重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注意しましょう
コンテンツ番号:90518
更新日:
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルスを保有したマダニが媒介する感染症です。
マダニは、春から秋(3月~11月)に活動が活発になり、農作業や草むら・やぶなどの野外活動が感染の機会となった例が多くみられています。
また、SFTSを発症している動物(犬や猫等)に咬まれたり、血液などの体液に直接触れることで感染することがあります。
【症状】
SFTSウイルスを持ったマダニに刺された後、6~14日後に発症します。主な症状は発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)、倦怠感、頭痛で、時に筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴います。、SFTSに感染した場合は重症化しやすく、命に関わることもあります。致死率は1割~3割といわれています。
【予防法】
SFTSのワクチンは作られていないため、マダニを身体に寄せ付けないこが重要です。マダニが身体に取り付いても、病原体に感染するまでには時間がかかるため、この間を利用した次のような対策を取ることが有効です。
① 農作業・草むら・やぶから帰った後は早めに着替える。
② 衣類は室内に持ち込まず、すぐに洗濯をする。
③ 帰宅後は、速やかに入浴し体を入念に洗う。
また、マダニの忌避効果が認められている虫除けスプレー剤もあります。効果は塗布部に限定され、持続時間も限られるため、上記①~③の対策の補助として活用しましょう。
SFTSは、重症化しやすいため、発症したらできるだけ早く医療機関を受診する必要があります。この時期、高熱・発疹などの症状があった場合は、早急に内科、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。その際、発病前の活動(農作業、草むら・やぶへの出入りなど)を伝えることが早期診断に大切です。