鹿総合病院 | 0182-32-5121 | エイズ治療拠点病院 |
- 検査は予約制です。
- あらかじめ電話し、調整した予約日時に来院してください。
HIV・エイズに関するQ&A
HIVの感染経路は?
感染経路は、主に「性的接触による感染」「血液を介しての感染」「母子感染」の三つに限られているため、最新の正しい知識を持って予防対策をとることで、HIV感染のリスクを減らすことができます。HIVは感染力が弱く、日常生活では(握手・入浴・缶などの回し飲みなど)ではうつりません。
性的接触による感染
HIVに感染すると、HIVは血液や精液・膣分泌液などに多く分泌され、性的接触により相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通じて感染します。これが、最も多い感染経路です。そのため、性行為におけるコンドームの正しい使用は、HIV感染症・エイズ予防の有効な手段といえます。
なお、HIV治療を受け、血液中のウイルス量が検査で検出できない程度に最低6か月以上継続的に抑えられているHIV陽性者からは、性行為によってHIVが感染することはありません。 この状態を「U=U(Undetectable:検出限界値未満 = Untransmittable:HIV感染しない)」といいます。
血液を介しての感染
HIVが混入した血液により感染するケースです。注射器・注射針の使い回しや違法薬物の回し打ち、医療現場における針刺し事故などがリスクとして知られており、感染者の血液がほかの人の血液中に侵入すれば感染する可能性があります。
母子感染
母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時に子どもに感染するケースや、母乳によって感染するケースがありますが、抗HIV薬を服用したり、母乳を与えないなどの対策で子どもへの感染を抑えることができます。こうした母子感染の予防策が確立しており、日本ではHIV陽性の母親からの赤ちゃんへの感染は非常に少なくなっています。
エイズの治療方法は?
今のところ、体の中にあるHIVを完全に取り除くことはできません。ただし、現在は、複数の抗HIV薬を服用する抗HIV療法により、体内のHIVの増殖を抑え、免疫力の低下を防ぐことができます。早期に感染を知り、治療を始めることにより、HIVに感染していない人と同じように長く、健康的な社会生活を送ることができるようになりました。最近では、複数の抗HIV薬を合剤にした1日1錠の服薬ですむ薬も登場しています。なお、エイズ発症後での治療は、発症前と比べて難しくなるため、より高い治療効果を得るためには、HIV感染を早期に発見し、早期治療につなげることが大変重要です。
どうすればHIV感染が分かる?
HIV感染の有無はHIVの検査(抗体検査や抗原抗体同時検査など)を受けることでしかわかりません。感染の可能性がある場合はきちんと検査を受け、もし感染していたら必ず医療機関を受診することが大切です。 検査は、保健所や医療機関で受けることができます。
検査結果が「陰性」ならHIV感染していないと言える?
HIVに感染してから血液中に抗体ができるまで6週間から8週間かかります。もし結果が「陰性」の場合でも、感染したと思われる時期から3か月以上経過していない場合には、再検査を受けることをお勧めします。