~人と野生鳥獣との向き合い方を再構築する10年~

 秋田県内では、ツキノワグマによる人身被害や農作物被害の拡大が懸念される中で、これまでは緊急的な対応として、主に有害捕獲を行ってきました。

 一方で、ツキノワグマは保護獣であります。人間の安全安心を最優先としながらも、ツキノワグマが安定的に存続できる個体数も維持していかなければなりません。

 この二つの難しい課題に「秋田として」どのように向き合い、取り組んでいくのか、その取り組みのベースとなる「理念」と「方針」などを、このたび「秋田県野生鳥獣管理共生ビジョン」としてまとめました。

 

秋田が共生を目指すうえでの「基本理念」と「基本方針」

基本理念

地域社会が結束して、人とクマが棲み分けしながら共に歩む秋田を目指す
~里では里の、山では山のルール(※1)を守る関係~
  
※1 里のルール、山のルールとは、野生鳥獣の生息地では彼らを尊重し、人の生活圏では野生鳥獣の侵出を許さないルール

 

基本方針

  1. 人間の生活圏にクマを近づけない(誘引しない)
  2. 人間の生活圏で危害を及ぼすクマは管理する(※2)
  3. 奥山についてはマタギなどの狩猟文化があることを踏まえ、クマが人間の生活圏に侵出する抑止力として一定の狩猟行為を行う
  4. クマが山で暮らす生息地を維持・管理する

※2 管理の目的は人間の生活圏に踏み込んだ場合のリスクをクマに学習させるためのもの。クマが学習し侵出が減れば、結果としてクマの捕獲も減少し、命を落とすクマも少なくなる。

秋田県野生鳥獣管理共生ビジョン

・秋田県野生鳥獣管理共生ビジョン [3165KB]