木橋とは?

 文字通り「木の橋」ですが、戦前まではそれこそ木の橋が主流でした。戦後になってコンクリート製や鋼製の橋が主流となりました。これは木橋が、コンクリートや鋼と違い、「永久構造物」となり得ない、という考え方からです。しかし近年は、構造用集成材などの木材を構造用材料とする技術が研究されてきており、また自然の素材を用いるというところから環境に優しい、最も環境負荷の少ない形式として木製構造物自体が注目され、木橋についても再び架設されるようになってきております。最新の技術を用いて架けられた最近の木橋は、昔からの木の橋と区別して、「近代木橋」と呼ばれています。




林道に木の橋を架けることについて

 林道は森林を整備するための基盤となる、無くてはならないものですが、最近は林業の不振や木材価格の低迷などにより林道の整備や森林の整備がままなりません。また戦後にスギなどを植えた人工林では間伐を早急に行わなければならない山が県内にたくさんあります。
 このようなことから、森林の整備の推進とともに、整備して山から出た木材の利用の促進を図る必要があります。県ではさまざまな施策を展開しておりますが、森林整備事業においては木製構造物を積極的に活用し、新しい利用方法の確立やより一層の木材利用を行うことも重要な施策です。
 こうした施策のひとつとして、新しい技術を用いた木橋の架設が行われております。
 木橋には架設コストの問題(従来の鋼橋やPC橋と比べて工事費が割高となる)、架設後のメンテナンスの方法や費用の問題(材料が木なので、防腐や防火処理などを定期的に行わなければならない)など、検討課題があります。
 現状ではまだ、特にコストの点から、木橋が架設できる事業や箇所が限られております。木橋の持つ木のぬくもりや優しさなど人々に与える効果や、周辺環境に与える効果、木材利用のPRへの効果などを事業効果として事業目的に計上すること、また、橋梁工法の標準化やメンテナンスのマニュアル化を図り、容易に導入しやすいものとしていくことが重要です。