県では、県内の木造・木質化のモデルとなる優れた建築物を県民や建築関係の皆様に広く紹介するため、「第3回ウッドファーストあきた木造・木質化建築賞」を開催し、10点の作品の応募がありましたので、部門別にご紹介します。

 また、審査委員会による審査により、最優秀賞4点とウッドファーストあきた木造・木質化建築賞2点を決定し、令和4年12月7日に発表・表彰を行いました。

最優秀賞

 ・木造A部門 峰浜ポンポコ子ども園

 ・木造B部門 ひだまりのこみちクリニック

 ・内装木質化部門 四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル

 ・リノベーション部門 マルヒコビルヂング

ウッドファーストあきた特別賞

 ・木造A部門 ねむの木苑

 ・内装木質化部門 秋田内陸縦貫鉄道株式会社 松葉駅

審査委員

 ・委員長 小杉 栄次郎 (秋田公立美術大学)

 ・板垣 直行 (秋田県立大学)

 ・鎌田 光明 (秋田工業高等専門学校)

 ・淡路 孝次 ((一社)秋田県建築士会)

 ・村田 良太 ((一社)秋田県建築士事務所協会)

 ・大坂 真一 (秋田県木材産業協同組合連合会)

 ・備前 賀成  (秋田県建設部)

 ・澤田 智志  (秋田県農林水産部)

木造A部門

 木造A部門 延床面積が500㎡を超える又は軒高9mを超える非住宅木造施設

  1. ねむの木苑 (ウッドファーストあきた特別賞)

    施設の用途区分 病院・福祉施設

    施設の所在地 能代市

    ・障害者福祉施設

    ・脱炭素社会を実現するための中大規模木造建築の普及

    ・柱・梁には、秋田県立大学主導の研究会で開発した秋田スギの耐火集成材を採用

    外観 円形ホール1 円形ホール2

    ○審査委員会での主なコメント

    ・鉄筋コンクリート造りだが、ホールの2階部分に県立大学が中心になり開発した耐火部材を大胆に使った建物で、新部材の今後の広がりに期待。

  2. 能代地域生活支援センター

    施設の用途区分 病院・福祉施設

    施設の所在地 能代市

    ・障害者福祉施設

    ・サービス部門ごとに別棟として、在来軸組工法によりコストを低減

    ・施設のホールは大きな空間を得るため、秋田県立大学と民間企業で開発した平行弦トラスを採用

    外観 室内 ホール
  3. 峰浜ポンポコ子ども園 (最優秀賞)

    施設の用途区分 保育園等施設

    施設の所在知 八峰町

    ・白神産地の麓に位置する町立の子ども園

    ・潮風による塩害に強い、地場産材を多用した「木造園舎」

    ・建物用途上、内装制限があるため、仕上げ材ではなく構造材自体で木質感を表現

    外観 遊戯室見上げ 図書コーナー

    ○審査委員会での主なコメント

    ・地場産の定尺サイズの製材品を多用した木架構が特徴的で、現しの構造材が木の存在感を生み出している。

木造B部門

 木造B部門 延床面積が500㎡以下又は軒高9m以下の非住宅木造施設

  1. ひだまりのこみちクリニック (最優秀賞)

    施設の用途区分 病院・福祉施設

    施設の所在地 大館市

    ・メンタルクリニック

    ・秋田スギの板張のトンネルを通りエントランスへ

    ・待合室は、木の香り、肌触りで木材の様々な効果を体感できる空間

    外観 スギのトンネル 待合室

    ○審査委員会での主なコメント

    ・メンタルクリニックという施設の目的に沿って、各スペースで樹種を使い分け、木の使い方を工夫していることに高い評価。

  2. やどめ学童クラブ

    施設の用途区分 保育園等施設

    施設の所在地 秋田市

    ・私設の学童保育施設

    ・一年中、子どもたちが楽しく集い、安全に過ごせる耐震性と断熱性を兼ね備えた木造施設

    ・内装は、木の温もりが感じられる無垢の床に、梁材も可能な限り現しに

      外観 エントランスホール 遊戯室

内装木質化部門

  1. 秋田内陸縦貫鉄道株式会社 松葉駅 (ウッドファーストあきた特別賞)

    施設の用途区分 その他

    施設の所在地 仙北市

    ・仙北市にある秋田内陸縦貫鉄道の「松葉駅」を内装木質化

    ・秋田公立美術大学の学生が中心になり、現地調査や対話を重ねて実施

    ・8種類の広葉樹材を使い、変化に富んだ木質空間を演出

    外観 駅内装 駅内装2

    ○審査委員会での主なコメント

    ・学生が主体となり、リサーチ、設計、プレゼンテーション、施工を行ったことを評価。

  2. 道の駅美郷

    施設の用途区分 店舗・商業施設

    施設の所在地 美郷町

    ・旧道の駅「雁の里せんなん」をリニューアルした美郷町の観光と物産の拠点施設

    ・天井を取り外し、天窓を設けて、梁材も見せる明るい空間に

    ・柱、建具、什器類などは全て秋田スギを利用

    外観 販売スペース 休憩スペース
  3. 四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル (最優秀賞)

    施設の用途区分 宿泊施設

    施設の所在地 鹿角市

    ・鹿角市八幡平に位置する温泉ホテル

    ・「秋田の森に包まれて」をコンセプトに木材を利用した改装

    ・改装のアイディア、デザインは職員からの提案

    フロントロビー ラウンジ 展望ダイニング

    ○審査委員会での主なコメント

    ・ホテル内の各所において、家具も含めて木を使った演出が上手で、木質化に一体感がある。また、木質化のアイディア出しを職員が行っていることも評価。

リノベーション部門

  1. ハラッパ after school

    施設の用途区分 保育園等施設

    施設の所在地 秋田市

    ・私設の学童保育施設

    ・鉄骨造りのビルに床材や家具に木材を多用した子どもの五感をくすぐる木質空間

    杉フローリング 創作室 造作棚
  2. マルヒコビルヂング (最優秀賞)

    施設の用途区分 店舗・商業施設

    施設の所在地 能代市

    ・カフェ、子どもの遊び場、シェアオフィスなどの多目的スペース

    ・木都能代の銘木を多用し、能代市商店街にある2階建ビルをリノベーション

    雪の洞穴テーブル シェアオフィス カフェ

    ○審査委員会での主なコメント

    ・1階の雲形の大型のテーブルや2階のスギ小割材を使った田楽棚など、設計が斬新。地域の拠点としても期待できる。

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(参考)建築賞の募集時のチラシです。