外来生物とは、もともと日本にいなかった生き物が、人間活動によって外国から入ってきたものを言います。

 外来生物は、私たちの生活の中でも身近になっているものも多く、その数は2,000種を超えると言われています。その中には、農作物や家畜、ペットなどとして、私たちの日常生活において欠かせないものもたくさんあります。

 一方では、もともと日本にいる生き物を食べたり、人を噛んだり刺したり、あるいは農作物などを食べたりして、地域の自然環境や人の体や命、あるいは農林水産業などへ大きな悪影響を与えているものもいます。

 外来生物法では、これらの被害を及ぼすものを特定外来生物として指定し、飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡・輸入などを原則禁止し、外来生物による被害の防止を目指しています。

 外来生物被害予防の3原則

1 入れない

悪影響を及ぼすかも知れない外来生物をむやみに日本に入れない

2 捨てない

飼っている外来生物を野外に捨てない

3 拡げない

野外にすんでいる外来生物を他地域に拡げない

※特定外来生物等のリストの詳細については、環境省のホームページで確認できます。
哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、クモ・サソリ類、甲殻類、昆虫類、軟体動物等、植物の分類群ごとに一覧表になっています。 

 県内への侵入が危惧される特定外来生物

 ヒアリ

 平成29年6月、環境省は兵庫県尼崎市で、貨物船内のコンテナの内部から、国内初となる特定外来生物のヒアリが確認されたことを発表しました。令和2年4月30日現在、16都道府県で49事例が確認されています。秋田県内では、現在のところ確認されていませんが、県内の港湾から侵入する可能性もありますので、ヒアリに似たアリを発見した場合には、絶対に素手で触ることのないよう、ご注意ください。

〇特徴

<個体の特徴>
・ 赤っぽくツヤツヤしている。腹部の色は暗め。
・ 働きアリの大きさが2.5mmから6.0mmと連続的な変異がある。
・ 行列をつくり餌に集まる。
・ 顕微鏡で見ると、口元にでっぱりがあり、触角は10節で先端2節が大きく、腹柄(背中のコブ)が2つある。
 <巣の特徴>
・  直径25から60cm、高さ15から50cmのドーム状のアリ塚(巣)を土で作る。
・ 農耕地や公園など、開放的な草地・裸地に多く見られる。

〇毒性

・極めて攻撃的で、刺されると、やけどのような激しい痛みが生じる。
・毒性が強く、毒に対するアレルギー反応により、じんましん、激しい動機やめまいなどをおこすことがあり、進行すると意識を失うこともある(アナフィラキシー)。

 

環境省資料 ストップ・ザ・ヒアリ(ヒアリの特徴・生態・駆除方法等) [1371KB]

 

≪港湾・空港敷地内で作業する事業者の皆様へ≫

 コンテナ等の開封時にヒアリと疑わしいアリを発見した場合、まずは刺激を避けつつ、何匹程度の生存個体がいるかを確認してください。多数の生存個体の集団がいる(予想される)場合は、コンテナの扉を閉めて逃げ出さないようにして、速やかに敷地管理者に報告してください。少数しかおらず、逃げ出す恐れのない場合は、市販のスプレー式殺虫剤等でその場で駆除し、小瓶等に保管してください。ヒアリ同定マニュアル5ページのフローチャートを参考に、肉眼で確認できる範囲で結構ですので、ヒアリの特徴と一致するか確認してください。目視により判断できない場合は、環境省の「ヒアリ相談ダイヤル」をご利用いただくか、利用できない場合は速やかに敷地管理者へ報告してください。

≪県民の皆様へ≫

 ヒアリと疑わしいアリを発見した場合、初期対応として拡散を防止するために、一般的な衛生害虫(普通のアリ、ゴキブリ、ダニ等)と同様に考え、可能であれば発見者がスプレー式殺虫剤で速やかに駆除し、駆除後は死骸を小瓶等に入れて保管してください。駆除できない場合、アリや巣に刺激を与えると攻撃的になり、拡散する可能性もありますので、むやみに刺激しないようにし、速やかに市町村又は最寄りの警察署に連絡してください。小瓶等で保管したアリについては、環境省の「ヒアリ相談ダイアル」に問い合わせのうえ、ヒアリかどうかの確認を行ってください。ヒアリ相談ダイヤルを利用できない場合は秋田県自然保護課までご連絡ください。

≪環境省ヒアリ相談ダイヤル≫ 
・受付時間:午前9時から午後5時まで(12/29から1/3を除く)
・電話番号:0570-046-110

≪参考資料≫ 

・ヒアリ同定マニュアル(2020年3月 環境省野生生物課外来生物対策室) [1476KB]

・ヒアリの防除に関する基本的考え方(2020年3月 環境省野生生物課外来生物対策室) [1530KB]