持続可能な生活排水処理事業運営に向けて、県と市町村の協働による広域化・共同化の取組の一層の展開を図るため、平成22年度に設置された「秋田県生活排水処理事業連絡協議会」を法定協議会へ移行しました。

本県の状況

 本県では、人口減少と高齢化が全国で最も高い水準で進行していますが、これに伴う地域コミュニティ機能の低下により、将来の存続が危ぶまれる地域が増加することが懸念され、新たなコミュニティの構築や住民サービスのあり方が喫緊の課題となっています。

 県では、人口減少等に起因する様々な課題の解決を図るため、平成21年10月に県と市町村が協働で取り組むべき事項を協議する「秋田県・市町村協働政策会議」を設置し、下水道事業をはじめとする生活排水処理事業では、平成22年4月に「秋田県生活排水処理事業連絡協議会」を立ち上げ、県と市町村が連携する具体的な取組を進めて参りました。

生活排水処理事業を取り巻く環境

 生活排水処理事業を取り巻く環境は、耐用年数を超過する施設の更新需要の増大や、人口減少に伴う使用料収入の減少等による事業経営の悪化、事業を担う職員の減少等、益々厳しくなることが予想され、今後、どのように住民サービスを持続的に提供していくのかが課題となっております。

 県と市町村との連携による処理施設の統廃合、維持管理業務の共同化等による広域化・共同化の推進は、有効な対応策のひとつであり、平成30年3月に策定しました「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」では、行政サービスの水準を維持するために、県と市町村が適切な役割分担のもと、更に連携を深めながら、様々な施策を協働により展開していくことが重要であると唱え、新たな協働策の提案により施策の充実を図ることとしております。

 また、国においても、下水道事業の広域化・共同化を推進しており、平成27年5月の下水道法改正では、複数の下水道管理者による広域的な連携に向けた協議の場としての協議会制度を創設し、さらに平成30年1月には、汚水処理関連4省より「広域化・共同化計画」の策定を都道府県に求め、計画による事業運営の効率化と適切な管理の実施を求めております。

法定協議会へ移行

 これまでも、「秋田県生活排水処理事業連絡協議会」において、生活排水処理事業の広域化・共同化の取組を進めて参りましたが、本協議会の法的な位置付けを明確にすると共に、持続可能な生活排水処理事業運営に資する取組の一層の推進を図るため、下水道法第31条の4で規定する法定協議会へ移行することとします。