令和2年第2回定例会 12月議会 知事説明要旨(令和2年11月26日)

2020年11月26日 | コンテンツ番号 54143

 今議会におきましては、補正予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
 はじめに、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。
 今月に入り、北海道や首都圏、関西圏をはじめ各地で新規感染者数が急増し、国内の1日当たりの感染者数が過去最多を更新する日が続いたことから、国では、Go To キャンペーン事業の運用見直しや多様化するクラスターの特徴に応じた対策の強化など、最大限の警戒感を持って感染拡大に対処するとしております。
 本県においては、先般、新型コロナウイルス感染症で入院されていた基礎疾患のある方が亡くなられたとの報告を受けたところであり、謹んで哀悼の意を表する次第であります。
 また、昨日秋田市内の飲食店におけるクラスターが確認され、現在、秋田市と連携して店舗利用者など濃厚接触者の把握を進めるとともに、民間検査機関を含めた迅速なPCR等検査や患者の入院調整などの対応に当たっております。
 県では、こうした状況とともに、第3波とも言われる全国的な感染拡大を踏まえ、引き続き、県民の生命と健康を守るため、感染防止対策に全力で取り組んでまいります。
 医療提供体制については、季節性インフルエンザとの同時流行に備え、今月16日から、地域の身近な医療機関に直接相談して診療や検査を受けていただく新たな体制に移行したところであり、発熱患者等が増加した場合にも県民に安心して医療機関を受診していただけるよう、医師会・病院関係者と協力して対応を図ってまいります。
 また、検査体制の拡充に向け、先月末までに県北・県央・県南地区への全自動PCR検査機器の配備を完了し、今後は、医療機関における検査機器の整備に対する支援を更に進めていくほか、簡易に判定できる抗原検査キットも活用しながら、高齢者施設等をはじめ、幅広く、かつ迅速に検査を実施し、感染拡大の防止に万全を期してまいります。
 これから大変寒い時期に入りますが、県民の皆様には、引き続きマスクの着用や手洗いはもとより、換気や加湿を励行するほか、宴会等における大声での会話やカラオケは避けるなど、感染防止策を徹底していただくとともに、特に、年末年始の帰省や旅行などに対しても最大限の注意を払っていただくようお願いいたします。
 次に、「新型コロナウイルス感染症に伴う誹謗中傷防止のための共同宣言」について申し上げます。
 県では、感染者やそのご家族、医療従事者等に対する不当な扱いや差別的な言動が確認されていることを踏まえ、先月28日に医師会をはじめ各種団体等と共に行った共同宣言を皮切りに、新聞やテレビ等を通じ、思いやりをもった冷静な行動を県民に広く呼びかけるとともに、各界各層による全県的な活動を展開しているところであります。
 また、感染拡大を契機として、産業構造の転換をはじめとした社会経済情勢などの急激な変化により、格差や差別の広がりにもつながっていくことが懸念されます。
 折しも、アメリカでは、大統領選挙で当選を確実にしているジョー・バイデン氏が、分断や格差を解消し、団結による社会を目指すことを掲げており、さらに、アジアにもルーツを持つカマラ・ハリス氏の女性初の副大統領就任が見込まれております。
 人口減少下にあっても、行き過ぎた格差のない、安心して暮らせる社会の実現は、県民が等しく求める願いであり、そのためには、一人ひとりの個性や能力が生かされ、誰もが誇りを持って様々な分野に参画することができるよう、障害や疾病の有無、性別、性的指向などを理由とする偏見や差別を根絶していくことが不可欠であります。
 あらゆる差別の解消を図り、多様な文化や様々な価値観などを受け入れ、手を携えながら互いに支え合う寛容性に満ち、誰もが包摂される社会の実現を目指していく必要があると考えております。
 次に、国政を巡る状況について申し上げます。
 先月26日、菅総理大臣は、臨時国会における所信表明演説において、2050年までに、我が国の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを表明し、カーボンリサイクルや洋上風力発電などカーボンニュートラルに向けた技術革新や投資を進め、温暖化対策をポストコロナの成長戦略とする方針を打ち出しております。
 日本の産業構造の変革をもたらすこのような戦略の方向性は、風力、地熱などCO2を出さないエネルギー源とCO2の吸収源である森林に恵まれている本県にとって、こうした強みを最大限に生かせる確かな道筋につながるものと期待しております。
 県では、新エネルギー関連産業を成長分野と捉え様々な取組に力を注いでいるところであり、秋田港及び能代港の港湾内における洋上風力発電については本年2月に事業着手されたほか、地熱発電については昨年5月に営業運転を開始した山葵沢地熱発電所に続き、湯沢市で複数の地熱発電所の建設が計画されるなど、高いポテンシャルを生かした事業が動き出しており、これらを追い風として、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取組を一層加速してまいります。また、森林は、地球温暖化防止への貢献のみならず、国土強靱化や水源のかん養など極めて重要な機能を持つことから、森林資源の保全に関する取組についても着実に進めてまいります。
 次に、経済情勢について申し上げます。
 我が国の経済は、7月から9月期の実質GDP速報値が年率換算で21.4パーセント増と大きな伸びとなり、社会経済活動の再開などにより4期ぶりにプラス成長に転じたものの、依然としてコロナ禍前の水準を下回っており、国内外の感染再拡大による影響などに十分な注意が必要な状況にあります。
 県内経済については、個人消費や製造業で全体として弱含みの動きとなっているほか、サービス業は厳しい状況が続いていることから、冬季における感染状況を注視しつつ、無利子・無保証料の制度融資等により年末の資金需要に対応していくとともに、事業の継続や雇用の維持、経済活動の回復に向けた取組を切れ目なく実施してまいります。
 こうした中、国においては、感染拡大を抑えながら雇用と事業を支えるとともに、経済の持ち直しの動きを確かなものとしていくため、新たな経済対策の策定に向けた検討が進められているところであり、県としても、国の動向を注視しながら、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向け、引き続き、必要な対策を機動的に講じてまいります。
 次に、「秋田への人の流れづくり」について申し上げます。
 本年10月1日における直近1年間の本県人口の社会減は、これまでの取組の成果に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い県外転出が大きく抑制されたことなどもあり、19年ぶりに3,000人を割り込む2,910人となり、前年より1,000人以上改善しております。
 人の流れづくりについては、感染拡大を契機とする若い世代を中心とした地方への関心の高まりやリモートワークなどの新しい働き方の普及といった社会情勢の変化を踏まえ、人材誘致という新たな視点による移住促進等の取組を進めることにしており、10月には私自らが日本経済新聞の全面広告を通じてリモートワークによる本県への移住を呼びかけるとともに、首都圏企業等約4,000社を対象とした意向調査を実施したところであります。
 意向調査では、500社を超える企業から回答があり、そのうちリモートワークについては63社が、ワーケーションについては85社が、本県での実施について可能性があるとしております。
 この結果を踏まえ、前向きな回答があった企業に対する個別相談を進めるとともに、菅総理をはじめ、各省庁への要望において、防災・減災対策や農業農村整備などとともに、こうした新たな視点による移住促進や関係人口の拡大に集中的に取り組むための財政支援措置を強く求めたところであり、市町村とも連携を図りながら受入環境の整備を進め、秋田への人の流れづくりに着実に結び付けるよう努めてまいります。
 次に、秋田米の新品種「サキホコレ」について申し上げます。
 9月には名称を6案まで絞り込んでおりましたが、最後まで悩みながらも、稲の小さな花が一面に咲き誇り、やがて県民歌の一節にある「黄金と実りて豊けき秋田」へとつながっていくイメージと重なり、明るい未来を感じさせること、そして、ふるさとに対する誇りや開発者の思い、生産者の心意気が凝縮され、プロモーションの展開にも期待が持てることから、この名称に決定し、今月17日に都内で全国の皆様にお披露目したところであります。
 今後は、全県各地でのPRイベントや、県内外の小売店・宿泊施設と連携した新品種のプレゼントキャンペーン等を実施するとともに、食味と品質をしっかりと確保できる生産体制を整備することにより、新品種の実力と名称が融合し、全国で長く親しまれるよう、令和4年のデビューに向けた準備を着実に進めてまいります。
 次に、米の作柄等について申し上げます。
 先月15日時点での本年産米の作柄については、1等米比率が良好で、作況指数が105の「やや良」となっております。
 一方で、全国の需要は、コロナ禍などにより業務用を中心に大きく減少しており、令和3年産は、大幅な減産が避けられないことから、市町村や農業団体と一体となって、事前契約の取組を一層強化し、需要を見極めた上での主食用米の生産を推進するとともに、飼料用米や大豆等への転換を進め、水田のフル活用を図ってまいります。
 次に、ブラウブリッツ秋田のJ3優勝とJ2昇格について申し上げます。
 ブラウブリッツ秋田は、今月18日に行われたガンバ大阪Uー23戦で勝利し、見事にJ3優勝を果たし、悲願のJ2昇格が決定しました。
 開幕からの連続無敗記録を塗り替え続け、一度も首位の座を譲ることのない、まさに完全優勝でありました。
 今シーズンは、「堅守速攻」の戦術のもと、チーム全員がひたむきに走り続けるプレーを徹底し、コロナ禍にあってスポーツに関する明るい話題が少ない中、ブラウブリッツ秋田の活躍は、県民に大きな勇気と感動を与えるものであり、秋田のみならず全国にその強さを印象づけたことと思います。
 また、このたびのJ2昇格は、「スポーツ立県あきた」を掲げる本県にとっても大変喜ばしいことであり、選手をはじめ、チーム関係者のたゆまぬご努力に敬意を表するとともに、来シーズンも新たなステージで大いに活躍されることを期待しております。
 次に、秋田市出身の今野勉さんの文化功労者顕彰について申し上げます。
 今野さんは、テレビ演出家としてこれまで数々の映像作品を通じて新しい表現を世に届けてこられ、2001年に本県で開催したワールドゲームズ秋田大会では、開会式の総合プロデューサーを務めていただいたところであり、観客や選手・役員、出演者が一体となって行われた式典は、秋田の魅力を国内外に広く発信するものとなりました。
 放送文化の分野で初めてとなるこのたびの文化功労者顕彰を県民と共にお祝いを申し上げますとともに、今後とも健康に留意され、ご活躍されることを願っております。
 次に、高速道路ネットワークの整備について申し上げます。
 このたび、日本海沿岸東北自動車道の一部として県が整備を進めてまいりました「鷹巣西道路」が、国で施工する「鷹巣大館道路への接続区間」とともに、12月13日に開通する見通しとなりました。
 これにより、大館能代空港へのアクセスの強化が図られるほか、物流の定時性や速達性が向上するなど、県北地域の産業振興や観光振興に大きく貢献するものと考えており、事業中区間の早期完成に向け、あらゆる機会を捉え、国に対し強く要望してまいります。
 次に、提出議案の主なものについて説明申し上げます。
 今回の補正予算案は、新型コロナウイルス感染症への対応のほか、「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく事業、公共事業の発注を前倒しするための債務負担行為等について計上しております。
 新型コロナウイルス感染症への対応については、季節性インフルエンザとの同時流行に備え、発熱患者等の診療などを行う診療・検査医療機関の体制整備を図るとともに、医療機関や介護・障害福祉サービス事業所などの職員等に対し慰労金を支給するための経費について、対象範囲の拡大等に伴い増額いたします。
 また、利用者が大きく減少している国内定期航空路線について、路線の維持と利便性の向上を図るための緊急支援を行ってまいります。
 第3期プランに基づく事業については、地域における医療提供体制の充実を図るため、へき地医療等に要する設備の整備に対し助成するとともに、地域医療介護総合確保基金を活用し、県内における循環器医療体制の機能分化・連携を促進してまいります。
 また、CSF、いわゆる豚熱の県内での発生を予防するため、ワクチン接種に必要な体制整備を行ってまいります。
 一般会計補正額は、19億4,534万円であり、補正後の総額は、6,801億5,837万円となります。
 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」は、人事委員会の勧告に鑑み、職員の期末手当の額の改定を行おうとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。