第8回ふるさと秋田文学賞(令和3年度)最終選考結果

2021年10月29日 | コンテンツ番号 61088

「第8回ふるさと秋田文学賞」には、2部門合わせて127編の応募がありました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

最終選考結果をお知らせします。

入賞作品(敬称略)  

小説の部

 <ふるさと秋田文学賞>(副賞:賞金50万円)

『山椒と虹』渡部 麻実(神奈川県横浜市)

 

<ふるさと秋田文学賞 佳作>(副賞:賞金5万円)

『停戦旅行』畠山 政文(岩手県花巻市)

 

エッセイ・紀行文の部

<ふるさと秋田文学賞>(副賞:賞金20万円)

『大地と共に我ら生き』石原 敏子(大潟村)

 

<ふるさと秋田文学賞 佳作>(副賞:賞金2万円)

『廃屋の月~矢口高雄さんを偲んで~』ペンネーム 工藤 幸(小坂町)

 

 最終選考委員コメント  

内館牧子 氏

 本文学賞が8回目を迎えた今年、最も大きく変わったのは「エッセイ・紀行文の部」の規定枚数が、これまでの20枚から10枚になったことだろう。
 本来、規定枚数が20枚なら、25枚以上を書いて、削ぎ落として20枚にする。それは書く訓練としても、非常に大切なことだと思う。しかし、応募作の少なからずは、10枚の話を無理に20枚に水増しし、悪く言えばだらしない作品になっていた。そこで今年は枚数を半分にしたのである。結果、水増ししたものは減り、効果が出ている。
 また、小説にも言えることだが、ネットやガイドブックなどで調べて書き、実際に自分で取材していないと思われる作品がある。これはわかられるものだし、書く態度としてあってはならない。
 もう一点、あまり知らない方言を、自己流に使うことを畏(おそ)れてほしい。ムードを高めたくて使用するのはわかるが、自己流は無礼であり、かえってムードを壊す。同じ県でも、方言は地域によって違う。これほどのものを、自己流で扱おうというのは不遜だ。やはり「ネイティブスピーカー」に取材するとか、チェックしてもらうことが必須である。

 

塩野米松 氏  

 小説部門の作品の質が上がった。最終選考に残った作品には常連の方が幾人か。コロナ禍の話題を入れたり、秋田の風景、暮らしを織り込んで工夫を凝らした作品が多かった。ふるさと秋田文学賞の「山椒と虹」も佳作の「停戦旅行」もうまく書けているが、登場人物の設定、展開にあとひとつ精密さと考慮が欲しい。都合のいい筋運びに頼る展開は減点の対象だ。タイトルも含みのある、切れの良いものを考えた方がいい。タイトルが質の向上を助けてくれることもある。
 エッセイ・紀行文部門は今回から400字詰め原稿用紙10枚以内と従来の半分になった。20枚では無駄な部分が多く、もったいない原稿が多かったからだ。削ったり、推敲を重ねればいい作品になるのにと10枚にした。しかし、裏目に出た。気軽るに書ける枚数と思われたのだろうか、軽く、掘り下げの浅い、感銘の薄い作品が多かった。観察を楽しみ、構成をシンプルに、描写の力を上げて欲しい。ふるさと秋田文学賞の「大地と共に我ら生き」もあと一踏ん張り。佳作の「廃屋の月」は次作を期待しての励ましの賞だ。

 

 応募状況等

  • 応募総数127

  [内訳]小説の部61、エッセイ・紀行文の部66(県内49、県外78)

  •  最終選考委員は内館牧子氏、塩野米松氏、西木正明氏(五十音順)

  

最終選考候補作品(敬称略)※応募順

小説の部(5作品)

『ここから一歩を、確かな一歩を』ペンネーム 谷門 展法(千葉県柏市)

『夜明け』ペンネーム 幸祉 豆杵(愛知県名古屋市)

『停戦旅行』畠山 政文(岩手県花巻市)

『アピールポイント』ペンネーム 佐藤 多之助(秋田市)

『山椒と虹』渡部 麻実(神奈川県横浜市)

 

 エッセイ・紀行文の部(4作品)

『大地と共に我ら生き』石原 敏子(大潟村)

『廃屋の月~矢口高雄さんを偲んで~』ペンネーム 工藤 幸(小坂町)

『闇に浮かぶ光』浅倉 紀男(秋田市)

『ダムに沈む里』石山 敦子(秋田市)

  

 受賞作品集

受賞4作品と選考委員による選評などを収めた作品集は令和4年2月刊行予定です。

なお、同作品集は県ウェブサイト「美の国あきたネット」にPDFで掲載します。