県では、令和6年能登半島地震を教訓に、災害時におけるトイレ環境を整備するため、災害救援用大型トイレカーを令和7年7月に導入しました。

導入経緯

 令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、陸路の寸断や断水等の長期化からトイレ環境の確保が追い付かず、避難所における衛生環境に問題が生じました。

 能登半島地震に限らず、災害発生時にトイレ環境が確保できない場合、被災者はトイレに行かずに済むよう、水分の摂取を控えてしまうため、脱水症状やエコノミークラス症候群等の発症、最悪の場合、「災害関連死」につながるおそれがあります。

 そのため、県では、既に備蓄している携帯トイレに加え、大型トイレカーの導入により、更なるトイレ環境の整備を図ることとしました。

大型トイレカーの概要

 <車両>

  • 3tトラックタイプ
    (長さ:698cm×幅:222cm×高さ:323cm、車両総重量:6,215kg)
  • 8ナンバー(糞尿車登録)
  • 準中型自動車運転免許以上の免許が必要
    (平成19年6月1日までに取得した普通免許でも運転可能)

 <車室>

  • 男性用トイレ(2室)

  小便器×1基、大便器×2基

  • 女性用トイレ(2室)
  大便器×2基
 
  • 多機能トイレ(1室)
  大便器×1基、オストメイト便器×1基、おむつ交換台×1基、ベビーキープ×1基、エアーコンディショナー×1台
 
※大便器は、洗浄暖房便座付き洋式簡易水洗トイレとなっているほか、個室ごとに手摺り、擬音装置、 非常用ボタン等が
 設置されています。

 <設備>

  • 車椅子昇降用リフト
  • 浄水器(汲み上げポンプを含む。)
  • ソーラーパネル(100W)
  • センサーライト(各階段)
  • 換気扇
  • 貯水タンク(約700L)
  • 便槽タンク(約1,000L)

 <使用可能回数(見込み)>

 800回程度使用可能

活用方法

 <平時>

 県内各市町村などが実施する防災訓練や防災知識の普及啓発につながる活動等への貸出しを行います。

 <災害時>

  県内外の自治体からの応援要請に応じ、トイレ支援を実施します。

 内外観

 <外観>

 

 

 <内観>

 

県民の皆様へのお願い

 県及び市町村では、大規模災害を想定し、携帯トイレをはじめとした備蓄品を各種整備しているところです。

 しかしながら、大規模災害時においては、道路の寸断などにより、全ての避難所・被災者へ速やかに備蓄品を供給できないことが十分に考えられます。

 そのため、発災後、しばらくの間は、自分の命は自分で守る「自助」、地域住民で助け合う「共助」が重要です。

 県民の皆様におかれましては、平時から備蓄品・非常用持ち出し袋の準備や、町内会・自治会の集まりなどを利用して、防災について話し合うなど、いざというときに、大切な命を守れるよう、日ごろからの備えをお願いします。

 

 ◎備蓄品・非常用持ち出し袋の準備については、こちらをご覧ください。