実務紹介

化学職の配属先について

  • 化学職は、「豊かな水と緑あふれる秋田」の環境を保全するため、公害の防止に関する立入検査・指導、廃棄物処理に関する許認可事務などのほか、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入拡大に関する業務にも従事しています。
  • 主な配属先は、本庁では生活環境部や産業労働部、地方機関では県内8か所の各地域振興局福祉環境部(保健所)、健康環境センター、水産振興センターなどで、配属先が幅広いのも特徴です。
  • 定期的な人事異動により、行政分野、試験研究分野などを幅広く経験することができ、キャリアアップが図れます。

化学職の主な業務内容

化学職の主な業務は、大気や水質などの環境保全業務、廃棄物の適正処理やリサイクルなどの廃棄物対策業務、温室効果ガスの削減に向けた省エネ対策の推進や風力発電などの再生可能エネルギーの導入促進といった地球温暖化対策業務に大別されます。

環境保全業務の 実務

環境保全業務は、「豊かな水と緑あふれる秋田」を将来に継承していくため、良好な大気や水などの環境を維持していく仕事です。
具体的には、工場や事業場の煙や排水の検査や、大気や水質などのモニタリング調査を行い、県内の環境を監視しています。
また、大規模な発電所や高速道路など、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行う場合に、その影響について事業者自らが事前に調査・予測・評価を行い、環境に配慮した事業計画とするための手続(環境アセスメント)に関する審査も行っています。
このほか、健康被害をもたらすアスベストの対策や環境放射能の測定などを行っています。

工場や事業場の立入検査・指導

工場や事業場からの煙(排出ガス)や排水(排出水)は、大気汚染防止法や水質汚濁防止法などの法律と秋田県公害防止条例により、厳しく規制されています。
こうした法律や県条例の規制対象となる工場や事業場は県内に数千箇所あり、こうした所からの煙や排水の監視を計画的に行うとともに、それらの処理方法など、事業者からの技術的な相談に応じています。

大気や水質などのモニタリング

大気中に存在する光化学オキシダントやPM2.5等の汚染物質や、河川水などのBOD(生物化学的酸素要求量)やSS(浮遊物質量)、化学物質等の汚濁物質などをモニタリングして、環境基準を満たしているかや濃度変動の傾向等を調査しています。

環境アセスメント

県内では風力発電所などを新たに設置する事業計画が複数あり、事業者は「環境アセスメント」として、その事業が行われた際の大気、水質、動植物、景観など環境への影響の調査、予測、評価を行うこととなっています。県では、事業者から提出された書類の審査や現地確認を行うとともに、有識者から成る審査会の意見等を踏まえ、事業者等に対して環境保全の見地から知事意見を提出します。

その他(アスベスト対策、環境放射能測定など)

前述のほか、アスベストを使用する建築物の解体によるアスベスト飛散の防止対策が適切に行われているか現地確認や周辺環境調査を行ったり、空間放射線量率や農作物、食品等の放射性物質検査などを行っています。

廃棄物対策業務の実務

廃棄物対策業務は、廃棄物の適正処理の確保やその排出抑制・減量化・再生利用を推進し、県民の生活環境や自然環境の保全を図る仕事です。
廃棄物が適正に処理されているかを処理現場への立入検査や書類等の検査により確認したり、廃棄物の処理を行う際に必要となる許認可に関する事務を行っています。
また、廃棄物の不法投棄を防止するため、不法投棄が発生しやすい場所の巡視やヘリコプターによる空からの監視などを行っています。
さらに、循環型社会の形成に向け、廃棄物の3R(発生抑制、再使用、再生利用)を推進するため、県民を対象としたイベントの開催など、普及啓発にも取り組んでいます。

廃棄物処理に関する立入検査・指導

家庭で発生する廃棄物や事業活動に伴って発生する廃棄物の処理(収集・運搬、破砕や焼却等の中間処理、最終処分(埋立))は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)などにより、その基準が細かく規定されています。
県では、廃棄物の処理が廃棄物処理法などの基準に沿って適正に行われているか、関係する書類の検査を行い、検査で不備が認められた場合には、事業者等に対して、適正に処理を行うよう指導・助言します。

廃棄物処理業に係る許認可事務

廃棄物の処理施設を設置したり、事業活動に伴って発生する廃棄物(産業廃棄物)の処理を行う場合、廃棄物処理法に基づき、知事の許可が必要となります。
このため、事業者からの申請について、廃棄物処理法の基準に適合しているか厳正に審査し、適正と認められる場合には許可証を交付します。

廃棄物の減量化・リサイクルの推進

県では、廃棄物の減量化やリサイクルを推進するため、JR秋田駅周辺で毎年開催する「あきたエコフェス」などのイベントを通じ、県民、民間団体、NPO法人等との連携のもと、廃棄物の減量化やリサイクルの推進に関する情報発信を行っています。

不法投棄防止のための監視活動

依然として後を絶たない廃棄物の不法投棄を未然に防ぐため、不法投棄が多く発生している山林等の巡視や、警察や海上保安庁と合同でヘリコプターによる空からの監視などを行っています。

地球温暖化対策業務の実務

地球温暖化対策業務は、県民総参加の温暖化防止の取組を推進し、「豊かな水と緑あふれる秋田」を次世代へ継承していく仕事です。
二酸化炭素などの温室効果ガスの削減に向けた普及啓発や環境教育、事業所等における省エネルギー対策の推進などに取り組んでいます。
また、風力や地熱といった、本県の有する豊富な再生可能エネルギーの活用を推進し、温室効果ガスの排出削減を図るとともに、県内における関連産業の振興や雇用創出に向けた取組も行っています。

二酸化炭素等温室効果ガス削減に向けた普及啓発や環境教育

地球温暖化など環境問題の多くは、日々の生活や事業活動に起因するところが大きいため、その解決に向け、環境を大切にする意識の醸成や県民による実践活動の拡大などが不可欠です。
県では、二酸化炭素等温室効果ガスの削減に県民と一体となって取り組み、地球温暖化対策を進めていくため、地域における環境保全活動の実践者やリーダーとなる「あきたエコマイスター」を育成する「環境あきた県民塾」や、大人も子どもも一緒に楽しみながら「環境」について学習できる「あきたエコフェス」などを開催しています。

事業所等における省エネルギー対策の推進

県内事業者全体の温室効果ガスの排出抑制につなげるため、中小企業者に対して、機器の更新、運用改善等の費用のかからない取組みや、公的助成制度などのセミナーを開催しています。

風力発電や地熱発電などの再生可能エネルギーの導入促進

当県は、沿岸部を中心に風況に恵まれ、内陸部の一部には地熱資源の賦存量が多いなど、風力発電や地熱発電といった再生可能エネルギーに関して高いポテンシャルを有しています。
県では、こうした豊富な再生可能エネルギーを活用し、温室効果ガスの排出削減を図るとともに、県内における関連産業の振興と雇用創出に結び付けていくため、洋上風力発電等の導入促進、県内の発電事業者の育成や関連産業への参入促進など、全国に先駆けた取組を数多く行っています。

「第3次秋田県環境基本計画」について

「第3次秋田県環境基本計画」は、「豊かな水と緑あふれる秋田」を次世代へ継承していくため、持続可能な社会の実現に向け、県民、事業者、民間団体、行政などが一体となって計画的かつ総合的に取り組むべき施策の方向性を示したものであり、環境行政に携わる化学職の羅針盤のひとつとなっています。

将来の職業を考えている皆さんへのメッセージ

  • 化学職の魅力
    • これまで培ってきた科学的な知識や経験を活かして、県民が安心して暮らせる社会づくりに貢献できます!
    • 県内各地の四季折々の美しく豊かな自然に加え、人々の温かさや優しさに直接触れながら仕事ができます!
    • 最近話題の再生可能エネルギーの導入促進や地球温暖化対策など、県内にとどまらないグローバルな視点での業務も担えます!
  • 化学職のやりがい
    • 自らの業務が、美しい秋田の環境の保全に直結していることを実感できます!
    • 事業者からの相談や住民の方々からの要望などに専門的知見から応え、それらが解決した時には、県職員としての大きな喜びと達成感が得られます!

将来の職業についてお考えの皆さん、化学職の職員として私たちと一緒に働きませんか?
「豊かな水と緑あふれる秋田」を将来に継承するために共に汗を流してくれる仲間を心からお待ちしています! 

若手職員インタビュー

生活環境部 環境管理課 環境審査チーム 技師 髙橋 俊樹(2020年度採用)

髙橋 俊樹の写真

経歴(採用4年目)
2023年度~ 生活環境部 環境管理課 環境審査チーム
2020年度~ 北秋田地域振興局大館福祉環境部 環境指導課 環境・食品衛生班
ある日のスケジュール
08:20 出勤
08:30 連絡事項、予定の確認
08:35 打ち合わせ準備
10:30 チームでの打ち合わせ
11:30 保健所へ回答
12:00 昼休み
13:00 測定局の点検
16:00 事務作業
17:15 退庁

Q 現在どんな仕事を担当していますか?

環境影響評価(環境アセスメント)法に基づく図書(風力発電事業等の実施に伴う環境影響の調査、予測及び評価等が記載されている図書)の審査、ダイオキシン類対策特別措置法の廃棄物焼却炉の行政検査に係る契約事務等を担当しています。

Q 秋田県庁を選んだ理由は?

大学で学んだ化学の知識を活かした仕事のなかで、環境系の業務に興味があったからです。

Q 入庁前のイメージと違ったことは?

仕事のメインが事務仕事だと考えていましたが、配属先によっては、庁外業務が多い部署もあることです。

Q 休日や退庁後の過ごし方は?

温泉やサウナが好きなので、仕事終わりや休日によく出かけています。

県職員を目指している方へメッセージ

色々な地域・部署で様々な業務に関わることができて、やりがいのある仕事だと思います。同職することがあれば、一緒に頑張りましょう!

生活環境部 環境管理課 大気・水質班 技師 山田 果穂(2017年度採用)

山田 果穂の写真

経歴(採用6年目)
2020年度~ 生活環境部 環境管理課 大気・水質班
2017年度~ 北秋田地域振興局 大館福祉環境部 環境指導課 環境・食品衛生班
ある日のスケジュール
08:20 出勤(自家用車)
08:30 朝礼・朝コミ
08:40 メールチェック、各種照会の回答、電話対応
12:00 昼食
13:00 事務処理、問合せ対応(業務資料等の確認)
16:00  班内打合せ
17:00 打合せ内容のまとめ、翌日業務の確認
17:40 退庁
18:00 帰宅

Q 現在どんな仕事を担当していますか?

主に県内の水環境を守る仕事をしています。業務内容は、公共用水域・地下水における水質測定計画の策定や水質汚濁防止のための事業者への立入検査方針策定など、多岐にわたります。

Q 仕事でやりがいを感じることは?

調査方針や計画を作成する際、関係各所と連携を取りながら調整します。方針や計画が決定し、実際に運用する運びとなったときにやりがいを感じます。

Q 入庁前のイメージと違ったことは?

入庁前は、一人で黙々と仕事をすることが多いのかなと思っていました。しかし、実際働いてみると、先輩や上司の方、他課の担当者など、様々な方と一緒に仕事ができるので、楽しい職場だと思います。

Q 休日や退庁後の過ごし方は?

旅行が好きなので、時間とお金があれば友人や家族と旅行に行きます。他にも、舞台や映画を観ることが好きです。

県職員を目指している方へメッセージ

様々な地域、様々な人と仕事をする機会があるので、今まで気づかなかった、知らなかった秋田の魅力を見つけることができます。
みなさんと一緒に働ける日を楽しみにしています!