秋田県内で読書に関連した取組をしている方々「まちなかBOOKリーダー」に、特長ある取組の概要と「私の一冊」 を伺いました。
 
 
 《お名前をクリックしてご覧ください》
 
 
 
 
 

 

 

ヨルモカ薬局+喫茶コの外観 #15 ヨルモカ薬局+喫茶コ(秋田市)

  <ヨルモカ薬局+喫茶コ

  
 
 
 
 
ヨルモカ薬局+喫茶コについて

 
  「夜も可」のヨルモカ薬局と、「お茶しに来て」の喫茶コ
 ヨルモカ薬局は夜8時まで開局。夜も利用できる薬局です。
薬局本棚には、病気を患う方やその家族に向けた本や絵本を置いています。※1
 喫茶コでは、お粥やお茶を提供。また、ノンアルコールカクテル類、アルコール類もあり、不定期に本とお酒・お料理のイベントを開催しています。※2
 「本の処方箋コーナー」では、本を読む人へ向けたメッセージなどが書かれた「本の処方箋」を挟んだ本を展示しています。※3
 
※1 本の貸出は、薬局継続利用者、喫茶コ会員に限っています
※2 読書会では、物語にちなんだノンアルコールカクテル・著者や物語の舞台に所縁あるお酒やお茶等を提供
※3 本の処方箋の一部はヨルモカ薬局HP上で公開  
 
私の一冊
『まっくろネリノ』 ヘルガ・ガルラー
 
 ネリノは、くろいためにきれいな色の兄たちから仲間はずれにされ、ひとりぼっちでした。
 ある日のこと、くろいためにネリノは兄たちをたすけることができました。
 もうひとりぼっちではありません。
 
 この絵本は、ある男の子が薬局の本棚に推薦したものです。そして、彼のお母さんが彼に贈ったメッセージが「本の処方箋」のきっかけになりました。
 メッセージは読み方を変えました。
 本の処方箋と絵本とを、ご高齢の方々もじっと読んでいます。
まっくろネリノの表紙画像 [175KB]
 
  『まっくろネリノ』
 
ヘルガ・ガルラー 作 
やがわすみこ 訳 
偕成社 
 

   

 

村岡悠司さん[97KB] #14 村岡悠司さん

  <yado&kissa UGO HUB(羽後町)>

  
 
 
 
 
 
 
yado&kissa UGO HUBについて

 
  yado&kissa UGO HUBは、レンタルスペース、宿泊スペース、カフェスペースを有した多機能空間です。
「あらゆる人の"やりたい!"、"挑戦したい!"を叶える」をコンセプトに、やりたいことがある人が、それを自由に挑戦・表現できる機会を提供しています。
 また、資金調達に特化した成功報酬型の「起業支援サービス」も行っていて、起業という形での自己実現も後押ししています。
 誰でも気軽に本を手に取れるよう、カフェスペースには本棚や「シェア本」箱を設置しており、また、読書会を催すなど、本を介したコミュニケーションの場にもなっています。 
 
私の一冊 ~自己の内面に目を向けるきっかけをくれた本
『完全版 鏡の法則』 野口嘉則
 
 この本に出逢って、間違いなく人生が豊かになりました。「日々、自分自身の目の前に現れる出来事は、すべて自分の内面を映し出したものである」という考え方、それが『鏡の法則』。
 "外"ではなく、"内"が先だという考え方を強く意識することで、日々の生活の中で「心の安定」と「感謝」というものを積極的に心がけるようになりました。
 今の生活や人生に悩んでいる方に、ぜひオススメしたい一冊です。
完全版鏡の法則の表紙画像 [175KB]
 
 
 
 
 
 
『完全版 鏡の法則』
 
野口 嘉則 著 
サンマーク出版 
 

   

 

伊藤伸子さん[97KB] #13 伊藤伸子さん

  <英日翻訳者(秋田市)>

  『本から広がる新しい世界』
 
 
 
 
翻訳者について:翻訳書ならぬ翻訳「者」のススメ

 
  翻訳者は黒子だとよくいわれます。なんだ、じゃあ誰が訳しても同じでしょ、と思われる向きもあるかもしれませんが、さにあらず。英和辞書はもちろん種々の辞書、事典、参考資料などと首っ引きになり、これぞと思う言葉をたぐり寄せる作業はときに一時間で一文しか進まないことも。そのプロセスはまさに十人十色で、十人いたら十とおりの訳文が仕上がるはずです。そんな翻訳者の妙を楽しめるのが、最近出版が相次いでいる海外文学作品の新訳と、旧訳との読み比べです。どちらが正解かという話ではありません。新たな発見があったり、解釈が深まったり、ときには別の作品のような印象を覚えたりと、予期せぬ体験をできるのではないでしょうか。黒子の存在が垣間見える、こんな翻訳書(者)の読み方も一興かと思います。
 
 
私の一冊 ~今こそだいじな一冊
『非色』 有吉佐和子
 
 戦後、進駐軍の黒人兵と結婚した主人公、笑子。子どもを授かるも、この日本では幸福になれないとニューヨークに向かいます。彼の地では、思い描いていた生活とは裏腹に地下室で暮らすことになります。日本での家族や同僚、夫、アメリカの勤務先である日本食レストランで出会う人々、ハアレムでの近所づきあい、子ども、メイドを務めた白人家族など、さまざまな人と交わるなか、そのときどきの笑子の思いが、切れ味のいい文体で語られていきます。
 軸になる大きなテーマは差別です。一見、人種差別の話かと思いますが、読み進めるうちにもっと普遍的な、誰のなかにも巣くっている差別意識の物語なのだと気づきます。自分の奥底にある、うすうす感づいてはいるけれどベールで覆ってきた差別の感情を、見たくない自分をえぐり出されるという、少々苦しい思いをしながらもページを繰らずにはいられませんでした。
 「金持は貧乏人を軽んじ……逼塞して暮す人は昔の系図を展げて世間の成り上がりを罵倒する……人間は誰でも自分よりもなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか……」。1967年に書かれた小説ですが、今こそ読まれてほしいだいじな一冊だと思います。
わたしのワンピースの表紙画像 [175KB]
 
 
 
 
 
 
『非色』
 
有吉 佐和子 著 
河出書房新社 
 

   

 

小熊美奈子さん[97KB] #12 小熊美奈子さん

  <ものかたり(五城目町)>

  『本はたのしい』
 
 
 
 
「ものかたり」について
 
 ものかたりは、五城目町にある民家を改修したアート・ギャラリーです。「展示された“もの”が“かたる”」声に耳を傾け、美術分野に限らず、生活にさりげなく組み込まれた芸術も幅広く取り上げて紹介しています。
 絵本は赤ちゃんから大人まで、様々な世代の人とものかたりを繋げてくれる、とても大切な存在です。
 イベントがない時は棚いっぱいに絵本を並べており、自由に読んで、そのまま購入することもできる場所として開放しています。
(※館内メンテナンス中のため、2023年3月下旬まで臨時休業)
 
 
私の一冊 ~幼い頃の“絵を読む”感覚を思い出させてくれた本
『わたしのワンピース』 にしまきかやこ
 
 大人になってこの本と再会した時に、「こんな話だった?」と違和感がありました。
 そういえば、うさぎの話し方も内容も自分で勝手に作って読んでいたような……。楽しい本と出会った一番古い記憶として残っているのがこの本で、“絵を読む”ということが自然にできていたことを思い出させてくれた一冊です。
 その感覚はこれからも大切にしていきたいし、この思い出があるから今も本が好きなのでは、と思っています。
わたしのワンピースの表紙画像 [175KB]
 
 
『わたしのワンピース』
 
にしまきかやこ 作 
こぐま社 
 

   

 

月居八重子さん[97KB] #11 月居八重子さん(大館市)

  南が丘こども園園長
  <こどもと絵本の家>

  『絵本で優しい時間を…』
 
 
 
 
「こどもと絵本の家」について
 
 大館市で86年間続いた月居服装専門学校の跡地に、絵本でゆっくりと優しい時間を過ごせるようにと願いを込め「こどもと絵本の家」が完成されました。建物の中には服装専門学校時代の靴箱や机が再利用され、学校の歴史も残しながら新旧調和された空間となっています。壁には150冊の季節の絵本などが一面に並び、たくさんの絵本の中から好きな1冊を選ぶことができます。子どもだけではなく大人の方や地域の方にも自由に立ち寄って読んでもらい、「こどもと絵本の家」から人と人との優しい心の繋がりの輪が、少しずつ広がっていって欲しいと願っています。
 
 
私の一冊 ~優しく響くメッセージが心を温めてくれる本
『としょかんライオン』 ミシェル・ヌードセン
 
 絵本を中心に優しい時間を過ごしてもらいたい…と願いを込めて建てた「こどもと絵本の家」のオープンに合わせて、息子からプレゼントされた思い出に残る1冊です。この本の中ではお互いが心地良いと思える空間で時間を共にしながら、互いを思いやる気持ちがあって本を愛する者は、それがたとえライオンであっても図書館に来て良いという内容でした。展開が早くワクワクする内容に、子どもだけではなく大人にも優しく響くメッセージが詰まっていて、読み終えた後には心がほっこりと温まる1冊です。
としょかんライオンの表紙画像 [175KB]
 
 
『としょかんライオン』
 
ミシェル・ヌードセン 作 
ケビン・ホークス 絵 
福本友美子 訳 
岩崎書店 
 

   

 

 木村加奈子さん[97KB] #10 木村加奈子さん(北秋田市)

  絵本セラピスト協会認定基礎絵本セラピスト®

  『読書で「わたし」がつくられる』
 
 
 
 
絵本セラピー® について
 
 大人にこそ絵本を手に取って欲しい。「絵本は子どもの読む本」多くの人が勘違いしている点です。絵本は文章量が少なく、絵が多い。だからこそ、内容が分かりやすく印象にも残りやすい。絵本セラピーをする中で、参加者の皆さんが、絵本の読み聞かせを通して、感じたり考えたことに、自然と意味づけをしたり、行動変容のきっかけにする姿を見るたびに、「もっと多くの人たちに絵本を手に取って欲しい」と強く感じます。
 その日、その時によって、絵本からのメッセージは変わります。絵本自体に力があるのではなく、読むこともしくは読み聞かせしてもらうことで、無意識に意味づけをして、思考が整理されたり、湧き上がってくるものがあるのだと思います。
 短時間で読むことができる絵本。思いがけず出会う奥深さ。未知の自分と出会うきっかけに なるかもしれません。
 
 
私の一冊 ~本と人とをつなぐ人になりたいと思わせてくれる本
『お探し物は図書室まで』 青山美智子
 
 「私もこんな存在になりたい。」読後、いえ、読んでいる最中から、強く感じた本です。普段から本を読む時、気に入ったフレーズをメモしながら読んでいます。また、絵本に限らず、様々なジャンルの本を読むようにしています。2020年一番気に入った本がこちらです。登場する司書さんの「聞く力」「レファレンス力」がとにかく素晴らしい。そして、1冊の本との出会いで変容していく登場人物達が魅力的です。
 絵本が登場する章があるのですが、まさに絵本セラピーによって体験したり考えたりできる要素が織り込まれており、一層、この本に魅せられました。読み進めていくと、レファレンスによって勧められた一風変わった本によって、手にした人たちが、思考を深めたり、膨らませて、視点が変わり、行動が変わっていく様は、読んでいる自分もワクワクしてきて、背中を押されている気がしてきます。
 心に残る言葉がたくさんあって、何度も読み返しました。
 自分も絵本と人を繋ぐ人になりたいな。強く思わせてもらえた一冊です。
お探し物は図書室まで [175KB]
 
 
 
 
 
 
『お探し物は図書室まで』
 
青山美智子 作 
ポプラ社 

   

 

 [58KB] #9 村上雅彦さん(秋田市)

  株式会社ドリームリンク代表取締役 

     <Café赤居文庫 ―本と珈琲とインクの匂い―>

 
 
 
 
Café赤居文庫 について
 
 〈本と珈琲とインクの匂い〉「Café 赤居文庫」。店内は、木を基調とした内装と、レトロな家具でノスタルジックな空間。文学全集や哲学書、話題の新書まで1,000冊以上の書籍が並び、読書をしながら食事やカフェタイムを楽しめます。メニューは、ハンドドリップで煎れる自家焙煎コーヒーやスイーツ、ガレット、オーブン料理など。アルコールメニューもあり、夜カフェとしても。読みかけの文庫本は、貸し出しや購入も可能。すべて異なる時間を指す古時計や、雨の日だけの隠れメニューなど、遊び心溢れる仕掛けも楽しんでください。
 
 
私の一冊 ~忘れてはいけない大切な事を教えてくれる名作
『サンタクロースっているんでしょうか?』ニューヨーク・サン新聞「社説」
 
 ニューヨークに住んでいた8歳になるバージニアという女の子がニューヨークの新聞社に出した手紙が物語のスタートです。新聞社はこの可愛らしい質問に社説で答えました。この回答はやがて全米で話題になり絵本となります。様々な経験を積んで成長していく事で人は大人になっていきます。しかし見方を変えると「見た事があるもの」しか信じない分別のあるつまらない人間になってしまっているのかもしれません。
 今から約120年以上も前に出版されたこの絵本は心温まる大人が読める絵本です。大人になっても子供達に夢を与え続けたウオルト・ディズニーの「全ての大人が子供の心を持っている」という名言を思い出しました。忘れてはいけない大切な事を教えてくれる名作だと思います。
サンタクロースっているんでしょうか?表紙画像 [111KB]

  

 

『サンタクロースっているんでしょうか?』
 
ニューヨーク・サン新聞 社説 
中村妙子 訳 
東逸子 絵 
偕成社 

   

 

 [120KB] #8 マティログ/北嶋 友暁さん(秋田市)

  タレント ファイオン株式会社代表取締役 

  『読書は脳のマッサージ』
 
 
 
 
朗読Podcastと朗読劇について
 
 イベント企画、動画配信やナレーションスタジオ業務の他に弊社が力を入れているのはPodcastの配信や劇場公演です。Podcastでは今も読み継がれる日本文学の名作を朗読、編集し配信しています。
 劇場公演では俳優としても活動する妻ゴトウモエが主宰となり、昨年は朗読と生歌のコラボレーションライブを開催しました。いずれも「声」を武器にしている我々にしか生み出せないコンテンツです。それらに共通するのは紙の本を自らの指でめくると果てしない世界に連れていってくれる本のように、自らの目と耳で物語を楽しみ感じ想像する楽しさを味わって欲しいという想いからです。
 弊社ファイオン株式会社の社是は「人生を娯楽に」。あなたの人生こそが最高の一冊の本であり娯楽である。そんな風に思える企画やコンテンツをこれからも作り続けていきたいと思います。
 
 
私の一冊 ~自らをアップデートしたいときに必ず読む本
『ホモ・デウス  テクノロジーとサピエンスの未来』(上・下) ユヴァル・ノア・ハラリ
 
 ユヴァル・ノア・ハラリさんの超ベストセラー『サピエンス全史』の続編『ホモ・デウス』。前作では私たちがどこからやってきたのかを示してくれましたが、今作では人類のこれからを予測した未来を描いています。AIが凄まじいスピードで進化している今、僕はホモ・デウス=神の人に近づけるのか?仕事に行き詰まったり自らをアップデートしたいときに必ず読む本です。僕同様、経営者の方には特におすすめしたいですね。
 ちなみに息子も本が大好きです。刊行当時、息子はお気に入りの絵本を、僕はこの本を手に公園のベンチで2人でした読書タイム。とても幸せでした。そんな思い出もありこの本を選びました。
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『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』(上・下) 
 
ユヴァル・ノア・ハラリ 作 
柴田裕之 訳 
河出書房新社 
 

   

 [81KB] #7 畠山 彩さん(秋田市)

  整理収納アドバイザー

  本交換day主催、 Instagram(@_aya027)で読書記録を公開中

  『どこにでも行ける 何を感じるのも 自由』
 
 
本交換dayとInstagramの本の紹介について
 
 本交換dayは、ご自宅にある読み飽きた本を、会場にあるお好きな本と交換できるイベントです。
 2016年から読書記録を書いているInstagramをご覧になった方々から「本を読みたくなった」と言って頂けることが嬉しくて、実際に読書のきっかけになる場を作りたいと考えるようになりました。
 そこに、1in1out(1つモノを増やす時には1つモノを手放すという片づけの考え方)の体験をしてもらいたい、という思いが重なって、この活動を始めました。
 持ち帰る本を選ぶ時に、その本を持ってきてくれた方の感想をお伝えすることで、本の内容と本そのものが持つエピソード、1冊の本から二重のストーリーが想像できます。
 読書の楽しみはページを開くところからではなく、そこに広がる世界を感じてわくわくするところから始まっていると、私は思います。
 本交換dayや Instagramでの本紹介が、わくわくの種になればとても嬉しいです。
 
※畠山彩さんのInstagramはhttps://www.instagram.com/_aya027/?hl=ja
 
 
私の一冊 ~心に留めておきたい言葉がたくさん詰まった本
『ぶらんこ乗り』いしいしんじ
 
 声を失った賢い弟が残したノート。そこに書かれたたくさんのおはなし。
 短いセンテンス、ひらがなの連なり、童話のような世界観。
 読んでいるうち、固くなっていた心の殻がやわやわと緩んでいくのが分かります。
 その、子供のように無防備になった心に、私たちが生きている世界の理不尽さを突きつけられます。
 そんな世界をまっすぐに見ている弟の、本当か作り話か分からないおはなしを読んでいるうちに、愛しさがこみ上げてきます。
 そして、幸せや正しさの答えは自分自身しか知らない、そう思います。
 幼い弟に何が見えていたのか知りたくて、こんなに涙が溢れる理由が知りたくて、何度でも繰り返し読んでしまう、心に留めておきたい言葉がたくさん詰まった1冊です。
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『ぶらんこ乗り』

いしいしんじ 作 
理論社 
 

   

 

 [68KB] #6 阿仁合の本やさん(北秋田市)

  てんちょう 柳山 めぐみさん

  ふくてんちょう 長谷川 拓郎さん(阿仁合コミューン) 

  『本に会いに行こう』
 
 
「阿仁合の本やさん」について
 
 店舗のある「阿仁合」は、かつて阿仁鉱山として栄え、とても賑わっていました。その阿仁合に、文化や人との交流を生む場所の一つとして、「阿仁合の本やさん」は誕生しました。静かな店内で、思いがけない本や言葉との出会いをお届けできたらこんなに嬉しいことはありません。
 
 
私の一冊 ~自分と向き合う時間やヒントをくれる本
『モモ』ミヒャエル・エンデ
 
 便利さや、物の多さにこそ価値があると思いがちな現代人に、それと引き換えに失っている物があることを思い出させてくれます。他人軸の時間に縛られ続けることで、自分を生きることができるのか……。
 「モモ」は私たち一人一人の心の中にずっと前から存在していて、自分と向き合う時間やヒントをくれるような気がしています。 
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『モモ』

ミヒャエル・エンデ 作 
大島 かおり 訳 
岩波少年文庫 
 
 

   

 

相場詩織さん「人生の相棒」 [109KB] #5 相場 詩織さん(フリーアナウンサー)

  エフエム秋田「水曜mix」しおリコメンドbook

  『人生の相棒』

 

 

 
エフエム秋田「水曜mix」しおリコメンドbook について
 
 毎週水曜15時~生放送中のラジオ番組エフエム秋田「mix」で「しおリコメンドbook」と題して私のおすすめの本を紹介しています。
 読書をしなくても人は生きていくことができますが、私自身は読書を通じて「自分の想いを言語化すること、表現すること」を磨くことができ、より人生に彩りを添えてもらってきました。
 読書は強制されてすることではなく、自分が興味あること、好きなジャンルを好きな時に読んで気づいたら心が豊かになることだと思うので、読書に苦手意識がある方にこそ「自由で、好きに選んでいいんだよ」と感じてもらいちょっとした読書へのきっかけを作れたらと思っています。
 
 
 
私の一冊 ~明日も丁寧に生きようと思わせてくれる本
『ランチのアッコちゃん』 柚木 麻子 
 
 忙しすぎて心も体も余裕が無く、自分のことを大切にできずにいた時に出会った一冊。
 忙しい時、辛い時こそ「食は人の天なり」という言葉があるように、自分の心と体を支えるごはんを食べることが大切なのに、当時の私は仕事や他人を優先し食事を後回しにしたり疎かにしてしまっていたりしました。
 そんな時にこの本と出会い、食べ物の奥深さ、食事が私たちにもたらす幸福を、改めて感じることができました。
 自分の心と身体を慈しみ、明日も丁寧に生きようと思わせてくれます。
 八方塞がりで何もかも上手くいっていないという方、この本を読んで是非美味しいごはんを食べてもらいたいです。
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『ランチのアッコちゃん』

柚木 麻子 作 
双葉社 

 

   

 

 [306KB] #4 沓澤 優子さん(湯沢市)

  インテリアショップ&カフェ momotose代表
 
  『未知への旅』
 
 
「momotose」について
 
 店内にいくつかある本棚は、主に「暮らし」にまつわる書籍をそろえました。
 誰もが行う日々の営みに、小さな探求心が芽生える本に引き合わせられたら…。
それがお店の願いです。
  文字を目で追いながら、違う世界に思いを馳せる少しの時間。
その未知への旅が、慌ただしい時代に生きる私たちの心を涵養し、充足した気持ちで好奇心を失わずに生きるための手掛かりになると信じています。
 
 
私の一冊 ~自分自身に目を向けさせてくれる本
『花の知恵』モーリス・メーテルリンク
 
 「自分たちが体現している存在形態を、どこまでも無数に増やす」という壮大な野望を持つ植物は、終生不動の定めに従って風や虫など周囲で動く環境を巧みに利用し、遠くへと種を運ぶ。
 本を読み進んでいく中で、虫を受粉に利用するための花の形状や、蜜の配置場所、それを与えるタイミングを知るにつけ、それを知性と呼ぶ以外に表現する言葉が見つからなくなる。
 私たちの足元に咲くどんな小さな花も、反骨精神や粘り強さ、創意工夫の結果であり、同時に私たちの手本であることに気づかせてくれる良書だと思います。 
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『花の知恵』

モーリス・メーテルリンク 作 
高尾 歩 訳 
工作舎 
 

 

 

 [387KB] #3 東海林 諭宣さん(秋田市)

  株式会社SeeVisions代表取締役 
 
  『自分の限界
    読書で超える』
 
 
亀の市」と「ヤマキウ南倉庫」について
 
 ヤマキウ南倉庫は、築40年を超える倉庫をリノベーションした複合施設です。<屋根付きの公園>をイメージしたホールを中心に、10のショップと6のオフィス、コワーキングスペースが入居します。1階「KAMENOCHO HALL KO-EN」には、知識を得られるパブリックスペースとして、「LIBRARY A(ライブラリ・アー)」があります。ここにある本は、ヤマキウ南倉庫と亀の町ストアを含む敷地内で自由に読むことができます。グランドオープンでは「亀の市」を同時開催し、県外からもブックストア2店に出店していただきました。
 本を読むことは知識を得られるだけでなく、「そこにいてもいい」という環境を作ってくれることも魅力です。まさにパブリックスペースに必然なものですよね。
 
 
私の一冊 ~読むと勇気が湧いてくる本
『ようこそ ようこそ はじまりのデザイン』graf
 
 grafと出会ったのは、僕がデザインの仕事をはじめた直後だったと思う。出会ったといっても新聞の一面でのこと。写真はテーブルを囲む6人。実はそれぞれが違う職能を持ったチームで行う(クリエイティブユニット)という。ビビビッと衝撃が走ったのを覚えている。本書はgraf15周年に出版された。ものづくりに向かう姿勢というか、物語が綴られている。それぞれのプロフェッショナルが、横断的にものづくりをしているgrafを知ることができる。参考書であり、なにより勇気が湧いてくる一冊。 
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『ようこそ ようこそ はじまりのデザイン』

graf 著 
muesum 編集 
学芸出版社 
 
 

 

 

  [72KB] #2 佐藤 聡子さん(秋田市出身)

  ヴァイオリニスト
  アラヤード・ピクニック主宰
 
  『1冊の本は1つの新しい扉 人生でたくさんの扉が開かれますように』
 
 
「アラヤード・ピクニック」について

 
 秋田・新屋で、いまある地域の宝をあらためて共有し、いろいろな土地から人が集い、ともに食卓を囲み、本や作品を通して、お一人お一人がそれぞれの心の糧となるような時間が紡がれることを思い描いて、音楽会、展覧会、講演会、読書会、食事会の5つをおこなう「アラヤード・ピクニック」を立ち上げました。
 読書会は「ビブリオ・ピック」と名づけました。その回のお題に合った本をお一人1、2冊選び、ご紹介いただいています。
 
 
私の一冊 ~互いに尊重し合える大切な存在があることに幸せを感じられる本
『ふたりはきょうも』アーノルド・ローベル
 
 収録されている中の「ひとりきり」というおはなしは、何度読み返したかわかりません。
 がまくんとかえるくんは大の親友。いつも一緒でしたが、ある日「ひとりきりになりたい」と置き手紙をして、かえるくんが姿をけします。そしてがまくんが必死の思いで探し、会えたとき、かえるくんが語った言葉に、私は胸をうたれました。
 お互いに尊重できる大切な存在があるということの幸せ、生きている中での愛おしい瞬間を感じる作品です。
 
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『ふたりはきょうも』

アーノルド・ローベル 作 
三木 卓 訳 
文化出版局 
 
 

 

 

 [44KB] #1 工藤 秀典さん(秋田市)

  古ほんや灯書房 店主
  新屋一箱古本市事務局
 
  『本を読んで創造力を高めよう!』
 
 
「一箱古本市」の活動と「灯書房」について

 南陀楼 綾繁〈なんだろう あやしげ〉氏の呼びかけにより、2005年4月、東京不忍界隈の軒先でミカン箱一つに入る本を持ち寄って開催された本のフリーマーケット。これが「一箱古本市」の始まりです。
 その後、一箱古本市は全国各地で開催され、秋田では、2011年7月に「秋田Book Boat」が秋田市仲小路で第1回となる一箱古本市を開催しました。私も「灯書房〈あかりしょぼう〉」として参加しました。
 土日営業の古本屋、灯書房は、2017年7月に秋田市飯島道東の国道7号線沿いに開業しました。4月に行われる「ものまちさんぽ」での一箱古本市や、5年連続で開催されている10月の「明徳館こんわ会一箱古本市」にも出店しています。毎年本好きの方々が開催を待ち望んでくださっており、大変喜ばしく思っています。これからもどこかの一箱古本市に出店しますので、ぜひお会いしましょう。
 
 
私の一冊 ~「本当に大事な人」について考えさせてくれる本
『チルチルの青春』メーテルリンク
 
 童話好きな人なら、一度はメーテルリンクの『青い鳥』を読んだことがあると思います。この物語は、チルチルとミチルが青い鳥をさがす旅をしてから7年後のチルチルの姿を描いたお話です。
 チルチルが16歳になったある夜、魔法使いのおばあさんが寝室に現れ、好意を寄せている女性はいるのかと尋ねます。そこからチルチルの新たな旅が始まります。
 人の幸せとは何か、ということについて書かれた『青い鳥』の続編、『いいなずけ THE BETROTHAL -A SEQUEL TO THE BLUE BIRD(英訳)』(1918年発表)をもとに1987年に中村麻美氏が翻案した物語です。
 「本当に大事な人とは何か」に気づくきっかけを与えてくれる素敵な本ですが、残念なことに今は絶版となっています。図書館にはあると思いますので、ぜひ探してみてください。

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『チルチルの青春』

メーテルリンク 原作 
中村 麻美 翻案・画 
あすなろ書房 
 
Café赤居文庫