令和7年度「知事と県民の意見交換会」(山本地域)
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今後の県政運営に県民の声を反映させることを目的とし、「知事と県民の意見交換会」を開催しました。
山本地域では、「地域資源を活用した農林漁業へのチャレンジ」をテーマに意見交換を行いました。
意見交換会の概要
テーマ:地域資源を活用した農林漁業へのチャレンジ
日時:令和7年7月5日(土) 10:00~12:00
会場:TENOHA能代 シェアオフィス(能代市常盤字堂回90)
参加者:
越前谷 淳 さん (合同会社やっほ~farm 代表社員)
千葉 北斗 さん(八水株式会社 取締役副社長/合同会社fishdoor 業務執行役員)
千葉 美保子 さん(合同会社fishdoor 従業員)
佐々木 松夫 さん(能代木材産業連合会 事務局長)
髙橋 洋介 さん(株式会社轟ネオファーム 代表取締役)
小平 努 さん(株式会社アルビオン 白神研究所 所長)
伊勢 隼人 さん(レンチナス奥羽伊勢株式会社 代表取締役)
発言概要
参加者の発言
・機械が老朽化しているが、肥料・農薬高騰により買い替えが進まず、高齢農家の離農につながっている現状がある。農業の人材不足と高齢化が深刻で、特に若者の就農者が少ないのが課題。能代市にAターンで帰郷した人や、他県から移住した人が白神ネギを始めた事例があるが、農業を始めるには経営が安定するまでの生活資金が必要であり、本人の財力だけでは難しいため、行政による支援をお願いしたい。
・秋田県の一次産業は高品質で可能性を秘めている一方で、こだわり抜いた農産物を真剣に売る努力や仕組み、ブランド化や価値創造が不足している。秋田の経営者が志を高く持ち、ビジネスモデルを突き詰めていくことが重要。
・白神山地そのものの魅力発信と宣伝が必要。白神山地のブランド力が向上すれば、白神ネギなどの地域特産品も目立っていく。秋田県は白神山地を全国に向けて発信していき、そのための資金は企業版ふるさと納税を活用すべきであり、行政は営業力を磨いて企業から資金を集めて欲しい。
・既存の木材産業は衰退傾向にあるが、業界大手企業の参入(企業誘致)による危機感や、若手事業者の活躍により木材産業連合会としても意識改革を進めていかなくてはならないと思っている。その中で、若手事業者が自ら販路開拓、商品開発、情報発信、ブランド化を真剣に考えるようになっているため、木材の産地としての能代の強みをもう一回出していきたいと考えている。
・輝きサーモンの養殖事業は現在1基の生簀を最大15基まで増やしていく計画。防波堤の延伸工事が完了しないと規模拡大ができないため、行政に早期完成を要望した。また、餌代の高騰により生存率が9割を切ると赤字になるため、延伸工事完成までの補助金・助成金を継続して欲しい。
・第三者による農業(果樹園)の事業承継が、秋田県内では珍しい事例であるため、情報収集の難しさや承継に至るまでの過程が大変だった。特に、明確な情報(稼げる規模、必要な金額など)の不足や、譲りたい人と譲り受けたい人の相性もあるため、第三者が事業承継しやすくなる行政の支援や、間に入ってくれる中間支援機関が必要。
知事の発言
・新規就農者が増えている一方で定着率が課題であり、現行の支援制度に加え、ターゲットとなる若者が本当に何を求めているのか、行動変容につながるようなPRの仕方を工夫し、改善していきたい。
・輝きサーモンについては、より戦える産業にしてもらえるように、順次、動向を見ながら支援していきたい。一方、売る側の努力として、ブランディング、値付け、販路拡大等が必要である。生産者だけの頑張りでなく、外部人材の活用もしてほしい。県では7月にマーケティング戦略室を設置した。県内企業にもマーケティングの理論と実践を使っていただけるように、拡大したいという思いがある。
・事業承継や起業の動きが、秋田に人が帰ってくる可能性につながる。一方で、親族外継承では、法律や会計の面以外にも、心理的な面での難しさのある中で、サポートが不足していたことは意外であり、これから頑張っていきたい。
当日の様子