一般社団法人 日本森林学会が実施している「林業遺産選定事業」において、県民の森に設置されている石碑が、2020年度の「林業遺産」として令和3年5月24日に認定されました。

 この石碑は、昭和53年度に開催された全国育樹祭の記念碑として設置されたもので、「林業遺産」として評価された、秋田藩家老 渋江政光の遺訓が刻まれています。

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      「県民の森」の石碑(第2回全国育樹祭記念碑・昭和53年10月7日設置)

〇「林業遺産」認定の概要


 秋田藩初代藩主・佐竹義宣に仕えた家老で、藩の林業政策の基礎を築いた渋江政光(1574~1614年)に関する資料4点が、2020年度「林業遺産」に認定されました。

 循環利用が可能な資源としての森林の重要性を訴える先駆的な思想と、その思想が約400年もの間、引き継がれている点が評価されており、本県からの認定は今回が初となります。

 認定されたのは、渋江政光の遺訓が書かれた古文書2点と、関連する石碑2点の計4点となっており、この石碑のうち1点が、仙北市田沢湖(田沢湖畔)に設置している県の森林公園「県民の森」にある石碑(第2回全国育樹祭記念碑)となっています。

〇「林業遺産選定事業」について

                                          
 「林業遺産選定事業」は、一般社団法人 日本森林学会の設立100周年を契機として、国内における林業発展の歴史を将来にわたって記録していこうと、2013年度に開始されています。

 各年度ごとに、林業発展の歴史に関連する古文書や道具、施設などを対象に選定されるもので、認定は、学会員により推薦された候補を林業遺産選定委員会で審議した上、理事会で承認を得ることにより決定されます。

 2020年度は、本県分を含め4件が認定されています。

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           (画像提供:一般社団法人 日本森林学会HPより)

 

〇関連リンク


 一般社団法人 日本森林学会HP (林業遺産について)
   → https://www.forestry.jp/activity/forestrylegacy/

  2020年度林業遺産(No.43)秋田藩家老渋江政光の林業思想に関する古文書及び石碑
   →   https://www.forestry.jp/activity/forestrylegacy/catalog/2020no43.html

秋田県で初めての開催であり、「明治百年」の記念の年でもあったため、これらを記念して「県民の森」として整備をすすめ、植樹祭会場一帯と、隣接する国有林、県有林と合わせ、約150haの広大な森林公園を設置しました。
 また、「県民の森」では昭和53年に全国育樹祭、平成19年には秋田県植樹祭が開催されました。

 県民の森には、「都道府県の木」、「世界の木」、「市町村の木」、「野草園」などのエリアが設置されており、様々な樹木や植物を観察することができます。
 広大なエリアには散策路が整備され、どなたでも気軽に森林浴を楽しむことができます。
 四季折々、美しい自然のうつろいが瑠璃色の田沢湖の眺望とあいまって訪れる人を魅了します。