先天性代謝異常等検査とは
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代謝に必要な酵素や、体の発育やはたらきを調節するホルモンが生まれつき欠乏したり、つくる力が弱いために起こり、治療が遅れることにより知能障害や発達障害等を起こす先天性代謝異常症、先天性甲状腺機能低下症および先天性副腎過形成症を発見するための検査です。これらの病気は、早く発見して治療を始めれば障害の予防または軽減を期待することができます。
対象疾患
秋田県では、平成25年8月1日以降に生まれたお子様から、新たな検査方法(タンデムマス法)を導入して、これまで発見することができなかった19疾患を加えた全25疾患について検査することができるようになりました。
平成25年8月からの検査対象疾患は下記のとおりです。
病状 | 疾患名 | 詳細 |
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アミノ酸代謝異常 |
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アミノ酸の代謝でアンモニアを処理する過程に障害の ある病気です。けいれんや嘔吐、脳障害などの症状を 起こします。お薬と食事療法で治療します。 |
有機酸代謝異常 |
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アミノ酸の代謝過程の障害で、体内に有機酸がたまる 病気です。けいれんや嘔吐などの症状を起こしたり、 突然死の原因となることもあります。お薬と食事療法 で治療します。 |
脂肪酸代謝異常 |
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エネルギーを作る過程に障害のある病気です。筋肉の 動きが弱まったり、血糖値の低下による突然死の原因 になったりします。薬とエネルギー摂取に関する生活 指導等により治療します。 |
内分泌代謝異常 |
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副腎皮質ホルモンが不足する疾患です。脱水症状や発 育不良を引き起こすことがあります。ホルモンの補充に より治療します。 |
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甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが不足する疾患 です。心身の成長や知能の発達に障害がでることがあ ります。 ホルモンの補充により治療します。 | |
糖質代謝異常 |
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母乳やミルクに含まれる糖をうまく処理できないために、 精神運動発達の遅れや白内障等の症状、肝臓の働き が低下したりします。特殊なミルクを与えるなどの処置 で、障害の発生を予防します。 |
※検査についてご理解いただきたいこと
- この検査では、まれに疾患を発見出来ない場合や、お子さんが生まれてすぐに発症した際には検査が間に合わない場合があります。
- 治療を必要としない軽症の病気が発見される可能性があります。
- 特に軽症の場合、新生児期の血液では発見出来ないことがあります。
検査の方法
生後4~6日(出生日を0とする)に、赤ちゃんのかかとからほんの少し血液を採取します。
検査の申し込み方法
医療機関で配布される申込書に必要事項を記入し、担当する医師へお渡しください。
検査結果
再検査や精密検査が必要な場合は、検査後1~2週間程度で産科医療機関から連絡します。
正常な場合は、産科医療機関で1ヶ月健診の際にお知らせします。
検査の費用
検査料は県が負担します。ただし採血料・検体送料は自己負担となります。(里帰りの方も検査を受けることができます。)
追跡調査の実施について
秋田県では、先天性代謝異常等検査の有効性を評価するために、患者が確実に発見されて適切に治療されているかどうかを調べる追跡調査を行っております。追跡調査では、患者の情報を収集することにより、検査で発見した患者の治療成績を把握します。
個人情報の保護について
先天性代謝異常等検査の実施や追跡調査などで得られる個人情報は「秋田県個人情報保護条例」に従って厳重に管理しています。