平成31年第1回定例会 2月議会 知事説明要旨(平成31年2月5日)

2019年02月05日 | コンテンツ番号 39854

 今議会におきましては、当初予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明に先立ち、天皇陛下のご退位について申し上げます。
 今年4月30日、天皇陛下がご退位されます。
 天皇陛下におかれましては、ご即位後、30年の長きにわたり、日本国及び日本国民統合の象徴として、皇后陛下とご一緒に全国各地の行事に臨まれ、また、大規模な自然災害が発生するたびに被災地をご訪問になるなど、常に国民の幸せを第一に考えられ、国民に寄り添われてこられました。
 両陛下には、平成九年の地方事情ご視察、平成19年の第62回国民体育大会「秋田わか杉国体」、平成20年の第59回全国植樹祭にご来県いただき、福祉施設のご慰問先や県内各地のご視察先で多くの心温まる励ましのお言葉を賜るとともに、本県に台風や大雪の被害があった際は、お見舞いをご下賜くださるなど、両陛下のご活動に対し、県民は深い感動を覚え、敬愛の念を抱いております。
 天皇陛下のご退位と皇太子殿下のご即位が国民の皆様の祝福の中で、つつがなく行われることを心からお祈り申し上げます。
 次に、所信の一端を申し述べます。
 我が国の経済は、昨年夏に相次いだ自然災害により、個人消費や輸出を中心に一時的な押し下げはあったものの、設備投資が増加するとともに個人消費の持ち直しが続くなど、緩やかな回復が続いており、平成24年12月から続く現在の景気回復期間は、今年1月には戦後最長となる73か月を超えた可能性があると見られております。
 こうした中、自由で公正な国際経済秩序の構築に向けて、昨年末には我が国が主導的役割を果たしてきたTPP11協定が、そして今月1日には、日EU経済連携協定がそれぞれ発効するなど、世界で最大級の規模となる自由貿易経済圏が相次いで誕生いたしました。
 関税の撤廃や新たな貿易ルールにより、我が国と、アジア太平洋地域の市場、EU市場との間で、貿易や投資の一層の活発化が図られ、経済成長が期待されているところであり、こうした好機を生かしながら、積極的に海外需要を取り込み、産業の活性化や地域の活力向上につなげていくことが重要であります。
 一方で、世界経済については、二大経済大国である米中間における貿易摩擦の長期化などの下振れリスクがあることに加え、我が国においては、他の先進国に比べて生産年齢人口の減少が顕著であり、既に足元では、景気の緩やかな回復基調を背景とする求人数の増加と、求職者数の減少が相まって、有効求人倍率が高水準で推移する状況が続き、労働市場はひっ迫感を増してきております。
 本県においても、雇用環境の改善が続いているものの、企業では人手不足による受注機会の損失などの影響が生じてきており、労働力確保や生産性向上に向けた取組を一層加速していく必要があります。
 県では、昨年11月に「デジタルイノベーション元年」を宣言し、産業界や団体、大学等との連携を更に強固にしながら、企業や地域の実情に応じた技術の導入に向けて取組を進めているところであり、今後も、幅広い業種において生産性の向上が図られるよう、最新のテクノロジーを用いた省力化や自動化などの取組を促進するとともに、人口規模の縮小や人口構造の変化に伴う社会的ニーズを先取りした新たな商品・サービスづくりの促進などにも積極的に取り組んでまいります。
 また、魅力ある雇用の創出に加え、きめ細かな情報発信やサポートなど、若者の県内定着・回帰や移住者の更なる拡大に向けた取組を一層力強く推進するほか、働き方改革を進め、女性や高齢者等の就労の拡大を図るとともに、今後、増加が見込まれる外国人材の受入体制の整備などにも取り組んでまいります。
 さて、昨年は、夏の甲子園において、金足農業高等学校が県勢として103年ぶりとなる準優勝という偉業を成し遂げるなど、スポーツ界において若い世代が大きく躍動し、県民が大いに盛り上がるとともに、国内外に「秋田」を強く印象づける一年になりました。
 その流れは、年が明けても途切れることなく続いており、秋田商業高等学校サッカー部と雄物川高等学校男子バレーボール部がいずれも全国大会でベスト8に進出する快進撃を見せ、年の初めから県民に多くの勇気を与えてくれました。
 こうしたスポーツ界における若者の活躍に見られるように、私は、いつの時代にあっても、現状を打破し、新しい扉を開いていくのは若者であると考えております。人口減少や高齢化が急速に進む本県において、今後、活力にあふれる社会を構築していくためには、世代や地域を越えて大きなパワーやエネルギーをもたらす若者の斬新な発想や大胆な行動力を社会の幅広い分野に取り込んでいくことが不可欠であります。
 幸い、近年、旧弊にとらわれない新たな発想で行動を起こす若者の姿が県内各地で見られるようになってきており、そうした若者が伝統産業や地域づくりなどの分野で大きな成果を挙げ、多方面から高い評価を受ける事例が出てきております。
 このように自らの未来、秋田の未来を切り拓こうとする情熱を持った若者が、それぞれのステージにおいて一層活躍できるよう、また、そうした人材を数多く輩出することができるよう、夢を持ちチャレンジする若い世代を積極的に応援してまいります。
 また、今年、我が国は、元号が変わる節目の年であり、私は、社会に大きな変化が訪れるこの一年が、新時代の息吹が感じられつつある秋田がより良い方向に改まり、その歩みを更に進める年になることを期待し、今年の一文字として「改」の字を選びました。
 本県は、人口減少社会の克服や産業の振興、健康寿命の延伸、災害に強い県土づくりなど、諸課題が山積しておりますが、私たち一人ひとりが、改革をためらうことなく、秋田の輝かしい未来に向かって果敢に挑戦を続けることで、必ずや道は拓かれるものと確信しております。
 私にとって3期目の任期の折り返しを迎える来年度は、このような考え方のもと、県勢に見えてきた明るい兆しを確かな上昇基調につなげていくため、全力で取り組んでまいります。
 次に、平成31年度の主要施策について申し上げます。
 来年度は、「時代の変化を捉え力強く未来を切り拓く秋田」を創り上げていくことを目指す「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」推進の2年目として、社会減・自然減の抑制や人口減少下における経済力の維持、県・市町村間連携等の更なる拡充など、人口減少社会の克服に向けた取組を一層強力に進めるとともに、第3期プランに掲げた6つの重点戦略と4つの基本政策に基づいて推進する施策を更に加速させ、「ふるさと秋田」の元気創造につなげてまいります。
 まず、人口減少社会の克服についてであります。
 近年増加傾向にある若者の移住や回帰の流れを加速させるため、切れ目のないサポートを一層きめ細かく行うとともに、人が人を呼び込む好循環の創出に向けて、既に移住された方々と連携した取組を進めるほか、Aターンについては、特に、航空機・自動車産業や情報関連産業などの成長分野や、建設業など人手不足が深刻な業種において、即戦力となる人材の流動・確保が図られるよう取組を強化してまいります。
 こうした取組を着実に進めていくためには、まずは社会全体で意識を共有することが大切であります。このため、県外で暮らす家族などに対して秋田への回帰を呼びかける「あきた回帰キャンペーン」を通年で展開してまいります。
 また、結婚や子育てについては、社会全体で応援する機運の醸成に一層努めるほか、子育て世帯に対し、国における幼児教育無償化の動きに対応しながら、引き続き手厚い支援を行ってまいります。
 さらに、次代を担う若者による、未来を切り拓く多様なチャレンジを積極的に支援するなど、高齢化が進む中にあっても若い世代が生き生きと活躍できる環境を整備してまいります。
 活力にあふれ、安心して暮らすことができる地域社会づくりについては、複数の集落からなる新たなコミュニティ生活圏の形成に向けて取組を本格化させるほか、市町村との協働により、買い物や交通など、生活課題の解決に向けた住民主体の支え合い活動を支援するとともに、地域づくりを牽引するリーダーの育成や多様な主体による協働の取組を促進し、地域の元気を創出してまいります。
 行政サービスについても、将来にわたって安定的に提供していくことができるよう、引き続き、県・市町村の協働・連携による取組を推進するほか、地域固有の課題に即した自治体間の新たな連携方策について市町村と共に研究を進めてまいります。
 次に、産業振興についてであります。
 第4次産業革命の技術革新の進展により、我が国の産業構造・就業構造は大きな転換期を迎えており、本県産業においても、そうした変化に遅れることなく構造変革を図っていく必要があります。
 成長分野である航空機産業や自動車産業において世界的に進展している電動化の潮流を踏まえ、県内企業が有する高い技術力を生かした電気モーターコイルの製造拠点化を進めるとともに、自動車部品製造におけるサプライチェーンの拡充を図るほか、ICTを活用して健康・医療分野の課題解決を図る「ヘルステック産業」への県内企業の参入を促進してまいります。
 また、県内企業の生産性・付加価値の向上を図るため、IoTやAI等の先進技術の導入促進に取り組むほか、中小・小規模企業者がICTを活用して経営課題を解決することができるようサポート体制を充実させてまいります。
 さらに、産業人材の裾野の拡大に向けて、デジタルテクノロジーを活用できる人材や成長分野において将来を担う専門人材の確保・育成を進めるほか、市町村や関係団体等と連携し、外国人材の適正な受入れに向けた体制づくりに取り組んでまいります。
 農林水産業の競争力強化と成長産業化に向けては、園芸や畜産等の大規模生産拠点の整備を全県域で展開するとともに、「えだまめ」や「ねぎ」、「しいたけ」など日本一を目指す品目の生産拡大を図るほか、県産農畜産物の更なるブランド化や国内外への販路拡大を進めるなど、複合型生産構造への転換を加速させてまいります。
 また、基幹作目の米については、播種前に売り先を確保する事前契約や業務用米を拡大するなど、確実な需要に基づいた生産を推進するとともに、秋田米のプライスリーダーとなる食味に優れた新品種について、農業団体と一体となってデビューに向けた準備を本格化させてまいります。
 さらに、生産性の向上などの効果が期待されるスマート農業の普及・定着を図るため、水稲や園芸作物において、生産から販売までICT等の先進技術を体系的に組み合わせた営農実証に取り組んでまいります。
 林業・木材産業については、県産材の需要拡大を図るため、商業施設など非住宅分野における新たな用途開発を進めるほか、今年4月からスタートする森林経営管理制度が円滑に実施されるよう、専門知識を持った支援員を配置するなど、市町村をサポートしてまいります。
 今年九月に開催される「第39回全国豊かな海づくり大会・あきた大会」については、式典行事や関連行事において、ハタハタやしょっつる、飯ずしといった本県の特色ある水産物や加工品、漁村で育まれてきた食文化など、秋田の魅力を全国に広く発信するとともに、会場の装飾に秋田スギをふんだんに用いるなど、来県される皆様に秋田らしさを満喫していただけるよう、関係団体等と一体となって万全の準備を進めてまいります。
 次に、交流人口の拡大についてであります。
 国では、観光を成長戦略と地方創生の柱として位置づけ、2020年の訪日外国人旅行者数を4,000万人にする目標を掲げながら、「観光先進国」の実現に向けて取組を加速させており、本県においても、こうした国の動きと軌を一にしながら、国内外からの誘客力を高めていく必要があります。
 このため、ICTを活用して多言語化への対応を強化するなど、外国人観光客の受入環境の充実を図るほか、従業員不足を克服するための生産性の向上や外国人材の円滑な受入れに取り組む宿泊事業者を支援してまいります。
 また、旅行者が訪れたくなる観光地づくりに向けて、本県が有する多彩な観光資源に一層磨きをかけるとともに、これらを複合的に組み合わせることなどにより更なる魅力向上を図るほか、地域における観光地づくりの舵取り役となる、全県域を対象とした地域連携DMOの組織化に向けて検討を進めてまいります。
 来月末から週2往復の通年運航がスタートする台湾との定期チャーター便については、インバウンド誘客の効果を最大限に取り込めるよう秋田泊旅行商品の造成を支援するとともに、県民の利用促進など需要の掘り起こしを図りながら、安定的な運航の確保に取り組んでまいります。
 県・市連携文化施設については、2021年度中の開館に向けて、本体工事に着手するとともに、管理運営に当たる指定管理者の公募手続き等を進めるほか、開館までの期間においても芸術文化活動が活発に行われるよう、県民の鑑賞機会の確保や関係団体の活動支援などに取り組んでまいります。
 交流の拡大を支える交通ネットワークの充実については、高速道路の一日も早い全線開通と安全性・定時性の確保に向けて、事業中区間の早期完成と秋田自動車道「北上ジャンクション・大曲インターチェンジ間」の4車線化を国に対し強く働きかけるとともに、県が整備する鷹巣西道路について、2020年度の開通に向けて、着実に事業を推進してまいります。
 また、防災機能の強化や高速化につながる秋田新幹線トンネル整備構想の実現に向けて、岩手県や沿線自治体と連携しながら、JR東日本や国に対する働きかけを強化するとともに、国内航空路線の拡充と利便性の向上を図るため、LCCの誘致活動などに取り組むほか、沿線住民の生活を支え、地域の活性化に貢献する第三セクター鉄道については、経営の安定化により持続的な運行が確保されるよう、鉄道資産の保有・使用形態のあり方を含む経営改善に向けた抜本的な方策について、沿線市や鉄道事業者と共に研究・検討を進めてまいります。
 次に、誰もが元気で活躍できる社会づくりについてであります。
 生きがいや豊かさを実感しながら暮らせる健康長寿社会、また、全ての人々が地域で活躍し、共に支え合いながら安心して暮らせる地域共生社会の実現は、県民が等しく求める願いであります。
 この2年間、県民運動を展開しながら健康寿命日本一を目指して取り組んできた結果、健康づくりに対する県民の意識は確実に高まってきており、この機運を更に高めながら、県民一人ひとりが主体的に健康づくりに取り組む社会への一層の転換を図るとともに、受動喫煙のない環境づくりを進めるため、県民の理解促進を図りながら条例の制定に向けた検討を重ねるほか、障害の有無に関わらず、誰もが地域社会を構成する一員として自立した生活を営み、生き生きした人生を享受することができるよう、本県独自の条例を制定し、取組を強化してまいります。
 また、来月から新棟での診療を開始する脳血管研究センターについては、その名称を「循環器・脳脊髄センター」に変更し、高齢化の進行により医療ニーズが高まっている脳・循環器疾患に対し包括的医療を提供するほか、複雑化・多様化する福祉ニーズへの的確な対応を図るため、中央児童相談所や女性相談所などの機能を複合化し、ワンストップで各種の相談に対応する新たな機関として、「福祉総合相談センター(仮称)」の設置を進めてまいります。
 次に、未来を支える人づくりについてであります。
 少子高齢化や人口減少が進行し、産業構造が急速に変化する中、学校教育においても、こうした社会経済情勢の変化を踏まえながら、社会的・職業的自立に必要な力を備えて、将来の秋田を支えようとする気概に満ちた人材を育成していくことが重要であります。
 このため、高等学校における少人数学習により、一層の学力向上を図るほか、県内就職に対する意識を高めていくことができるよう、学校と家庭、地域、企業の連携を深め、地域に根ざした「キャリア教育」を推進してまいります。
 また、構造変革が進む社会のニーズにかなう実践的な知識や技能を習得するため、地元企業等とのネットワークを活用した専門教育を充実させるほか、きめ細かな情報提供やサポートスタッフの配置などにより、高校生の県内就職と職場定着の促進を図ってまいります。
 最後に、県民の安全・安心を支える生活環境の整備についてであります。
 頻発・激甚化している自然災害に備えるため、再度の災害の防止に向けて被災箇所の迅速な復旧に努めるとともに、急激な水位上昇が起こりやすい中小河川の改修・河道掘削等を進めるほか、河川水位の観測機器の設置や土砂災害警戒区域等の指定・周知を行うなど、ハード・ソフト一体となった対策を推進してまいります。
 また、老朽化が進むインフラ施設について、計画的な維持管理と更新を行いつつ、国が3か年で進める防災・減災、国土強靱化のための緊急対策に対応して、道路の法面保護や橋梁の耐震化等を実施してまいります。
 これらを担う建設人材については、「建設産業担い手確保育成センター」において、そのワンストップ機能を発揮し、建設産業団体や教育・訓練機関と連携しながら、人材の確保・育成に取り組んでまいります。
 次に、県政を巡る最近の状況について申し上げます。
 はじめに、イージス・アショアについてであります。
 昨年12月、内閣改造に伴い新たに任命された原田防衛副大臣が表敬のため本県を訪れました。私から副大臣に対しては、地元の理解が得られない限り物理的工事に着手しないよう申し入れたほか、新屋演習場を配備候補地とする前提として、国が秋田を重要な地域と認識しているという基本的な姿勢が必要である旨を申し上げたところであります。
 国に対しては、来月、改めて文書での申入れを行うことにしており、その際には、こうした点に加え、イージス・アショア本体の取得経費等が盛り込まれた来年度政府予算案に関する国会での審議や、地域住民の声、県議会、秋田市議会での議論も踏まえて、秋田市とも十分協議しながら検討を進め、調査結果に基づく政府の対応が、多くの懸念や疑問を抱く地元の声にしっかりと応えたものとなるよう強く求めてまいります。
 次に、自殺予防対策について申し上げます。
 先月、警察庁から発表された昨年の県内自殺者数は速報値で206人となり、前年と比較して39人減少しております。
 住所地をもとに集計する厚生労働省の人口動態統計においても、自殺者数は前年を下回ることが見込まれており、3年連続で全国最下位となっていた自殺死亡率は4年ぶりに全国ワーストから脱却できる見通しとなっております。
 今後とも、民・学・官の連携を更に強化しながら、相談窓口の一層の周知やゲートキーパーの養成による地域・職場における支援体制の充実など、大切な県民の命を守る取組を進めてまいります。
 次に、大相撲豪風関の引退について申し上げます。
 北秋田市出身の豪風関は、本県出身力士として最多となる幕内通算590勝の勝ち星を挙げ、体格に勝る力士にもひるむことなく立ち向かうその姿は、県民に大いなる勇気と感動を与えたほか、土俵の外にあっても、帰省の際に学校や福祉施設への訪問を精力的に行うなど、身近な郷土力士として子どもからお年寄りまで広く愛されてきました。
 豪風関の長年にわたるご活躍とご努力に改めて敬意を表するとともに、今後は、親方として本県出身の関取を育てるなど、一層活躍されますことをご期待申し上げます。
 次に、平成31年度当初予算案について説明申し上げます。
 新年度予算案においては、実質的な地方交付税が今年度を大きく下回ると見込まれる厳しい財政状況ではありますが、プライマリーバランスの黒字確保や財政2基金の残高維持に配慮しつつ、本県の最重要課題である人口減少社会への対応をはじめとする「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく施策の推進を加速し、「時代の変化を捉え力強く未来を切り拓く秋田」の実現に向けて取組を強化することにしております。
 以下、当初予算案の主なものについて申し上げます。
 「秋田の未来につながるふるさと定着回帰戦略」については、若い世代が生き生きと活躍できる地域づくりを目指し、次代を担う若者が自分の思い描く未来を自ら切り拓こうとする果敢な挑戦を支援する仕組みを創設するほか、東京圏からの移住や、地域課題の解決につながる起業を促進する国の新たな制度に、本県の実情を踏まえた独自の支援措置を組み合わせることによって実効性を高め、秋田への人の流れの拡大を図ってまいります。
 また、移住相談に係る情報を関係機関で共有し、連携して移住希望者を支援する仕組みを構築するなど、相談体制の強化を図るほか、本県への移住者が空き家を取得しリフォーム工事を行う場合の負担軽減を図ってまいります。
 さらに、結婚や出産、子育ての希望をかなえる取組として、あきた結婚支援センターのマッチングシステムをスマートフォンからも利用可能なシステムにリニューアルし、会員にとってより利用しやすい環境を整えるほか、民間事業者の協力を得ながら、社会全体で結婚や子育てを応援する機運を醸成してまいります。
 「社会の変革へ果敢に挑む産業振興戦略」については、産学官が連携して取り組む次世代自動車向け電気モーターコイルの製造拠点化や医療機器の研究開発を支援し、成長分野におけるサプライチェーン形成を促進するとともに、地域経済の牽引役を担う中核企業の更なる成長に向けた取組や地域資源を利活用した起業等を支援してまいります。
 また、IoTやAI、ロボット技術等の普及を図るため、県内企業を対象にセミナーや体験研修会を開催するほか、こうした先進技術導入のモデルとなる取組を支援するとともに、同業種の企業等からなるワーキンググループの活動等を通じて、取組の拡大を促してまいります。
 さらに、産業人材を確保するため、外国人材の適正な受入れに向けたセミナーの開催や相談窓口の設置のほか、働き方改革を企業内で推進するリーダーの養成等により、取組の普及拡大を図ってまいります。
 「新時代を勝ち抜く攻めの農林水産戦略」については、国の農政改革や国際通商協定の発効等により激化する産地間競争に打ち勝つため、園芸メガ団地等の整備を促進し、複合型生産構造への転換を確かなものにするとともに、2022年に市場デビューが予定されている水稲新品種のブランド化を図るため、生産・販売体制を構築してまいります。
 また、構造的な人手不足に対応するため、「秋田県農業労働力サポートセンター(仮称)」を設置し、JAによる無料職業紹介所の開設・運営支援や、外国人を含む多様な人材の確保に向けた取組を行うほか、先進技術を駆使し、超省力化・低コスト化等を実現する次世代型農業生産の実証を行ってまいります。
 「秋田の魅力が際立つ 人・もの交流拡大戦略」については、インバウンド誘客の一層の拡大を図るため、引き続き重点市場に向けたプロモーションを展開するとともに、QRコードを活用した案内板の多言語化や、スマートフォンへの周辺観光情報の自動配信など、ICTの活用による受入環境の整備を推進するほか、台湾との定期チャーター便について、将来の定期便化も視野に、アウトバウンドを含めた利用促進を図ってまいります。
 また、増加するクルーズ需要の一層の取込拡大に向けて、港湾整備等による港の魅力アップに取り組むとともに、一度に多くの旅行客を運ぶ大型クルーズ船の寄港を新たなビジネスチャンスとして、本県の豊富な食材と多彩な食などを船会社や乗船客に対して積極的にPRし、新たな販路の開拓と観光消費の拡大につなげてまいります。
 さらに、交流の基盤となる交通ネットワークの充実については、秋田新幹線のトンネル整備構想の実現に向けて関係機関との協議を継続するとともに、事業の経済波及効果等の調査分析を行うほか、LCCを含めた新規航空路線の誘致に向けて、県内空港における航空需要調査を実施いたします。
 このほか、スポーツによる交流人口の拡大について、ラグビーワールドカップ2019日本大会に参加するフィジー代表チームが秋田市で行う事前合宿を支援するとともに、チームと県民との交流イベント等を実施するほか、東京オリンピック聖火リレーの県内ルートの選定等を進めてまいります。
 「誰もが元気で活躍できる健康長寿・地域共生社会戦略」については、「健康寿命日本一」の実現を目指し、地域における健康づくりの推進役となる人材を育成するとともに、市町村における健康ポイント制度導入を支援し、県民一人ひとりの健康意識の高揚と自ら健康づくりに取り組む機運の醸成を図ってまいります。
 また、障害を理由とする差別のない共生社会の実現に向けて、児童生徒等に対する障害者への理解を深めるための教育の充実や、障害者サポーターの養成などの障害者が社会参加しやすい環境づくりを進めるとともに、今年5月に秋田市で開催される「第64回日本身体障害者福祉大会あきた大会」への支援を通じて、障害者の自立と社会参加を促進してまいります。
 さらに、中央児童相談所、女性相談所、福祉相談センター及び精神保健福祉センターの機能を集約した「福祉総合相談センター(仮称)」の整備に向けて、基本設計等を行ってまいります。
 「ふるさとの未来を拓く人づくり戦略」については、小・中・高校で実施している少人数学習を引き続き推進し、きめ細かな指導による質の高い教育を提供するほか、スーパーグローバルハイスクールに指定されている秋田南高等学校における取組成果の普及を図ってまいります。
 また、現在設計や工事を進めております能代地区専門系統合校、横手高等学校及び比内支援学校に加え、新たに大曲高等学校の改築に向けて、基本設計等に着手するほか、中学校における運動部活動の適正化と教員多忙化の抑制を図るため、運動部活動指導員の配置を支援してまいります。
 これらの重点戦略に加え、県民の暮らしを支える基本政策として、地域防災力を強化するため、自主防災組織の組織率向上や活動の活性化の推進役となる自主防災リーダーの養成を支援するとともに、災害時における河川の氾濫や道路の冠水等の情報をSNSを活用して共有するシステムを構築するほか、老朽化が進んでいる運転免許センター等の改築に向けて、基本設計等を行ってまいります。
 また、市町村における業務の負担を軽減するため、クラウド技術を用いた各種情報システムの共同利用に向けた課題等の検討を進めるとともに、ICTの活用による庁内業務の効率化を図ってまいります。
 公共事業については、昨年及び一昨年の大雨災害からの速やかな復旧や防災・減災対策に優先的に取り組みつつ、新たに秋田港と秋田北インターチェンジを結ぶアクセス道路の事業化を図るなど、平成30年度当初予算の3.5パーセント増となる938億円を計上しております。
 一般会計予算案の総額は、5,740億8,900万円であり、前年度当初予算と比較いたしますと、61億7,100万円の減となります。
 次に、平成30年度2月補正予算案について申し上げます。
 昨年夏の猛暑を踏まえ、熱中症対策として特別支援学校の空調設備を冷房機能のあるものに更新するほか、農林水産業の成長産業化に必要な施策を推進するため、秋田県農林漁業振興臨時対策基金を積み増しいたします。
 このほか、決算見込み等に伴う補正を行うとともに、前年度決算剰余金の2分の1相当額を財政調整基金に積み立てることにしております。
 一般会計補正額は143億5,494万円の減額であり、これにより平成30年度予算の補正後の総額は5,885億2,121万円となります。
 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「秋田県教育委員会教育長の任命について」は、任期満了に伴う教育長の任命について、議会の同意をお願いしようとするものであります。
 「秋田県障害者への理解の促進及び差別の解消の推進に関する条例案」は、障害を理由とする差別の解消について、基本理念及び施策の基本的な事項を定めることなどにより、障害を理由とする差別の解消を推進しようとするものであります。
 このほか、今年10月1日からの消費税率引上げに伴い、施設使用料等の額の改定を行おうとする条例案を提案しております。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。