今後の県政運営に県民の声を反映させることを目的とし、「知事と県民の意見交換会」を開催しました。
 秋田地域では、「秋田県のスマート農業をリードできる人材の育成について」をテーマに意見交換を行いました。

意見交換会の概要

テーマ:秋田県のスマート農業をリードできる人材の育成について
日時:令和7年7月12日(土) 13:00 ~ 15:00
会場:秋田県立大学アグリイノベーション教育研究センター研究・管理棟 教育研修室(南秋田郡大潟村字大潟6-5)
参加者:
畠山 周 さん(ファームビルド株式会社 代表取締役)
高橋 直子 さん(農事組合法人 中北手ファーム 従業員)
松田 久樹 さん(JA秋田なまはげ 担い手支援室 室長)
伊藤 亘 さん(JA全農あきた 営農支援課 課長)
上田 賢悦 さん(秋田県立大学 生物資源科学部 教授)
西村 洋 さん(秋田県立大学アグリイノベーション教育研究センター長)

鈴木 健太(秋田県知事)
小林 栄幸(秋田地域振興局長)

発言概要

参加者の発言

・中北手ファームはベテランの農家さんがおらず、新規就農者だけでなく、数時間~1日だけのアルバイトや副業の方もいる。そういった方も貴重な人材なので、知識や経験不足と情報共有という2つの課題を解決するために営農支援システムを導入した。スタッフ全員で記録を行い、進捗状況の可視化と情報の共有化を図っている。このシステム導入により、圃場位置の確認が非常に簡単になった。
・ベテランの農家は「勘」に頼った農業ができるが、法人などに担い手として新しく入ってきた人たちにとっては難しいことが多く、伝承する術がなくなってきている。そういった「勘」の部分を補って解決してくれる1つのツールがスマート農業である。
・スマート農業指導士育成プログラムは、財源の関係で、今年度で一区切りということになっている。その後の実装化をどうやっていくのかという議論を現在進めているところである。他県からも、秋田県の手法を活用したいという要望が出てきているので、県内はもちろん、県外との連携も考えらえる。
・スマート農機のアップデートのサイクルは早いため、それに追いつくようなスマート農業指導士のサポート体制の構築も検討していただきたい。
・農業者の高齢化により、5年後、10年後になると、スマート農業の議論がさらに進んでくるのは確実である。今までの農業のイメージとして、毎日朝から晩まで肉体労働のような、大変なイメージが払拭されない限り、後継者が参入してこないのではないかと感じている。そういったイメージを変えていくのはスマート農業だと思うので、協力してスマート農業を進めていきたい。
・スマート農業は、今までは感覚で支えてきたものを、データで支援することができ、様々な人たちがもっと農業に関われる機会を作っていくことができると思っている。また、農業の人材育成は「百年の計」と言われている。100年後の秋田が輝くためには、今からスマート農業を1つのツールとして、他産業や行政等と一体となった取組が必要である。

知事の発言

・皆様からの様々な活動報告を聞き、正直驚いているのと、この育成プログラムが非常に効果的で、その成果もめったにないぐらいの大きいものだと感じた。スマート農業は日進月歩の世界であり、今の農機の普及率を考えると、まだまだ道半ばである。始まって4期目ではあるが、徐々に陳腐化してくる知識・情報が出てくると思う。そういった視点は、県としても大事にしたい。
・県立大学のアグリイノベーション教育研究センターにおけるプログラムは、IT系の学科と生物資源の学科の2つを持ち、かつ広大なフィールドを持っているという強みを生かした、日本にとっても貴重な取組であるということを再認識した。これからの日本を誰が支えるか、という課題に対して、秋田がその先進地になり得る第一歩になる話だった。今までの、「農業は勘に頼る」ということではなく、よりフランクに、農業のハードルを低くして、農家だけでなく、みんなで食べ物を作っていくような明るい農業社会をイメージできた。

当日の様子

意見交換会の様子 意見交換会の様子 集合写真