戸平川遺跡出土土面(とびらかわいせきしゅつどどめん) 平成24年3月23日指定

画像:戸平川遺跡出土土面(とびらかわいせきしゅつどどめん)
(秋田県立博物館蔵)

縄文時代晩期のものである。

写真左の土面は両目の横と鼻先を欠く。顔は、粘土を貼り付けた眉、鼻、頭髪と、沈線で描いた目、口で表現され、目は閉じているように見える。眉と鼻は一体で、鼻先が大きく作られる。

写真中央の土面は頭部と口の一部を欠く。顔は、粘土を貼り付けた目、眉、鼻、頭髪で表現される。鼻先が高く、目蓋や眉の刻みは、土器文様を取り入れている。

写真右の土面は目から鼻、口にかけて部分的に欠けている。顔は、粘土を貼り付けた目、眉、鼻、口、頭髪で表現される。眉と鼻は一体だったとみられる。眉の刻みは、土器文様を取り入れている。

戸平川遺跡(秋田市添川)は、晩期の墓域や墓域で利用したものなどを廃棄する捨て場がみつかった遺跡で、平成7~8年(1995~1996)に秋田県埋蔵文化財センターが調査した。本土面は、その際に捨て場から出土したものである。

参考文献

秋田県教育委員会『戸平川遺跡―東北横断自動車道秋田線建設事業に係る埋蔵文化財発掘調査報告書ⅩⅩⅣ―』秋田県文化財調査報告書第294集 平成12年(2000)3月