狂犬病について

2018年11月06日 | コンテンツ番号 62

 狂犬病は現在国内で発生していませんが、海外からの侵入が憂慮される動物由来感染症です。けっして過去の病気ではありません。

狂犬病について

感染する動物  

 狂犬病は狂犬病ウイルスに感染することで発症する病気で、すべてのほ乳類が感染します。ヒトもほ乳類ですから、感染した動物に咬まれるなどにより感染します。

感染すると・・・

 潜伏期間(感染してから発症するまで)はヒトでは1~3カ月間程度であり、この間にワクチン接種を行うことで発症を予防できます。 

 ヒトも動物もウイルスは咬まれた部位の筋肉内から神経、骨髄、やがては脳にまで達し、さまざまな神経障害がおこります。ウイルスは、脳だけでなく唾液や血液などに多く含まれるため、咬まれた傷口から唾液が入ることで感染します。

 ヒトでは、発熱、頭痛などの風邪のような症状から始まって、興奮、不安狂騒、錯乱、幻覚、恐水発作等の神経症状を呈し、最後には昏睡状態ののち呼吸が停止して死に至ります。一旦発症すれば現在も治療方法はなく、ほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。

 動物では、挙動不審、倦怠、掻痒などから興奮、麻痺による吠え声の変化、嚥下困難、歩行不能、流涎等が見られ、その後昏睡状態となり死に至ります。

Topics

 平成18年(2006)11月に、ヒトの輸入狂犬病が京都と横浜で続けて2例発生しました。この2つの症例は、いずれもフィリピン滞在中に狂犬病に感染している飼い犬に咬まれたことが原因でした。昭和45(1970)にネパールで犬に咬まれた青年が帰国後に狂犬病を発症して死亡して以来、実に36年ぶりの症例でした。

日本は狂犬病清浄国ですが・・・ 

 戦後の日本では日本各地で流行が認められ、昭和25年には900件弱の発生が確認されていました。そのため、昭和25年に日本国内での狂犬病撲滅をめざして、「狂犬病予防法」が制定されました。法律の制定と国民の努力によって、昭和32年を最後に現在まで動物の国内発生はありません。

では、なぜ犬の予防注射が必要なのでしょう??

 世界の国々の多くで狂犬病が発生しており、現在でも年間約55,000人が狂犬病により死亡しています。このうちの約30,000人がアジア地域で、犬に咬まれたことにより発症、死亡しています。

※詳細は下記「狂犬病発症状況」をご覧ください。

 日本は、世界でも数少ない清浄国ですが、物流が発達した今日では、いつ日本に感染した動物が入っても不思議ではありません。平成25年(2013年)には同じく長い間清浄国であったお隣台湾で、野生動物の狂犬病が確認されました。

 狂犬病の世界的な分布と動物を取り巻く環境の変化を考えると、狂犬病はまだまだ忘れることのできない医・獣医領域で重要な動物由来感染症なのです。

日本で流行させないために 

  このような状況の中、狂犬病が侵入したときにまん延を防ぐ対策を講じておく必要があります。狂犬病は、発症すると治らない病気ですが、愛犬のワクチン接種によって防ぐことができる病気です。

 愛犬と家族を守るため狂犬病予防注射をおこないましょう。

※注射を受ける方法としては、市町村が実施する集合注射と動物病院で受ける個別注射があります。詳しくはお住まいの市町村や動物病院にお問い合わせ下さい。

愛犬と家族のために、年1回の狂犬病予防注射を実施しましょう。

犬の登録について

 登録は犬の戸籍です。万が一狂犬病が発生したとき、どの家庭にどのような犬がいるかを把握しておくことは、感染の広がりを防ぐための対策を実施する場合にとても大切な情報となります。

 登録をしなかったり、予防注射を受けさせなかった飼い主は、20万以下の罰金に処せられる場合があります。

登録の手続き 

 犬の所有者は、犬を取得した日から30日以内にお住まいの市町村に登録の申請をしなければなりません(狂犬病予防法第4条第1項)。

引越しや飼い主の変更、犬が死亡した場合 

 引越しで犬の住所が変わった、飼い主が変わったなど登録内容に変更があった場合や、犬が死亡した場合は、管轄する市町村で手続きをお願いします。