世界遺産白神山地憲章
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世界遺産白神山地憲章
文明の発達とともに地球上の自然が次第に失われて来ましたが、幸いにも日本にはまだ豊かな天然林が残っていました。
青森・秋田両県の擁する白神山地の広大なブナ天然林とその生態系が世界的に貴重な価値を認められ、1993年12月にユネスコが日本で最初の世界自然遺産として登録しました。日本のみならず全世界が白神山地を永久に保護することを宣言したのです。
ブナ天然林での降雨が枝葉や根幹を伝わって大地に吸収され、多種多様の動植物を育(はぐく)みながら谷川に滲(しん)出し大海に達し、豊かな恵みを与えます。海水は水蒸気や雲となって再び山地に還(かえ)り、大いなる生命の循環が行われています。
白神山地は地球上の至宝であり、これを保護して次の世代に伝えるのが人類の責務です。21世紀を迎えた今、青森・秋田両県の私たちは心を一つにして、この世界遺産を守るための理念を憲章として掲げます。
白神山地を中心にした自然界には、森・川・海で多様な生命の環(わ)が拡(ひろ)がっています。ここから発信される自然の不思議さに耳を傾けましょう。
白神山地を見つめ、ブナ天然林の静けさに浸り、私たちの新しい体験を充(み)たす感動を味わい、自分自身を深く考えるチャンスにしましょう。
白神山地は天然の博物館です。尊い遺産が伝えられたことに感謝し、一人ひとりがルールを守り、ブナ天然林の美しさを残すため、ベストを尽くしましょう。
平成13年10月7日
青森県・秋田県