水質汚濁防止法に基づき実施した令和6年度の公共用水域の水質測定結果を取りまとめましたので、お知らせします。

1 測定の概要

 県内の河川、湖沼及び海域の公共用水域では、国土交通省、秋田市及び県が分担して水質測定を行っています(表1参照)。

表1 令和6年度公共用水域水質測定の概要
水域区分  測定水域数 測定地点数 測定項目数
河 川 99 115 8,268
湖 沼 18 39 4,557
海 域 13 21 2,672
合 計 130 175 15,497

 

2 測定結果の概要

(1)人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)

 全測定地点 175地点のうち、101 地点で調査を行いました。その結果、玉川ダムのダムサイトを除く100地点で環境基準を達成しました。
 玉川ダムのダムサイトでは、ふっ素が0.84mg/L(環境基準:0.8mg/L以下)と環境基準を超過していました。上流の大噴(玉川温泉)由来と考えられます。

(2)生活環境項目

 有機汚濁の代表的指標であるBOD又はCODについては、環境基準の達成率が94.1%(令和5年度:93.2%)でした(表2参照)。
 また、水生生物保全に係る環境基準項目(全亜鉛、ノニルフェノール、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩)については、測定した河川63水域、湖沼3水域全ての地点で環境基準を達成しました。

表2 令和6年度BOD又はCODの環境基準達成状況
水域区分 評価対象水域 達成水域 達成率(%)
河 川 93 93 100.0
湖 沼 12 41.7
海 域 13 13 100.0
合 計 118 111 94.1

 
 なお、河川、湖沼及び海域の達成状況は、次のとおりです。

① 河川
 BODについて、評価対象93水域の全てで環境基準を達成し、その達成率は100.0%(令和5年度:100.0%)でした。
② 湖沼
 CODについて、評価対象12水域のうち、5水域で環境基準を達成し、その達成率は41.7%(令和5年度:33.3%)でした。なお、三大湖沼(十和田湖、田沢湖及び八郎湖)については、十和田湖、八郎湖の2水域で環境基準を超過しました(表3参照)。

表3 三大湖沼におけるCOD
  類型 環境基準値 75%値 環境基準達成の判定
十和田湖
【湖心】
AA 1mg/L以下 1.4 ×
田沢湖
【湖心】
AA 1mg/L以下 <0.5
八郎湖
【湖心】
A 3mg/L以下 7.4 ×

 

③ 海域
 CODについて、評価対象13水域の全てで環境基準を達成し、その達成率は100.0%(令和5年度:100.0%)でした。

 

(3)PFOS及びPFOA

 県では、県内におけるPFOS及びPFOAの存在状況を確認するため、県管理の17河川で測定を実施しました。3地点で検出されたものの、暫定指針値を超過した地点はありませんでした(表4参照)。

 関連リンク:令和6年度 公共用水域に係る水質測定結果(PFOS及びPFOA)について

表4 PFOS及びPFOAの測定結果
水系 水域名 測定地点名 市町村 PFOS [ng/L] PFOA [ng/L] PFOS+PFOA [ng/L]※
米代川水系  長木川下流 餅田橋 大館市 <2.5 5.0 7.0
下内川下流 松木橋 大館市 4.6 9.1 13
雄物川水系 淀川 馬場橋 大仙市 <2.5 7.1 9.0

※測定値については、「環境基本法に基づく環境基準の水域類型の指定及び水質汚濁防止法に基づく常時監視等の処  理基準について」 (平成13年5月31日付環水企92号)に基づき、有効数字を2桁とし、3桁目を切り捨てています。このため、PFOSとPFOAの合計値は、PFOSとPFOAそれぞれの値の単純な和とは一致しません。なお、測定値「<2.5」は、報告下限値である2.5未満の値であったことを示します。

3 参考

1 環境基準について
 水質の環境基準は、環境基本法第16条に基づき、カドミウムや全シアン等、人の健康の保護に関する項目(健康項目)27項目と、有機汚濁の代表的指標である生物化学的酸素要求量(BOD)又は化学的酸素要求量(COD)等、生活環境の保全に関する項目(生活環境項目)13項目で定められている。

2 健康項目の達成状況の評価について
 健康項目は、全シアンは急性毒性を、それ以外は慢性毒性を考慮して環境基準が定められている。
これを踏まえ、全シアンは各測定地点における年間の全測定値の最高値が、それ以外は各測定地点における年間の全測定値の平均値が、それぞれ環境基準を満足する場合、その地点で環境基準を達成したと評価する。

3 生活環境項目の達成状況の評価について
 生活環境項目は、利用目的等に応じて類型指定をした水域にのみ、環境基準が適用される。
このうち、BOD又はCODは、類型指定をした各水域内の全ての環境基準点(各水域の水質を代表する地点)において、「75%水質値」※が当てはめられた類型の環境基準を満足する場合、その水域で環境基準を達成したと評価する。
※「75%水質値」:年間の日間平均値の全データをその値の小さいものから順に並べ0.75×n番目(nは日間平均値のデータ数)のデータ値
 また、水生生物保全に係る環境基準項目は、類型指定をした各水域内の全ての環境基準点において、年間平均値が当てはめられた類型の環境基準を満足する場合、その水域で環境基準を達成したと評価する。

 

本ページへ掲載されているデータはオープンデータです。オープンデータの利用規約は次のページから御覧ください。