世界遺産

 世界遺産とは、1972年11月ユネスコ(UNESCO=国際連合教育科学文化機構)総会において採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づく世界遺産一覧表に登録されたものをいいます。
 この条約は、世界的にも際だって優れた価値を有する自然や文化的遺産を人類全体のための貴重な遺産として、将来にわたって保護・保存し、次代に伝えることを趣旨としています。 2023年1月時点世界において194か国がこの条約を締結しており、1,157件が登録されています。

世界遺産
自然遺産 218
文化遺産 900
複合遺産 39
合計 1,157

白神山地

 白神山地は、秋田県北西部、青森県南西部の県境にまたがる広大な山岳地帯の総称です。ここには、東アジア最大級の原生的なブナの自然林が残されており、多種多様な植物群落が見られ、ブナ林を基盤とする豊かな動植物群が生息するなど多様な生態系が形成されており、1993年(平成5年)12月11日に世界遺産に登録されました。

登録の経緯

  • 平成2年3月 白神山地森林生態系保護地域に指定
  • 平成4年7月 白神山地自然環境保全地域に指定
  • 平成5年12月 世界遺産に登録

遺産地域の面積(ha)

  • 全体面積 16,971
  • 秋田県 4,344
  • 青森県 12,627
  • 核心地域 10,139
  • 秋田県 2,466
  • 青森県 7,673
  • 緩衝地域 6,832
  • 秋田県 1,878
  • 青森県 4,954

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白神山地のいきもの

動物

 (哺乳類)では、現在35種が確認されています。なかでも、下北半島に次ぐ北限地帯に生息しているニホンザル、国の天然記念物であるヤマネやニホンカモシカ、良好な広葉樹林に生息するツキノワグマ等が注目されています。
 なお、コウモリ類では、レッドデータブックで希少種とされているカグヤコウモリも確認されています。

鳥類

 (鳥類)では、現在94種が確認されています。
  なかでも、希少野生動植物種であり天然記念物でもあるイヌワシ、クマゲラを始め、クマタカ、ハイタカ、オオタカ等の猛禽類、山地渓流で繁殖しているシノリガモ等が注目されています。

両性・は虫類

 (両性・は虫類)では、両生類13種、は虫類7種が確認されています。
 両生類では、ハコネサンショウウオ、タゴガエル、モリアオガエル、トウホクサンショウウオ、クロサンショウウオ等です。

昆虫類

 (昆虫類)では、現在2,000種以上が確認されています。
 ブナ林に特有な種として、ヒメギンガ、フジミドリシジミ、また、オオゴマシジミの多産地となっており、他にトワダカワゲラ類、ガロアムシ、ムカシトンボ等の貴重な種が確認されています。

植物

 (植物)では、ツガルミセバヤ、サンリンソウ、エゾワサビ、イブキジャコウソウ、イワツツジ、シコタンソウ、シラガミクワガタ、アオモリマンテマ等が分布しています。
 このような貴重な植物の他に、「日本海要素」と呼ばれる、ハイイヌガヤ、ヒメアオキ等の常緑低木やアキタブキのような大型化した植物が数多く分布しています。