県では、県内の木造・木質化のモデルとなる優れた建築物を県民や建築関係の皆様に広く紹介するため、「第5回ウッドファーストあきた木造・木質化建築賞」を開催しました。
 4部門に対して5点の応募があり、部門ごとに最優秀賞を決定しましたので、ご紹介します。
 また、賞の発表と表彰式を令和6年12月25日(水)に行いました。

 ※本事業は、森林環境譲与税を活用して実施しています。

審査委員

  • 委員長 板垣 直行(秋田県立大学 教授)
  • 小杉 栄次郎(秋田公立美術大学 教授)
  • 鎌田 光明(秋田工業高等専門学校 助教)
  • 淡路 孝次((一社)秋田県建築士会 会長)
  • 村田 良太((一社)秋田県建築士事務所協会 会長)
  • 大坂 真一(秋田県木材産業協同組合連合会 理事長)
  • 土橋 吉秀(秋田県 建設部 営繕課 課長)
  • 真崎 博之(秋田県 農林水産部 林業木材産業課 課長)

各部門の最優秀賞

つばめの森保育園 【木造A部門 (延床面積が500㎡超え又は軒高9m超えの非住宅木造施設)】

<施設の概要>
  • 用途:保育園
  • 所在地:能代市
  • 施主:つばめの森保育園
  • 設計者:設計集団 環 協同組合
  • 施工者:高田住宅工業 株式会社
<施設の特徴>
  • 円弧状の吹抜けとした遊戯室の周囲に保育室を配置し、その間には110年生秋田スギの丸太柱がそびえ立つ。
  • 園児が走りまわり、触れたり寝転がったりする部分には無垢の秋田スギを使用。
  • 秋田県立大学と民間企業の協同研究により開発された「コネックトラス」を採用。
<審査委員長 講評>
  • 施主の木材に対する強い思い入れを設計に生かし、現しでありながら、一般流通材も活用してコスト縮減に取り組んでいる。
  • 木造トラスを短いスパンで使用していることで、木に囲まれた空間を創出している。
  • スギを構造の他、床材にも使用しており、県産材を様々な方法で効果的に利用している点が評価された。

 

遊戯室
遊戯室

保育室保育室

 

秋田銀行 田沢湖支店 【木造B部門 (延床面積が500㎡以下又は軒高9m以下の非住宅木造施設)】

<施設の概要>
  • 用途:金融機関 店舗
  • 所在地:仙北市
  • 施主:株式会社 秋田銀行
  • 設計者:株式会社 草階建築創作所
  • 施工者:万六・佐藤・寺沢 特定建設工事共同企業体
<施設の特徴>
  • 当市の観光地である温泉宿の外壁や武家屋敷板塀の黒を基調とした外観。
  • ロビーや事務スペースでは集成材の柱と梁が見える配置とし、木の色合いと質感を表現。
  • 市道側に面した窓には構造筋交いを利用した「ひし形格子」を配置し、外やロビーからも木の温かさが見える店舗とした。
<審査委員長 講評>
  • 県内で木造化が進んでいなかった金融機関の施設としては、この取組が先行事例となり、波及してくことに期待できる。
  • 落ち着いた色調のロビーや営業室、通りから見える箇所に筋交いをデザインとして利用し、平屋建てであることからメンテナンスが容易であることなど、シンプルであることで、銀行店舗として普及しやすいデザインとなっている点が評価された。

 

外観外観

ロビー
ロビー

 

スズキアリーナ能代 【木質化部門】

<施設の概要>
  • 用途:自動車販売店 店舗
  • 所在地:能代市
  • 施主:株式会社 秋田スズキ
  • 設計者:株式会社 松橋設計
  • 施工者:中田建設 株式会社
<施設の特徴>
  • 会社のモットーである「乗物でしあわせ運ぶ」を、4本のタイヤと四葉のクローバーに重ね、曲げわっぱをイメージした天井装飾で表現。
  • 天井の曲げわっぱは照明を兼ねており、柱に設置した間接照明とともに、居心地の良い空間を提供。
<審査委員長 講評>
  • 曲げわっぱをイメージした天井の装飾、フロントのスギ材の縦格子など、木の空間をアクセントとして利用している。
  • 県内に支店を持つ自動車販売店で、本店のデザインと統一性があり、全店舗に展開される波及効果が期待できる点が評価された。

 

ショールーム
ショールーム

フロント
フロント 

 

秋田プライウッド旧社員寮 木質化リノベーション 【リノベーション部門】

<施設の概要>
  • 用途:事務所
  • 所在地:秋田市
  • 施主:秋田プライウッド 株式会社
  • 設計者:セイホクホーム 株式会社
  • 施工者:株式会社 財産コンサルティング
<施設の特徴>
  • 築50年・鉄筋コンクリート造3階建ての旧社員寮を大規模に木質化リノベーション。
  • 秋田県産のスギが原料の合板を重ねて製造した「超厚合板」をスライスし、積層面を活かした内装デザイン。
  • 合板の製造過程で発生する端材を集めて製作した「究極のカーボンストックテーブル」を会議室に配置。
<審査委員長 講評>
  • 自社の木材製品や技術を用いてリノベーションし、ショールーム化しており、知名度の高い企業の取組として模範となる。
  • 従来からの構造部材に加え、内装や家具部材として、合板の新たな木材需要を開拓する取組である点が評価された。

 

玄関
エントランス

会議室
会議室 

 

表彰式

 令和6年12月25日(水)に秋田県JAビルにおいて表彰式を開催し、秋田県農林水産部の村上森林技監から各部門の受賞者へ表彰状を贈呈しました。

 受賞された皆様、誠におめでとうございます。

つばめの森保育園 
木造A部門 最優秀賞受賞の皆様
(つばめの森保育園)

秋田銀行
木造B部門 最優秀賞受賞の皆様
(秋田銀行 田沢湖支店)

秋田スズキ
木質化部門 最優秀賞受賞の皆様
(スズキアリーナ能代)

秋田プライウッド
リノベーション部門 最優秀賞受賞の皆様
(秋田プライウッド旧社員寮 木質化リノベーション)

 

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