明らかになったブナ結実の地域性
-白神山地で20年ぶりの結実を観測-

ブナは秋田県の自然植生を代表する樹木で、県内に広く自生しています。結実(豊作)に至るまでの周期が長く、不規則で、かつそれが広い地域で同調する特性が知られています。しかし、その実態やメカニズムは必ずしも明らかになっていません。

林業研究研修センターでは、2002(平成14)年から、県内5カ所(①八峰町八森、②森吉山麓高原、③仙北市駒ヶ岳、④東成瀬村桁倉、⑤由利本荘市鳥海)で、ブナの落下種子の観測を続けてきました。2019までの18年間の調査結果から、ブナの開花結実の年変動やパターン、地域性が明らかとなりました。

これにより、高い精度でブナ結実の豊凶予測が可能となります。秋田県は北海道と山形県の間に位置しており、積雪量などの気象環境が変化する移行域として、この現象が反映されていると考えられます。

なお、この基準による2020年の豊凶予測では、100%の確率で的中し、八森(白神山地)では記録上、20年ぶりとなる結実(並作)が観測されました。

詳しくは、添付資料をご覧ください。また、この研究成果は論文として東北森林科学会誌第25巻第2号pp29-36(2020.10)に掲載されています。「秋田県におけるブナの開花結実年変動と地域間同調性」和田覚・長岐昭彦・新田響平

    ブナ結実の地域性.pdf [1369KB]