実務紹介

農業農村工学とは?

世界四大文明(メソポタミア・エジプト・インダス・黄河)は、いずれも農地へ人工的に水を供給するための技術、「灌漑(かんがい)」がその発展を支えました。
そして日本では、国土の25%しかない平野に世界でも類を見ない水路網が整備され、独自の稲作文化を育んでいます。この食料機盤・生活基盤を作るための技術は、「水の工学」と「土の工学」を柱に、「農業土木学」という名で受け継がれてきました。
そして現在、太古から延々と続いてきた”人が生きていくために最も基礎的なエンジニアリング”である「農業土木学」は、私たちが地球規模で直面する食料・エネルギー・環境問題を踏まえ、環境工学や農村計画学など、様々な分野をも対象とした「農業農村工学」という名で現代へ受け継がれています。

農業農村整備とは?

農業農村整備(通称NN)とは、農業生産の基盤と農村の生活環境の整備を通じ、「農業の持続的発展」「農村の振興」「食料の安定供給」「多面的機能の発揮」の実現を図るための施策の総称です。

農業農村工学職の配属先について

主な配属先は本庁2課(農地整備課、農山村振興課)や地域振興局(8振興局、8課1事務所)などです。

秋田県における農業農村整備の取組方針

我が国の農業を取り巻く情勢は、米政策の見直しや国際通商条約の発効による産地間競争の激化、人口減少を背景とした労働力不足の顕在化や、ICT・AI等の先端技術を活用した農業の推進など、大きな転換期を迎えております。
本県では、「米依存からの脱却」と「農業産出額の増大」を目標に掲げ、複合型生産構造への転換を強力に推進してきました。そうした中、県の農業産出額において、米以外の産出額が過去20年で最高となるなど、着実に成果が現れてきております。
生産コストの縮減や野菜などの畑作物への転換、活力ある農村社会づくりなどを実現する農業農村整備事業の要望は増加しており、秋田県農業が持続発展し、農業者が農業経営を続けられるよう、市町村や関係組織と協力して農業農村整備事業を推進します。

農業農村工学職の主な業務内容

秋田県の基幹産業である農業と農村の発展を図り、元気で活力ある農山村をつくるため、農業の生産基盤となる農地や用排水路、ため池などの整備事業に関する調査、計画策定、設計・積算、工事監督などを行います。
また、農地等の多面的機能を維持するための地域活動や、グリーン・ツーリズム、農村ビジネスなどへの支援のほか、土地改良区や市町村などの関係機関との調整業務などを担当します。

将来の職業を考えている皆さんへのメッセージ

  • 農業農村工学職の魅力とやりがい
    • 農業農村工学技術者として、自分が培った知識をフル活用し課題解決に向かうこと、そして現場が目に見えて整備されていくことに、大きなやりがいを実感できます。
    • 農業の基盤整備を担うことは非常に責任ある仕事ですが、無事に事業が完了し、地元農家から感謝の言葉を頂いた時は本当に嬉しく、自信やモチベーションの向上につながります。
    • 全県各地の転勤となりますが、その分、県内の素晴らしさを身をもって体験できる機会も多くあります。
    • また、勤務年数を重ねるごとに一緒に仕事をしたことのある仲間がどんどん増えていき、人の輪を広げやすい職場環境となっています。
    • 全国有数の農業県である秋田県で、四季豊かな秋田の自然を相手に、農業農村工学という分野で行政側から関わることは技術者として大きな魅力ではないでしょうか。

秋田県のために自分の力を発揮したいと考えているあなた!
明るい職員と秋田県農業が皆さんをお待ちしています!

若手職員インタビュー

仙北地域振興局農林部 農村整備課 生産基盤第四班 技師 菊地 亮太(2019年度採用)

菊地 亮太の写真

経歴(採用5年目)
2022年度~ 仙北地域振興局農林部 農村整備課
生産基盤第四班
2019年度~ 秋田地域振興局農林部 農村整備課
生産基盤第三班
ある日のスケジュール
08:00 出勤
08:30 朝コミ、スケジュール・メール確認
08:40 関係機関との協議資料作成
12:00 昼休み
13:00 工事の段階確認
15:00 工事打ち合わせ簿作成・設計書作成準備
17:15 退庁

Q 現在どんな仕事を担当していますか?

農業生産の基盤となる農地の整備や、安定して農業用水を確保できるように古くなった農業水利施設を補修・更新する事業を行っています。

Q 仕事でやりがいを感じることは?

高校で学んだ専門知識を活かして秋田県のためにスケールの大きい仕事をしたかったからです。

Q 入庁前のイメージと違ったことは?

入庁前はパソコンの前に座っている時間が多いイメージでしたが、実際は現場での確認業務や打ち合わせなど、外に出る機会が多くあることです。

Q 休日や退庁後の過ごし方は?

仕事終わりには、職場の同僚と食事や、スポーツ観戦をしています。
また、休日は趣味の釣りに没頭しています。

県職員を目指している方へメッセージ

土日祝日が休みで福利厚生も充実しており、仕事とプライベートのメリハリがつけられるのが魅力です。また、様々な職種の方々と交流する機会があるため知識を深められるほか、新たな視点や発想に繋がるなど、仕事に対する自分自身のモチベーションが向上する職場だと思います。

仙北地域振興局農林部 農村整備課 生産基盤第一班 技師 小田嶋 美和(2019年度採用)

小田嶋 美和の写真

経歴(採用4年目)
2021年度~ 仙北地域振興局農林部 農村整備課
生産基盤第一班
2019年度~ 平鹿地域振興局農林部 農村整備課
ふる里づくり班
ある日のスケジュール
08:20 出勤
08:30 スケジュール・メールチェック、打合せの準備
09:00 関係機関と打合せ
10:30 工事発注業務
12:00 昼休み
13:00 現場確認
15:30 資料とりまとめ
17:15 退庁

Q 現在どんな仕事を担当していますか?

農業生産の基盤となる農地や用排水路などの整備事業に関する設計・測量・工事監督のほか、関係機関との調整を行っています。

Q 秋田県庁を選んだ理由は?

生まれ育った秋田県のために働きたかったこと、大学で学んだことを仕事に活かしたかったことから、県庁の技術職を目指しました。

Q 仕事でやりがいを感じることは?

少しずつ知識が身について、自分でできる仕事が増えていくことにやりがいを感じます。また、担当地区の整備を終えた田んぼが、航空写真に美しく写っていた際に、満足感がありました。

Q 休日や退庁後の過ごし方は?

普段は買い物に出かけたり、動画配信サービスでドラマや映画鑑賞をして過ごします。夏はアーチェリーの大会に向けて練習をしています。

県職員を目指している方へメッセージ

農業農村工学の仕事は、秋田県の農業を支え、農村振興や防災減災にも役立っています。私たちと一緒に、農業・農村の未来をデザインしましょう!

動画

秋田県職員のお仕事紹介!〈農村農村工学職編〉(YouTube)