東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、環境に配慮した持続可能な大会の実現のため、競技施設等における木材利用が計画されていたことから、秋田スギ等のブランド力向上を図る絶好の機会ととらえ、官民協働の協議会を推進母体に、これらの施設へ県産木材利用の働きかけや供給体制の整備を進めてきました。

 その結果、メインスタジアムの国立競技場や有明体操競技場、選手村ビレッジプラザに、秋田スギ製品が使用されました。

1 選手村ビレッジプラザとは

 選手村ビレッジプラザは、大会期間中に選手の生活を支える代表的な施設で、雑貨店、クリーニング店、メディアセンター等で構成されていました。

 選手村の東側に整備され、後利用に配慮した木造の仮設建築物(延床面積:5,300m2 木材利用量:1,300m3)です。

 全国63自治体から無償で借り受けた木材を使用して建設し、大会後に解体された木材を全国各地でレガシーとして活用するプロジェクトに参加し、県内では秋田県のほか、大館市が参加しています。 

2 秋田県からの木材提供

 平成31年4月、大仙市の県有林から生産した丸太を製材や合板等に加工して、令和元年9月から11月にかけて出荷しました。

 丸太の生産段階では、次代を担う秋田林業大学校の研修性が伐倒木の森林計測調査や、高性能林業機械を用いた丸太の生産作業を体験しました。また、製品への印字・仕上げの工程では、林業・木材産業の就業機運を高める取り組みとして、秋田北鷹高等学校の生徒や鷹巣技術専門校、秋田職業能力開発短期大学校の学生が作業を体験するなど、県民協働で木材を供給しました。

 

3 選手村ビレッジプラザでの利用状況

  秋田県からの供給量は約24m3で、エントランスの梁や床、メディアセンターの壁に使用されています。供給した木材製品一つ一つに「秋田県 Akita Prefecture」と印字されています。
 

 4 木材の後利用

〇 令和3年12月、選手村ビレッジプラザへ提供した木材が秋田県に返却されました。

 

 上記の施設ほか、次の施設でも活用されています。

 ・スポーツ科学センター ・秋田県健康増進センターユフォーレ ・小泉潟公園パークセンター   

 ・農業科学館 ・生涯学習センター ・大館少年自然の家 ・岩城少年自然の家 ・県内の支援学校や高校等

 

〇 令和4年5月、県立横手支援学校で、本棚付きベンチの提供セレモニーを開催しました。

・当学校では、生徒たちの読書活動に力を入れており、玄関ホールやプレイルームなどにベンチを設置するとのことです。

・セレモニーでは、校長先生から「東京オリンピック・パラリンピック大会のレガシーとして子供たちと引き継いでいきたい」と言葉をいただき、セレモニーに参加してくれた生徒は「東京オリンピック・パラリンピック大会を思い出しながら使いたい」と喜んでくれました。