年度末、異動に伴う引っ越しが多くなる季節に目立つのが、アパートなど賃貸住宅の退去に伴うトラブルの相談です。
 多くは「補修費用に充てると言われて敷金が返金されない」「高額な原状回復費用や清掃代を請求され納得できない」など、借主の費用負担を巡るものです。2年間居住したアパートを退去する際に、貸主から壁のクロスや天井の貼り替え費用、ハウスクリーニング費用など十数万円もの金額を請求された。-といった例があります。
 こうしたトラブルの未然防止のため、国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しています。それによると、入居した時と同じ状態に戻す義務は借主にはありません。借主の費用負担は引っ越し作業で生じた傷や落書きなど、故意・過失や不注意によるものに限られまさ。日照による畳やクロスの変色、家具の設置跡など、経年劣化や通常使用で生じた破損の補修は貸主の負担とされています。
 ただし、退去時の畳替えやハウスクリーニングなどの費用負担を契約書の特約事項などに定めている場合があります。賃貸住宅に入居する際は、内容を確認した上で契約しましょう。
 また、入居の際h家主や仲介業者など貸主側の立ち会いで汚れや破損の状況を確認し、写真やメモなどの記録を残しておきます。退去時に破損補修の費用を請求された場合は内訳を出してもらい、立ち会い時の記録と合っているか確認します。納得できない点は貸主側に説明を求めましょう。
 迷った時や困った時は、県生活センター(☎018-835-0999)、北部消費生活相談室(☎0186-45-1040)、南部消費生活相談室(☎0182-45-6104)までご相談ください。