私の一冊

ふしぎ駄菓子屋銭天堂の表紙画像 書名:ふしぎ駄菓子屋 銭天堂
 著者名:廣嶋 玲子(作)、jyajya(絵)
 出版社名:偕成社
 
 
 
 
 
 
 
 

 


いじめっ子にやりかえしたい、目立ちたい
そんな願いをかなえてくれるふしぎなお菓子をくれる銭天堂のお話。でも、やりかえしたらそのあとは?目立つために友だちをけおとす?人の心は良いもの?悪いもの?心にしたがうとどうなる?読んでたしかめてみてください。
児童書ですが、テーマはエゴイズム。銭天堂のお菓子は人の心が抱く葛藤を解決する力かと思えば、実は解決ではなく葛藤の行き先に向かってそれを加速させる力です。踏みとどまれる者と葛藤を破裂させてしまう者、その分岐点はどこか。社会に出ている大人こそが読む本です。

読書時間の確保で工夫されていることは

お風呂を最大限に活用します!

読書の効用として感じていることは

自分が歩けなかった人生、できなかった経験を教えてくれるものです。いわば、自分の分身を作ってくれるものでしょうか。

秋田県ブックリーダーとしてのメッセージ

小さいときは「文字を追うよりもマンガや動画がいい」と思っていました。が、高校生のときに『こころ』に出会い、どうしてこんなに人間が人間の「奥」を書き出せるのだろうかと、言葉を失いました。文字は、心と頭をえぐります。えぐられた心と頭は、その傷を回復するために一層強くなります。子どものころの「本を読みなさい」は、「社会の理不尽や人間の欲求に負けない心と頭を作りなさい」という教えだと、今になって思います。是非、文字に打ちのめされてください。そして、一緒に強靭な秋田県民になりましょう。