カスタマーハラスメント防止対策について
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1. カスタマーハラスメントとは
カスタマーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものをさします。
- 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行う
- 社会通念上許容される範囲を超えた言動により
- 労働者の就業環境を害すること
カスタマーハラスメントは、従業員に対して過度に精神的ストレスを感じさせるとともに、通常の業務に支障が出るケースも見られるなど、企業にとって多大な損失をもたらすことが想定されます。
2. カスタマーハラスメント防止対策の必要性について
令和7年6月に労働施策総合推進法が改正され、カスタマーハラスメントの防止措置が事業主の義務となります。(施行日は今後示される予定)
この改正を踏まえ、カスタマーハラスメント発生を防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務付け、国が指針を示すとともに、カスタマーハラスメントに起因する問題に関する国、事業主、労働者及び顧客等の責務が明確化されています。(具体的な指針の内容については今後示される予定)
3. カスタマーハラスメントに該当すると考えられる例
カスタマーハラスメントに該当するか否かについては、企業、業界において様々な判断基準がありますが、
一つの尺度としては、
- 顧客の要求内容に妥当性はあるか
- 要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲か
という観点で判断することが考えられます。
上記判断基準に照らし合わせると、以下のような事例がカスタマーハラスメントに該当することが考えられます。
ただし、個別の事案の状況等によって判断が異なることもあります。
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正当な理由なく、権威を振りかざし要求を通そうとする、お断りをしても執拗に特別扱いを要求する。または、文書等での謝罪や土下座を強要する。
- 長時間にわたり、顧客等が従業員を拘束する。居座りをする、長時間、電話を続ける。
- 理不尽な要望について、繰り返し電話で問い合わせをする、または面会を求めてくる。
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大きな怒鳴り声をあげる、侮辱的発言、人格の否定や名誉を棄損する発言をする。
- 殴る、蹴る、たたく、物を投げつける、わざとぶつかってくる等の行為を行う。
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脅迫的な発言をする、反社会的勢力との繋がりをほのめかす、異常に接近する等といった、従業員を怖がらせるような行為をとる。または、ブランドイメージを下げるような脅しをかける。
- クレームの詳細が分からない状態で、職場外である顧客等の自宅や特定の喫茶店などに呼びつける。
- インターネット上に名誉を毀損する、またはプライバシーを侵害する情報を掲載する。
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従業員の身体に触る、待ち伏せする、つきまとう等の性的な行動、食事やデートに執拗に誘う、性的な冗談といった性的な内容の発言を行う。
出典:厚生労働省 カスタマーハラスメント対策企業マニュアル
4. カスタマーハラスメントを防止するために
一般的に、カスタマーハラスメント対策の枠組み構築のためには以下のような取組が求められます。
- 事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
- 組織のトップが、カスタマーハラスメント対策への取組の基本方針・基本姿勢を明確に示す。
- カスタマーハラスメントから、組織として従業員を守るという基本方針・基本姿勢・従業員の対応の在り方を従業員に周知・啓発し、教育する。
2.従業員(被害者)のための相談対応体制の整備・周知
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カスタマーハラスメントを受けた従業員が相談できるよう相談対応者を決めておく、または相談窓口を設置し、従業員に広く周知する。
- 相談対応者が相談の内容や状況に応じ適切に対応できるようにする。
3.発生後の迅速かつ適切な対応・抑止のための措置
- カスタマーハラスメント行為への対応体制、方法等をあらかじめ決めておく。
- 顧客等からの迷惑行為、悪質なクレームへの社内における具体的な対応について、従業員を教育する。
5. 相談窓口
カスタマーハラスメントにお悩みの方は、下記の相談窓口へご相談ください。
- 秋田労働局雇用環境・均等室 総合労働相談コーナー
また、秋田県雇用労働政策課では、カスタマーハラスメントをはじめとする各種ハラスメントについて、相談窓口等の情報提供を行っています。受付時間は、月曜日から金曜日の午前8時30分~午後5時15分までとなっています。
6. 関連ページ
・カスタマーハラスメント対策の取組支援・企業事例(厚生労働省)
・顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)について(厚生労働省)