第2回定例会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 議員の皆様におかれましては、このたびの選挙において、県民の大きな期待を担い、ご当選の栄誉を得られましたことに対し、心からお祝い申し上げます。
 極度にグローバル化した経済のひずみの影響や、DX、カーボンニュートラルへの取組の進展などにより、社会構造が大きく転換する大変革の時代において、気候変動等の課題解決に向けた国際協調による取組が拡大している一方で、パワーバランスの変化と地政学的競争の激化に伴う、力による国際秩序への挑戦が試みられるなど、我が国を取り巻く環境は複雑さと厳しさを増しており、経済的な側面を含めた安全保障を確保していくことが重要な課題となっております。
 本県は、全国に先駆けて事業化された洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの供給源であるほか、食料供給力、二酸化炭素吸収機能等、我が国が存続していく上で不可欠な要素を兼ね備えていることから、これらの優位性を生かした産業振興に取り組むなど、日本の持続的発展に貢献しながら自立する地域づくりを進めてまいります。
 また、こうした取組と相まって、若年女性の定着・回帰や賃金水準の向上に取り組み、多くの人を惹きつける秋田を実現していくことで最重要課題である人口減少問題の克服に結びつけてまいりたいと考えておりますので、議員の皆様におかれましては、積極的なご意見やご提言をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 次に、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
 今月8日から感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ五類感染症に変更されたことに伴い、感染者の全数届出や入院勧告、就業制限等の対応は終了しておりますが、24時間対応の相談窓口の運営を継続するとともに、関係機関と協力し、より幅広い医療機関による外来・入院患者の受入体制の構築を図るなど、県民の不安解消に努めながら、社会経済活動の正常化を進めてまいります。
 次に、物価高騰対策について申し上げます。
 エネルギー・食料品価格等の物価高騰が長期化し、地域住民の生活や地域経済への影響が続いている中で、国では2兆円規模の物価高騰等への追加対策を3月28日に閣議決定したところであり、本県においても早期の対応が必要な事業について今議会に補正予算を提案するとともに、増額配分される地方創生臨時交付金を活用した取組等については六月議会に予算を追加提案し、物価高騰の影響を受けている世帯や事業者に対する支援に取り組んでまいります。
 一方で、際限のない財政出動は将来世代への負担の先送りにつながる懸念があることから、物価高騰を本質的に乗り越えるためには、我が国全体の産業構造を時代に即したものに転換させる必要があり、本県としても、M&Aによる企業規模の拡大やDX、設備導入による生産性の向上等を支援することで、経営基盤の強い企業を増やすなど、力強い県内経済を構築し、賃金水準の向上を図ってまいります。
 次に、台湾への訪問について申し上げます。
 3月13日から16日にかけて、経済、観光団体等と共に、現地の航空会社や農産物卸売業者、外食チェーン事業者等へのトップセールスを行ってまいりました。
 秋田牛やリンゴ、ネギなどに対して高い評価があり十分な手応えを得られたとともに、秋田空港への直行チャーター便の運航について前向きな回答をいただき、夏頃の運航実現を目指して、関係機関との調整を進めているところであります。
 今後、観光と食を組み合わせた現地での情報発信を強化するなど、台湾からの誘客と県産農畜産物の輸出の拡大を図ってまいります。
 次に、大館能代空港の羽田線3往復運航の期間延長について申し上げます。
 今年10月までを期限に配分されていた羽田発着枠につきまして、配分期間を令和7年3月まで延長することが決定されました。
 このたびの延長決定は、隣県とも連携した利用促進策や観光需要の喚起に向けた体制強化などが評価されたものと受け止めており、今後も3往復運航を定着させるための取組を強化してまいります。
 また、昨年の大雨被害により区間運休が続いていたJR花輪線の鹿角花輪・大館駅間についても、JR東日本のご尽力により復旧工事が完了し、昨日の始発便から運転が再開されているところであり、こうした交通ネットワークも活用しながら、世界遺産である縄文遺跡群や登録30周年を迎える白神山地等をはじめとする地域資源を生かした交流人口の拡大を図ってまいります。
 次に、クルーズ船の受入れについて申し上げます。
  昨年からの内航クルーズに続き、3月から国際クルーズの受入れを再開しており、年内のクルーズ船の寄港数は過去最多の30回、乗客定員は約6万人となることが見込まれております。
 インバウンドの本格的な回復が期待される中、環日本海におけるクルーズ観光の一大拠点形成に向け、引き続き、関係機関と連携して安全・安心な受入体制の構築を図るとともに、県内港湾の機能性と魅力の向上に努め、にぎわいの創出や地域の活性化につなげてまいります。
 次に、提出議案についてご説明申し上げます。
 今回の補正予算案は、国の物価高騰対策に対応し、町村分に係る低所得のひとり親世帯の支援に要する経費を計上しております。
 一般会計補正額は、5,684万円であり、補正後の総額は、
5,825億9,984万円となります。
 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「秋田県監査委員の選任について」は、議員の中から選出された委員の任期満了に伴う後任の選任について、議会の同意をお願いしようとするものであります。
 「秋田県公安委員会関係手数料徴収条例の一部を改正する条例案」は、道路交通法の一部を改正する法律の施行に伴い、特定小型原動機付自転車運転者講習を受けようとする者から手数料を徴収しようとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。