このたび提案いたしました議案の説明に先立ち、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
 今月19日、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において、国内の感染状況は引き続き持ちこたえているものの一部の地域で感染拡大が見られる、との分析を踏まえ、現時点では、社会・経済機能への影響を最小限としながら感染拡大防止の効果を最大限にするという、これまでの方針を継続していく必要があるとの認識が示されました。
 その上で、集団感染に共通するとされる「換気の悪い密閉空間」、「多数が集まる密集場所」、「間近で会話や発声をする密接場面」という3つの条件が同時に重なる場における活動の自粛や、地域ごとの感染状況に応じた対応の基本的な考え方などが提言され、翌日には、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において、重症者への医療に重点を置く医療体制の整備や新学期を迎える学校の再開などへの対応が示されました。
 本県では、今月6日に、県外における感染とみなされる2名が確認されてから、これまでのところ、新たな感染者は確認されておりませんが、こうした国の方針に沿って、県内の感染症の専門家等による協議会において、患者の重症度に応じた医療機関の役割分担などを調整し、医療体制の構築を早急に進めていくことにしております。
 また、休業中の県内の学校については、専門家会議の基本的な考え方や今後の感染の動向に留意しつつ、昨日示された文部科学省の方針も踏まえながら、基本的に新年度からの再開を前提として準備を進めてまいりたいと考えております。
 なお、例年3月末から4月上旬にかけては、県外との往来が多くなり感染リスクの高まりが懸念されることから、県内大学や企業等に対して、入進学や転勤などにより来県される方々への十分な注意喚起を働きかけているところであります。
 県民の皆様には、引き続き、感染拡大防止に向けて、集団感染に共通するとされる3つの条件が同時に重なる場を極力避けていただくなどのご協力をお願いしなければなりませんが、県としても、活動の自粛によって大きな影響を受けている飲食店や観光事業者、農業者等へ対応するため、今後の感染拡大の状況や国の緊急経済対策の動向等を注視しつつ、本県独自の緊急対策を適切なタイミングで実施できるよう検討・準備してまいります。
 次に、提出議案について説明申し上げます。
 このたび提出いたしました令和元年度補正予算案及び令和2年度補正予算案は、国による新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策等に基づき、当面必要となる緊急的な対応について計上しております。
 令和元年度補正予算案については、医療機関に対するマスクの優先配布や、福祉施設等におけるマスクや消毒液などの衛生用品の購入費用に対する助成を行うほか、健康環境センターにPCR検査機器を追加導入し、検査体制を強化いたします。
 また、生活福祉資金貸付制度に、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した世帯向けの特例が設けられたことに伴い、秋田県社会福祉協議会に対し、貸付の実行に必要な資金を助成いたします。
 令和元年度一般会計補正額は、6億7,838万円であり、補正後の総額は、5,944億3,511万円となります。
 令和2年度補正予算案については、国からの斡旋等により、医療機関や福祉施設等にマスクや消毒液を供給するほか、感染の拡大に備えて、あらかじめ入院用の病床を確保する場合の医療機関に対する助成などについて計上しております。
 令和2年度一般会計補正額は、2億8,300万円であり、補正後の総額は、5,800億6,850万円となります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。